第132話 害悪プレイヤーへの対応
さてと、何があったとしても、先にプロメアが手を出した以上は下手に出ざるを得ないです。
「どんなとは?」
「こいつ、いきなり俺を襲って来たぞ!」
なるほど…、自分の事は棚に上げますか。
「それは、申し訳ありません。さて、プロメアも謝りなさい。何があったとしても、先に手を出したなら謝らなければいけませんからね。」
すると、その場の全員が驚きルイスに怒りを向けている。プロメアは、頭を下げようとしてルイスが抱きしめて阻止する。プロメアは、キョトンとする。
「頭は、下げなくて良いです。」
「ご、ごめんなさい!」
すると、激怒する男プレイヤー。
「謝罪する時は、頭を下げるって教わらなかったのかよ!土下座しろ!慰謝料を、請求する!」
結局は、慰謝料が欲しいだけ。周りは、冷静にルイスを見ている。プロメアは、ルイスを不安そうに見上げるがルイスは優しく頭を撫でる。そして、親としてbreezeのリーダーとして堂々と言う。
「なら、此方は名誉毀損ですかね?それと、業務妨害罪。それと、窃盗罪。他には、どんな罪ですかねー。ちなみに、この世界で窃盗罪と業務妨害罪はプレイヤーでも罰をくらいます。どうやら、新しい規則をお読みになってないようですね。」
「自分の子を、物扱いかよ虐待じゃねーか!」
すると、ルイスは思わず笑ってしまう。
「でも、貴方もプロメアの不安を煽る暴言を言いましたよね?更には、怒鳴って脅してましたよね?それも、虐待になりますよね。棚上げですか?」
「ふん、知らねーよ!」
すると、男はシラを切る。これだけ、目撃者が居るというのに。ルイスは、マッキーの動画を流す。
「恐喝して、揺さぶって…よくも、抜け抜けとシラを切ってくれましたよね。恥ずかしくないです?」
あっさりと、笑いながら言うと、プレイヤーからの拳が飛んでくる。ルイスは、一瞬で錬成壁を作り受け止める。勿論、プレイヤーは撃ち負ける。
ルイスは、プロメアを見ると小悪魔的に言う。
「プロメア、先に手を出すと正当防衛が認められないので、こうやって先制攻撃させるんですよ?」
「ママ…、小悪魔的にカッコいい!」
後は、ルイスのターンである。
「さて、シャルムさんプロメアに少し目隠しを。」
シャルムは、やれやれと頷くとプロメアを2階に連れて行く。ルイスの顔から、笑顔が消える。
「プロメアに、手を出したのは悪手でしたね。」
王水を投げれば、装備が破壊される。剣撃も、軽く回避すると勢いよく殴る。吹き飛ぶプレイヤーに、全員が唖然とルイスを見ている。
「錬金術師には、2種類の存在が居ます。一つ目、ホムンクルスを含めた錬金生物は道具であると考える人。2つは、錬金生物であろうと1つの命。だから、命ある限り対等である考える人です。」
ルイスは、ゆっくり歩いて近づく。プレイヤーは、腰が抜けたのか立てない様子。
「僕は、二つめの考えです。例え、所詮はゲームだろうと笑われても、この考えだけは変えません。」
「はっ!ゲームに、洗脳された廃人だな!」
プレイヤーは、一生懸命に煽る。
「廃人で結構、そもそも此処にいる殆どの人が、かなりの確率でやり込んだ猛者達ですよ?」
すると、周りから同意の声が上がる。
「親は、どんな時でも最善を尽くして、直接的じゃなくても子を守るものです。今回は、間に合って良かったですが…。それでも、許せません。」
「まだ、学生の癖に分かった様な事を言うな。」
まるで、ルイスを馬鹿にした様に言う。
「確かに、まだ学生です。ですが、子供だからこそプロメアの気持ちも察せられるのですよ。」
ルイスは、短剣を抜くと素っ気なく言う。
「こんな、暴力しやがって!」
「一応、正当防衛と自己防衛です。」
すると、周りも頷いている。
「通報してやるからな!」
「あ、お願いします。此方が、通報する手間が省けますし、自首するなんて素晴らしいですね。」
少しだけ、冷ややかに言うルイス。プレイヤーは、通報ボタンを押した。運営、動かない…。ルイスといえば、おやまあ…。っと素っ気なく呟き言う。
「breezeリーダー、ルイスは此処に宣言します。ホームの皆んなは、大切な仲間です。彼らの意志を、無視した強引な勧誘や妨害は規則として禁止されています。そのため、少しでもそう言う言動が見られた場合は、容赦しませんし覚悟してくださいね。」
すると、宣言が終わったタイミングで衛兵が入って来る。ルイスは、一瞬だけ警戒したが衛兵はルイスを素通りしてプレイヤーを確保した。
「お邪魔します、運営の鬼崎です。対応が、遅れてしまい申し訳ありませんでした。プレイヤー、マリンバさんに対する通報が多数寄せられたので来ました。まず、リアルでの犯罪は此処でも犯罪です。」
ルイスは、鬼崎の所に行くと頭を下げて謝る。
「先程は、スキル無断使用の件で、ご迷惑をお掛けして申し訳ありません。衛兵の事も、ありがとうございました。以後は、気を付けます。」
「一応、その件は今回だけ見逃す事になりました。ですが、次からは衛兵に捕まりますから、気をつけてくださいね。今回は、厳重注意だけにします。」
優しく笑うと、事情を知ってると説明する。ルイスは、少しだけホッとする。すると、鬼崎は言う。
「それに、直ぐに対応が出来なかった、我々の落ち度でもあります。対応が遅れ、breezeメンバーさん達には、多大なご迷惑をお掛けした事をお詫び申し上げます。以後は、この様な事が起こらぬ様に、プレイヤーの管理を徹底的にしたいと思っています。ですから、これからもF LLの世界を楽しんでくれたら嬉しいです。これからも、精進して参ります。」
すると、その場のプレイヤーが拍手をする。
「はい、これからもよろしくお願いします。」
ルイスも、ノホホーンと微笑み言う。
「ちなみに、犯罪や規則違反を起こしたプレイヤーについてですが。アカウント凍結、アカウントBanは勿論ですが解凍されたり別垢を作ってログインした際に常に名前が赤く表示されます。ちなみに、運営の監視対象を意味してますし、監視対象が外れるまでソロでしか行動が出来ません。また、赤文字は他のソロと組んでもデメリットしかないです。」
そう言うと、そろそろ失礼しますと消えた。最後に少しだけ、ルイスをチラ見して。ルイスは、キョトンとするがプロメアを呼ぶとホームに帰る。
プロメアとホームに戻り、いつもの場所に座る。すると、ランコルが紅茶を置く。ルイスは、母親から夕食の連絡が入ったのを確認する。大河は、瑠衣と入れ替わりで仕事に行ってしまったので居ない。
「良く考えれば、ゲームする時間が増えるし、別に全然悪くない気がして来ました。取り敢えず、さっさとご飯を食べて再ログインしてしまえば良いのです。うん、そうですよ。けど、運動不足が怖いので次からは、ランニングしてからにしましょう。」
ルイスが、そう呟けばトキヤは察した。
「余り、無理するなよ?」
「はい。取り敢えず、ご飯落ちしますね。」
そう言うと、待機状態になる。
親は、仕事の為に部屋でご飯を食べる様だ。つまりは、1人ご飯である。瑠衣は、少しだけ安堵する。
スマホが鳴り、箸をとめてはしたないが、電話相手を見て出る。すると、智也は元気良く挨拶。
「よっ!そっちは、星秀冠高校に受かった?」
「はい、何とか。智也君は?」
瑠衣は、微笑みながら言う。
「勿論、バッチリ!裕太、春華それと夏樹と神崎も受かってた。それでさ、うちの親がとあるイベントのチケットを多く買いすぎてさ。行かない?」
「それは、いつ何処で開催されるんですか?」
ルイスは、カレンダーを確認しながら言う。
『えっと、2日後だな。9時から、リンクスワールドオルダーズ株式会社の敷地内だな。コラボカフェや、グッズ販売もあるみたいだけど。ホールでの、トークショーや発表みたいなのがメインっぽい?』
「……なるほど。」
つまり、兄さんの会社に行けば良いんですね。
『巻き込む代わりに、迎えに来るから待ってて!』
うーん、正直な話…トラブル?を起こしたばかりなので行きづらいです。でも、困ってますし。
「分かりました。その、当日は口調を変えます。」
『ん、身バレ防止だな。了解!』
ち、違うのですが…まあ、良いです。瑠衣は、ご飯を食べると皿を洗い再ログインするのだった。
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