第124話 再び募集!

さてと、今回はルーカス君のアトリエに来ております。取り敢えず、ドロップ確認をログを見ながら確認してます。というのも、奇跡の雫という錬金素材と霊樹の霊魂という合成素材が落ちたのです。奇跡の雫は、レシピに出たのですけど…レベルが足りませんね。うーん、いったい何の素材なのでしょう?


ちなみに、ドライアドから奇跡の雫。トリエントからは、霊樹の霊魂が履歴ではドロップしてます。


ちなみに、僕が奇跡の雫×5と霊樹の霊魂×1です。グレンは、奇跡の雫×5だけみたいです。ルーカスも、霊樹の霊魂2つでしたね。



「何にせよ、まだ僕に扱えない素材ですね。」


真剣な表情で、少しだけ残念そうに呟く。


「エルダーアルケミストでも、扱いきれないってヤバいな。情報も、名前しか表示されてないな。」


グレンも、同じものがドロップしていたのか、取り出してからルイスにトレード申請する。


「霊魂も、何に使うんっすかね?」


ルーカスは、考える様に呟く。


「皆さん、お茶の用意が出来ましたよ?」


ザインは、笑顔で使えに茶器とお茶菓子を置く。


4人は、物を片付けてからお茶をする。そして、出掛ける準備をしてギルドで募集する事になる。




募集中…


「なんだい、全員が男なのかい?まあ、暇潰しだから良いけどね。あたしは、ビシャラだよ。」


姉御肌で、ワインレッドの髪に眼帯、そして青い瞳の少しエロめ服な美人プレイヤーだ。グレンは、思わず年相応に顔を赤くしている。ルーカスも、見ないように頑張って意識している。


「ビシャラさん、服装はどうにかなりません?」


ルイスは、動じる事もなく普通に注意する。この時に、グレンはギョッとルイスを見る。ルーカスは、『流石、ルイスの兄貴…全く動じないっすね。』と呟く。ルイスは、意味が分からなく首を傾げる。


「ん?あー、済まないね。上着は、何処だぁ?」


ルイスの言葉に、ガサゴソと鞄を探すビシャラ。ルイスは、小さく息を吐くと鞄から上着を出す。そして、素早くトレード申請して小枝とトレード。


黒い布地に、袖と襟に綺麗な赤い刺繍。胸元には、花と金色小鳥の刺繍で長さもロングである。赤いベルトで、腰辺りを絞めているが露出も減り、目のやり場に困らない感じになっている。


「ありがとう、けど小枝じゃ駄目だろ!」


すると、ルイスはジト目でビシャラをみる。


「別に、欲しい物が無かったので。それに、それは女性物なので僕には装備が出来ないですから。」


ちなみに、シャルムが過去に間違えてルイスに送った物である。かなり、高性能ではあるのだが女性物という事で、長くルイスのストレージに封印されていた。ビシャラも、驚いてから考える。


「あんた達、何の素材目的なんだい?」


「霊宝の欠片です。」


ルイスは、素っ気なく言うと座る。


「霊宝?あれ、使えない素材なはずだが?」


ビシャラは、キョトンとしてルイスを見る。


「僕にとっては、とても必要な素材です。」


ルイスは、紅茶を飲みながら真剣に言う。ルーカスは、ビシャラに簡単に説明をする。


「なるほど、そう言う事ならあたしも協力しようじゃないか。さて、誰か来たみたいだよ。」


「やあー、こんにちは。お邪魔するよ?」


すると、ルーカスとビシャラが驚いて固まる。グレンも、考える様にその青年を見ている。


ルイスは、キョトンとして言う。


「えっと、まさかイギリスサーバーの最強である、ロゼさんが来るとは思いませんでした。」


「そりゃ、来るでしょ?日本サーバーから、わざわざ七王の2人が旅しに来てるんだし。少し、出遅れたけどね。ようこそ、イギリスサーバーへ!どう?少しは、楽しめてる?君らが、知ってる通りイギリスサーバー元剣王ロゼだよ。よろしくね!」


すると、グレンは笑顔で言う。


「日本サーバー、元剣王グレンだ。よろしく!」


ルイスは、少しだけ迷ってから言う。


「日本サーバー、元錬金王兼元聖王ルイスです。今回は、よろしくお願いしますね。」


すると、グレン以外の全員が驚き固まる。


『!?』


「待てぇーい!っす!ルイスの兄貴?それ、初聞きなんっすけど!?え、ええ?つまり、マジの聖人様だったんっすか?そう言えば、ゲレティー様とも仲が良さそうだった気がするっすけど……。」


ルーカスは、かつて無い程の混乱状態である。


「はい、ゲレティー様に聖王の称号を貰いましたからね。カリオストロを、仲間に入れた時ですね。」


ルイスは、困った様に笑うと神託の御旗を出した。


「まあ、何にせよだ。今回は、同盟とか放置して来たけど、白百合君の件は僕達の落ち度でもある。しっかり、見てなかったばかりに…ごめん。」


ロゼは、本当に悲しそうに言う。そう、あの時に白百合を護衛していたのは彼らだったのだ。そして、真剣な表情をしてから言いづらそうに言う。


「それに、君だよね。掲示板で叩かれてた、僕の仲間をフォローしながら助けてくれたの。」


ルイスは、心当たりがあったが、ポーカーフェイスでキョトンとする。ロゼは、優しい表情で言う。


「いや、この件は問い詰めないでおくよ。俺も、これ以上は首を絞めたくは無いからね。」


「残念ながら、僕は英語が得意では有りません。なので、本当に人違いだと思いますよ。」


嘘は、言ってない。まあ、翻訳機能は使ったが。ルイスは、紅茶とお茶菓子を全員分用意して置く。


「今回は、10人必要なので揃うまで、のんびりとお茶や雑談でも楽しみましょうか。」


ロゼ達も、頷いたので座る。


「後、4人は最低限は必要だな。」


グレンは、暢気に笑いながら言う。


「はい、今回は2班に別れて行動するので。」


ルイスは、暢気に笑いながら言う。


「聞いて良いかい、今回君達は白百合君の素材集めをしに来たんだよね?で、ルイス君は同盟の盟主でリーダーでしょ?その、あっちは大丈夫なの?」


自分も同じ立場、だからこそ心配して聞く。それに対して、ルイスは落ち着いた雰囲気で微笑む。


「僕は、各リーダーや副リーダーを信頼してます。僕が、暫く居ないくらいで解散する様な、適当な信頼関係だとは僕は思ってません。それに、僕のクランは営業停止してますからね。大丈夫ですよ。」


「それは、リーダー達以外を信頼してないと、そう言っている様にあたしには聞こえるんだが?」


少しだけ、不機嫌そうにビシャラが言う。だが、ロゼにはルイスに共感を持てる。ビシャラは、知らないのだろう。ある意味、幸運なのだろうなと。


「ビシャラ、大きなクランになると人の出入りが多いんだ。それを、いちいち確認して仲良くなるのは難しいんだ。やっぱり、人だから合う合わないがあるし。近づき過ぎて、関係を悪化させると大変なんだよ。下手すれば、同盟関係を切られる。」


ロゼは、苦笑しながら過去のトラブルを思いつつ説明する。ビシャラは、驚いてから複雑な表情だ。


「その通りです。いろいろ、距離感が難しいのですよね。特に、立場的に盟主となれば、皆さん遠慮したり避けられたり。仲良くしたくても、逃げてしまうのですよ。だから、ルイスとして個人的に行動するこの時間が、楽しくて楽しくて仕方がないのです。こうして、皆さんとも出会えましたしね。」


ルイスは、複雑な表情をしてから微笑む。


「済まないね。あたしが、悪かった。」


ビシャラは、苦笑して言う。


「いえいえ、大丈夫ですよ。僕も、言い方が悪かったですね。勘違いさせて、ごめんなさい。勿論、リーダー以外でも信用してる人は居ますし、ホームの皆んなの事も僕は信じてますよ。」


すると、ロゼとルーカスとビシャラは微笑む。


「君は、クランの事をホームと言うんだね。」


ロゼは、優しい表情で言う。


「はい、僕の帰る場所。僕を、暖かく迎えてくれる仲間が待ってる場所ですから。」


「ふ…」


グレンが、小さく思わず笑う。


「グレン?何が、おかしいんです?」


ルイスは、キョトンとする


「いや、ルイスがメンバー勧誘する時の台詞を…」


グレンは、暢気な口調で言う。


「ストップです!」


ルイスは、ボフンッと顔を赤面させて止める。


「えー、気になるなぁ〜♪」


「そうだね、あたしも興味がある。」


ロゼとビシャラは、にこにこである。


「俺も、気になるっす!」


目を輝かせるルーカス。


「お決まりの、台詞があるんですね。」


頷いて、ルイスを見るザイン。グレンは、ニヤリ。


「えっとだな、『僕のホームを、帰る場所にしませんか?僕達は、貴方を歓迎しますよ。』って言うんだぜ。しかも、手を差し伸べ素晴らしい笑顔で。」


グレンは、そう言う。止めようと、立ち上がったルイスはそのまま崩れる様に机に突っ伏す。


「ちょっ!?うわぁーん!酷い…、恥ずかしくて顔を上げられません。ぐふぅー…。」


そんな事を、していると数人の足音がする。ルイスは、直ぐに座り直し深呼吸をしてメンバーを待つ。


「レンです、よろしく。」

(性別不明)


「サニーちゃん、登場!よろしくね☆」

(魔法少女衣装の少年)


「うふっ♡よろしくねぇーん!」

(許せるタイプのオカマ)


「アリア…、よ…よろしく。」

(気弱そうな少女)


どうやら、今回も色濃いメンバーになりそうです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る