第137話 罪人の末裔

私の名は、ティファニア・ルーデン。エルフの大巫女を裏切り、精霊王を殺した罪人の末裔だ。私の家は、公爵家で大巫女様は親戚でもある。しかし、何を思ったのか父は私を巫女にしようと企んだのだ。


大巫女様は、力を失い穢れ…病死なされた。


精霊王の怒りをかった、私の一族はエルフ特有の髪色と瞳の色を失った。黒髪に、紅い瞳の私は騎士として働くが…やはり、私は許されないのか?


「ん?見ない人だな、お前は誰だ?」


私と同じ、黒髪だが瞳は黒い。すると、神ゲレティーがフワリと着地。私は、慌てて跪く。


「マズイですね、プロメアは無事でしょうか?」


「無事だよ。取り敢えず、此処じゃ僕のテリトリーじゃないから力の行使が不可能。だから、君の側じゃないと戦えない。御旗は、常に持っててね。」


ゲレティーの言葉に、ルイスは無言で頷く。


「あの、お姉さん。ここの地名を、教えてくれませんか?ちょっと…、その迷子の様なのです。」


その少年は、少しだけ恥ずかしそうに困った雰囲気で言う。なるほど、コレが萌えか。ではない、早く教えてやらねば。どう見ても、聖職者なのだから。


「ここは、セイムースデル。聖騎士の修行地で、多くの巫女見習いが集う聖地でもある。」


「随分、遠くに弾かれましたね。」


ルイスは、黒塗りの地図を見ながら呟く。


「まあね。君は、僕の信者だし。精霊王に、唯一対抗できる僕の力を増幅なんて出来ちゃうから。」


ゲレティーは、笑いながら言う。


「ゲレティー様は、世界共通で同一神物なのですねー。説明する、手間が省けて助かります。」


ルイスは、深いため息を吐き出すのだった。




ルイス達は、クエストをこなして枝を受け取ろうとしていた。そこに、堕ちた精霊王が攻撃して来たのだ。しかも、ルイスを執拗に狙っている。


堕ちた精霊王は、当たらなくてイライラしたのか、魔法を使ってルイス達を世界樹から弾いたのだ。


そして、今に至る。ゲレティーが、素早く反応してルイスを守ったから無事なのである。その代償に、力の行使の制限をかけられてしまった。


「ルイス、油断せず世界樹を目指そう。」


ゲレティーが、編成に入る。


「そうですね、きっと皆んなも世界樹を目指しているはず。僕も、急がなければ。それに、プロメアも心配ですし。かなり、怯えていたので…。」


心配そうに、表情を曇らせる少年。守りたい…。これは、尊いというやつか。なるほど、やっと理解が出来た気がするぞ…女聖騎士達の言葉が。


私も、女聖騎士という訳だな。


「では、私も少しながら手伝おう。」


「本当ですか、ありがとうございます!」


ルイスは、嬉しそうに笑う。


ぐっ!守りたい、この笑顔…。神様、やめてください!そんな、ニヤニヤと見ないでください!


「君、また人をたらし込んだね。」


「??」


取り敢えず、頑張ってこの子を…


「すまない、私の名前はティファニアと言う。親しい者からは、ティファと呼ばれている。もし良ければ、君の名前を教えてはくれないだろうか?」


よし!私、良く頑張った。少し緊張したが言えた!


「僕は、ルイスといいます。この世界に来て、少し経ちますが別世界からの旅人です。」


ルイス様、そういうのだな。良い名前だ…。


「ゲレティー様、急に黙ってどうしました?」


「…いや、何でもないよ。」


君って、見ていて保護欲を掻き立たせるよね。更に言えば、可愛らしい顔して無能では無いって所だろうか。もし、いろいろと自覚して利用し出したら、かなり恐ろしい事態になりそう。言わないけど。


「取り敢えず、最短距離で進みましょう!」


ルイスは、気合を入れる様に言う。


「何だろう、可愛いの化身か?」


私は、思わず呟く。


「ついに、隠さなくなったね。」


ゲレティー様が、呆れた雰囲気で言う。


しまった!引かれては…、いないな。どうやら、ルート確認の他に地図と睨めっこしている様だ。


「ゲレティー様、このマップ…魔法陣ですか?」


「うん。けど、書き換えられてる。余程、君達を世界樹に近づけたくないみたい。さあ、行くよ?」


ルイスとティファは、頷くと走り出した。


ショタっこ大好き、変態騎士ティファ。何だかんだで、面倒見の良いツッコミ担当ゲレティー。無意識的な人たらし、天然でのほほん聖職者ルイス。ネタ要素満載な、編成でクエストが始まったのだった。


リルとソルは、呼び出せませんね。まあ、2匹とも精霊獣ですから。きっと、動きを封じられてます。


「ルイス、そろそろ来る!」


「鬱陶しいですね。」


ゲレティーの言葉に、ルイスは苦笑して呟く。


「あれは、私に任せてくれ。」


そう言うと、突っ込んで行く。ゲレティーは、魔法で遠距離攻撃。ルイスは、補助バフをかける。


そして、追っ手から逃げる様に走り出す。


グレン達と、チャットができる様になりました。プロメアは、ルーカスと一緒の様です。グレンは、ロゼさんと追っ手と戦いつつ行動。やはり、世界樹を目指している雰囲気ですね。そしてやはり、僕達が1番遠くへ飛ばされた様です。急がねば…。


ルイス達は、スピードを上げるのだった。











作者の独り言


書けるだけ、書くぜぇーい!ふぉおー!

(`・ω・´)☆

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る