第130話 こっそりホームへ
おはよう御座います。現在、6時なのですが。キッチンから、良い匂いがします。手際的に、兄さんでは無いのは確定です。つまり、居るんですかね?
瑠衣は、着替えるとキッチンを除く。
「あら、瑠衣君おはよう。」
「えっと、おはよう御座います。」
美波の言葉に、ギクシャクと答える。
「朝食は、ちょっと待ってね?」
瑠衣は、無言で頷くと自室に戻る。
きっ、気まずい…。そもそも、いつもは寝てる時間なのに、何故に起きているのでしょう。えっと、合格の手紙を見たから気を使っている…とか?
「おはよ、母さんが朝食を作るから、まだ寝てても大丈夫だぞ?あれ、完璧に目が覚めてるな。」
「母さん、今日も仕事なのでは?だ、大丈夫でしょうか?まさか、変に気を遣わせてるのでは…。」
瑠衣は、グルグルと考えてる。
「親として、当たり前の事してるだけだろ?」
素っ気なく、そう言うと大河は降りて行った。
お、落ち着かない…。
今日は、高校の説明会や教材を取りに行ったり。それに、制服の採寸とかもですね。取り敢えず、説明会の後に採寸。帰りに、教材を受け取りに行って。
それと、いったん家に帰って買い物をして…
その後に、家事を終わらせながら、夕ご飯の準備して宿題してログインですね。あれ、呼ばれました。
「瑠衣君、採寸が終わったら電話してね。」
美波の言葉に、驚き固まる瑠衣。
「え?」
そもそも、お仕事なら深夜まで帰れないのでは?
「…別に、大丈夫です。今までも、1人で受け取りに行ってましたし。お仕事、頑張ってください。」
ボソボソと、呟く様に瑠衣は言う。
「…お母さん、今日から家で仕事するのよ。だからね、今まで瑠衣君達に負担をかけてた家事も頑張るつもりよ。その、瑠衣君…ごめんなさいね。」
「…ご馳走様でした。」
瑠衣は、立ち上がると逃げる様に登校した。
瑠衣が帰ると、家事が全てしてある。瑠衣は、素早く自室に引きこもる。瑠衣は、ため息を吐き出す。
どうしましょうか…。
「瑠衣?顔色悪いけど、大丈夫か?」
大河は、無言で自室に戻った瑠衣を心配に思う。そして、ノックしてから部屋に入った。
「…何でしょう。話したく無いし、関わって欲しくないんですよね。今更、構われても…うざ…面倒な気がして。何か、モヤモヤして気持ち悪いです。」
すると、本当に気持ちが悪そうに言う。
「そうか、ついに瑠衣にも来ちゃったか反抗期。」
大河は、苦笑する。しかし、瑠衣は首を傾げる。
「僕は、もう高校生なのですが?」
「第二反抗期は、小学校高学年から中学生までの思春期に起こる。まだ、入学してないから遅めの反抗期だと思う。環境が、あれだったしな。」
そう言うと、大河は部屋を去ってしまった。
「反抗期…。」
瑠衣は、呟くとため息を吐き出しログインした。
さてと、いつもより早いログインです。まだ、2人は来てませんね。そう言えば、プロメアが心配なのですよね。あれ、ルーカスからメッセージですか。
『2人とも、今日はイン出来そうにないっす。』
つまり、今日はフリーですね。
『一応、インしたけど俺も無理そう!』
1人なら、プロメアの様子を見に帰りますか。女性姿ですけど、やっぱりプロメア達が心配です。
さてと、日本サーバーに帰って来ました。深くローブのフードを被り、足速に冒険者ギルドで再登録。
取り敢えず、お店に入れば驚くトキヤ。
「品出し、してくれてたんですね。」
「ルイス、帰れないんじゃなかったのか?」
その言葉に、キリアとバロンは驚く。取り敢えず、アトリエに移動しながらルイスは言う。
「やっぱり、プロメアが心配で。それに、2人とも今日は、予定が入った様なので良いかなと。」
アトリエのソファーに、座ればリルとソルが来ますが膝に乗って来ません。足元に、2匹とも座ってますね。女性の膝には、乗られないと?何気に、紳士ですね。さて、プロメアはいなさそうです。ルイスは、フードを脱ぐと周りは驚いた雰囲気である。
「プロメアは、出掛けてるぞ?」
「取り敢えず、今日はこっちでログアウトする予定なので。何か、任せっきりですみません。」
ルイスは、少しだけ申し訳ない表情で言う。
「俺達が、追い出したもんだし気にするな。それよりも、随分とお前にしては早いログインだな?」
トキヤは、笑いながら言い。気になったのか、暢気にルイスに言う。ルイスは、素っ気なく言う。
「どうやら、反抗期なのは僕の様です。」
「うん、意味がわからん。悩み事か?」
トキヤは、ナチュラルに突っ込みを入れる。
「いえ、何でもありません。ただ、暇だったので。わーい、久しぶりのランコルさんの紅茶です。」
ルイスは、ノホホーンと笑うと紅茶を飲む。
「ふーん、暇…ね。でっ、何があった?」
トキヤは、何かを感じて聞く。
「何も?」
ルイスは、にこにこと笑って追求をさせない。
「……何か、困った事があったら言えよ。」
「はーい。さてと、リル!ソル!」
ルイスは、2匹を抱きしめる。フィンは、やれやれという雰囲気である。しかし、他のメンバーは知っている。ルイスは、ストレスがあると2匹を抱きしめる癖がある。癒しを、求めるが故だが…。
トキヤは、深いため息を吐き出すと考える仕草。
「そう言えば、暫く留守にしてましたが、何か困った事とか有りますか?一応、対応する予定です。」
ルイスは、暢気に微笑み聞く。
「それだが、ルイスが居なくなってから、うちの住民スカウトが始まってだな。困ってる…。」
トキヤは、凄く困った雰囲気である。
「それは、プロメアもですか?」
ルイスは、何故に荒れているのか察する。
「そう…だな。だから、1人行動はやめる様に言うんだが…。なかなか、聞いてくれないんだよな。」
トキヤは、歯切れ悪く苦笑する。
うーん…。錬金術の、邪魔をされたく無い。自分ならば、こんな人達くらい大丈夫っと思っていそうですね。数の暴力は、時に実力をも覆します。
キーン!キーン!キキーン!(特殊サイレン)
「…っ!?」
ルイスは、素早く立ち上がると走り出す。
「ルイス、どうした!」
トキヤは、驚くがそれどころでは無い。今のサイレンは、プロメアに何か起こった時しか鳴らない。
この音を、聞くのは2度目だ。
1度目は、プロメアの姉であるプロメテアが暴走した時である。ルイスは、躊躇わず転移門を発動。
「ルイスが、あんだけ焦るって事はプロメアか!」
トキヤは、外でそれを言えば素早く同盟メンバーが動き出す。マッキーから、映像が来る。そこには、白い髪が真紅に染まり肌に赤い亀裂が入ったプロメアだった。ルイスも、素早く動画を見て走る。
「ルイス、南の冒険者ギルドの酒場だ!」
その場に居た、羅華が真剣に言う。すると、皆んなが道を開けてくれる。ルイスは、フードを取る。
「ありがとうございます!」
「お、おう…」
女性姿のルイスに、羅華は驚いて赤面する。それは何も、羅華だけでは無い。ルイスは、本来なら禁止されているが空歩を発動させて、屋根上を走る。
勿論、運営も映像は確認している。
なので、衛兵の対象にしなかったのだ。蒼夜も、深いため息を吐き出す。そして、画面を見つめる。
「まったく、可愛いなりして勇敢だな。衛兵が動いてしまえば、可愛い娘に会えなくなるってのに。」
蒼夜は、少しだけ呆れた雰囲気で言う。
「仮に、動いても良いと覚悟してたはず。それで、永遠に娘を失うよりは良いって思ったんだろ。」
大河は、衛兵の巡回経路をパソコンで確認する。そして、少しだけ困った雰囲気で言う。
「しかも、大勢のプレイヤーから衛兵停止の声があがってるし。停めないと、運営が炎上する。」
鬼崎が、笑いながら言うと周りが笑う。
「あのホムンクルスは、俺達が受け継ぐ前から居たし、何よりルイスがオリジナルで作ってる。一応だが、禁止されてる事はしてないが…。前の裏データ、ホムンクルス姫って書いてあるし。」
佐々木が、苦笑しながら言う。
「絶対、ルイスは知ってる。知ってて、やってやがるよ。上手く、掻い潜って規制ギリギリを通りやがった。本来、ホムンクルスは錬金術しか出来ない設定なのに…。本当に、天才かよお前の弟!」
大河を見ながら、蒼夜は腹を抱えて笑う。
「あれでも、このゲームでかつて『鬼才の名匠』と呼ばれた軍師様だぞ。ほわほわして、にこにこしてるけどな。なかなかに、恐ろしい子だぜ?」
大河は、乾いた笑いを浮かべてしまう。
「さて、着いたな。どうなる事やら…。」
蒼夜を含めて、全員が画面を見るのだった。
作者の独り言…
まずい、まだ3月タイミングの話だ。もうすぐ、6月になるのに。書きたい事、いっぱいあるのに!
急げぇー!急げぇー!ペースアップ中!
ふおーっ!(*゚∀゚*)
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