第105話 クリスマスイベント
無事に、限定ポーションも売れクリスマスイベントが始まりました。今回は、珍しく1人でイベントですね。クリスマスイベント、クリスマスツリーを作ろう!ですが、推奨人数が最大3人なのですよ。
トキヤさんは、残業で来れずマッキーさんも、リアルで予定が有るらしく不参加。グレンは、クラスメイトに誘われて別行動なのですよね。
そして、NPC参加不可なので1人に。
いつぶりでしょうか?まあ、急ぐ理由もないです。24日は、眠りの森プーア。ここには、魔物以外に巡回者と呼ばれる古代兵器が出ます。奥に、行けば巡回者、監視者、追跡者、破壊者、守護者が増えて行きます。ちなみに、簡単に説明しますね。
巡回者
一定の範囲を、巡回しプレイヤーを見つけると攻撃してくる。攻撃力は、低いがHPが多く1ターンの攻撃回数が3連撃なので、油断するとやられる。
監視者
巡回者や追跡者に、プレイヤーの位置を教えるだけでなく、監視対象にデバフをつける厄介者。勿論だが、攻撃もするしHPが多いので嫌な古代兵器。
追跡者
目視したプレイヤーを、攻撃しながら追いかける。攻撃力とスピード特化で、HPと防御力が少ない。ロックオンされると、逃げ切るのはとても難しい。
破壊者
攻撃力とHPが多い。貫通攻撃や即死無効を持っており、ブレイクやスタンを入れられれば、攻撃の回避は不可能で致命傷になってしまう。
守護者
防御力とHPが多く、特殊防壁を作り出す。また、上の破壊者を呼び出す音を出す。攻撃力は、低いがダメージを入れるのはまずかなり難しい。
この5体、基本は戦闘を回避する事を前提とした、イベントで稀に出てくる珍しい敵です。
つまり、逃げて・隠れて・まいてのチェイスイベントでも有ります。その間に、クエストをクリアしたりしなければなりません。かなり、難易度が高いです。それに、一部のスキルやアイテムの使用が、禁止されているので僕的にも辛いです。
【地形把握】・【索敵】・【直感】・【看破】・【危機感知】・【暗視】を、良く使うのですが。
地形把握、看破、直感の使用禁止です。敵策と危機感知、それをどう使うかが鍵ですね。
それとです、聖夜の願いと言う首飾りが配布されました。効果は、ロックオン解除を3回出来る。確率で、古代兵器が見失う。これは、プレイヤーのラック値で変動する。ちなみに、生産職である僕のラック値はかなり高いので、見失う確率が高いです。ですが、使い過ぎるとラックが消費されるので…イベント後半が地獄となります。なので、聖夜の願いは温存をお奨めします。では、クリスマスツリー用の樹を貰うためのクエストに行きましょうか。
オルダさんに、樹が欲しければ鉱石を取ってこいと言われました。そして、採掘ハンマーを渡されクエストスタートです。さて、プレイヤー達がいっぱいですね。取り敢えず、巡回者が来たので木の後ろに隠れてやり過ごします。敵策をすると、古代兵器には分かるので極力は目視で判断する必要が有りますね。さて、採掘ポイントまで頑張りますか。
ちなみに、今回は環境ダメージがあります。カイロや防寒具、ランタンを持っていなければ確実に詰みますね。白い息を吐きながら、周りを確認する。
どうやら、古代兵器と戦闘になってますね。
古代兵器は、回避するのが普通ですが…討伐報酬が美味しいので、回避せず痛い目を見るプレイヤーが多いのですよね。まあ、先に進みますか。
進んでると、破壊者3体がスリープ状態。守護者が2体が、警戒状態になって固まってます。
近くには、プレイヤードロップが。集団で、襲いかかって負けたのですね。そもそも、集団行動はお奨めしないと書いてあるのに……。
数が多ければ、多い程ヘイトを貰いやすいのですよね。取り敢えず、警戒範囲から外れて……右の低木地帯を駆け抜けましょうかね。たいぶ、大回りになりますがリスクと報酬を天秤にかけるなら、これも仕方ありませんね。まったく、迷惑な…。
低木地帯を抜けると、少年が泣きながら座り込んでいます。なるほど、理解しました。
「あのね、魔物に鍵を取られちゃったの!」
本当に、嫌らしい…強制クエストの罠ですか。
確かに、さっきの古代兵器の近くにスノーウルフが居ましたね。つまり、彼らもこれに引っかかって、応援を呼び全滅したと…。さて、どうしますか。
「お願い、鍵を取り返して。」
不安そうに、見上げる少年にため息を吐き出す。経験的に、ここで敬語で話すのは良く有りません。
ルイスは、しゃがみ少年の目線に合わせる。
「分かった。でも、お兄さんの言う事はしっかり聞いてね?分かった人は、手をあげてみよう。」
すると、驚いてから嬉しそうにはーい!と手をあげる。一瞬だけ、こいつが本当の敵なのでは?と思うがルイスは、一応警戒を表に出さない様に微笑む。そして、有り得るので思考の隅に置いておく。
「さて、じゃあここで待っててね。」
動画が起動してる、つまりLIVE状態でリアルタイムで全プレイヤーがみれる訳ですか。
ルイスは、カイロとマフラーを少年に渡す。
まずは、防御力の高い守護者のシールド破壊。そして、破壊者の行動阻害ですね。
しかし、爆弾は二次被害が怖いので使えません。
となると、高所から落下させるか水ポチャさせるしかありません。水ポチャは、難しそうですね。何せ冬ですし、水面は凍ってます。かといって、高所から落とすのも難しいです。このフィールドが、山であればワンチャンあったのですが…森ですからね。
マップを開き、湖が複数あるのを確認する。
はっきりいって、状況は最悪です。
けれど、逃げられませんし。やるしか無いと、自分に言い聞かせつつ魔物に最速の攻撃。鍵を奪うと、守護者が突っ込んで来る。ルイスは、受け止めれば死ぬと判断。素早く後方ににげる。シールドアタックは、ルイスのスレスレを空振り止まる。
ルイスは、攻撃をしないで近くの樹を拳で殴る。すると、守護者はルイスを捕まえようとする。ルイスは、素早く逃げて近くの林に隠れてやり過ごす。
古代兵器、本体に攻撃するとロックオンされるからである。ロックオンされると、隠れてやり過ごす事はほぼ不可能。相手が追跡者なら、その場で即詰んでしまう。監視者を呼び出し、サーチに引っかかったプレイヤーに周囲の古代兵器が襲いかかるシステムだからだ。そうなれば、地獄絵図の出来上がり。
まあ、相手は守護者です。即詰みには、ならないでしょう。しかしながら、時間をかけ過ぎるとこちらが不利になります。さて、破壊者が立ち上がりました。え?ちょっ、少年!何で、ここに!
「聖結界!」
「ごめんなさい、お兄さん。心配で…」
ルイスは、聖なる願いを少年にかける。そして、鍵を渡してから真剣な表情で声をかける。
「良いかい、君は全力で森を抜けて街へ行って。」
「お兄さんは?」
少年は、ルイスを心配そうに見る。
「僕は、少しこいつらと隠れんぼしてくるよ。」
破壊者の視線は、少年に固定されている。少年も、それが分かるのか泣きそうである。ルイスは、深いため息を吐き出すと指輪を外す。
「だから、GOと言ったら真っ直ぐ走って…」
「うん、ごめんなさい!ごめんなさい!」
ルイスは、ジョブを薬師に変更する。
「3・2・1…GO!」
少年は、全力で走り出しルイスは破壊者に攻撃。ルイスは、ロックオンされてしまう。少年から、ルイスにタゲが移り破壊者が襲って来る。ルイスは、全力で密林を駆け抜ける。破壊者が、木々を薙ぎ倒しながら追いかけて来る。魔砲撃を、岩に隠れてやり過ごし、湖に着くがやはり凍っている。上から、落下攻撃してくる破壊者。ルイスは、少し滑りながらも回避する。とても、湖の上は動きにくい。
ルイスは、場所を変える選択をする。もっと奥に、氷竜の水飲み場がある。この時期は、氷竜は居ないので大丈夫だろう。ここで、守護者も合流する。
ルイスは、思わず顔を顰める。
森に入るまで、背中は見せられない。見せれば、距離を詰められる。この世界の、兵器系あるあるだ。
それに、魔物も警戒しなければ。祈祷師にジョブを変更。そして、短刀を片手に考える。
ルイスは、深呼吸してから賭けに出る。守護者に、向かい走り出す。守護者は、特殊防壁を発動。氷の盾である。ルイスは、氷の盾に飛び乗り、踏み台にして空中に飛ぶ。空歩は、使えない。一瞬で判断すると、身体を捻り破壊者の魔法砲撃を回避。
守護者のシールドアタックを、聖なる障壁で受け止める。勿論だが、吹き飛ばされる。しかし、シールドアタックは完全に無効されたので、ダメージは少ない。ルイスは、立ち上がるとそのまま全力で、森を駆け抜ける。それを、追う守護者と破壊者。ルイスは、敵索をわざと使い位置を教える。これは、タゲが変わらないようにする為だ。
そして、魔物を倒しつつ走る。湖は、凍ってない。
ルイスは、躊躇う事なく湖に飛び込むのだった。後ろから、追いかけていた破壊者が慌てて止まるが、勢いよく落ちる。後ろの守護者が、ぶつかったせいもあり全員が水ポチャしたのであった。
「おやおや、こんな真冬に湖に飛び込む者が居るだなんて。賢いのやら、お馬鹿さんなのやら…。」
深くフードを被った青年が、湖からずぶ濡れで出てきたルイスに言う。環境ダメージに、呻くルイス。
「まったく、困った子だね。」
青年は、困った雰囲気で笑った気がした。そして、ランタンを近くに置いてタオルを渡す。
「あなたは?」
名前が、???になっている。
「僕かい?僕は、ただの錬金術師さ。」
「え?カリオストロ以外にも、錬金術師NPCが居るだなんて……。βでも、居なかったはず。」
ルイスは、考えるように言えば、青年は驚く。
「君、カリオストロを知ってるのかい?彼は、元気にしてる?あ、死んだのは知ってるよ。ドールになってるのもね。彼は、不器用だからね。」
まるで、我が子を可愛がる様な雰囲気。
「もしかして、カリオストロの師匠様?」
「うーん、そういう事になるのかな?まあ、僕にとっては我が子の様に育てたつもりだけど。」
青年は、明るい口調で言う。
「それで、君はカリオストロの友達?」
「……一応、一番弟子です。」
すると、青年は嬉しそうである。
「なら、僕にとっては孫みたいなものかな。さて、そろそろ身体を暖めた方が良い。凍結ダメージで、死んでしまうよ。もう、大丈夫そうだね。僕も、忙しいから行かなきゃ。じゃあ、また会おうね。」
そう言うと、素早く去って行った。結局、最後まで顔は見れなかった。ルイスは、装備変更して立ち上がる。そして、ため息を吐き出して街を目指した。
カリオストロの師匠、種族は絶対に人じゃない。
灰色がかった、白銀の髪に色白な肌。ローブで、隠れていたけど、かなりの細身であった。
居るだけで、ルイスが無意識に緊張する程の実力者だ。ルイスは、指輪をつけて街に入る。
少年が、泣きながら抱きついて来た。
ルイスは、採掘の為に再び森に入るのだった。
作者から読者さんへ
Merry Xmas!
お久しぶりでございます。(*´ω`*)♪
くそぉ…、書ききれませんでした。(泣)
クリスマスが、過ぎますが後2話くらいクリスマスイベを書かせてくださいな。イベント内容は、考えてあるのでそこまで待たせない……はずてす。
いえいえ、頑張って書きますけど。
今回は、戦闘と採取メインでお送りしますw
それにしても、ルイス君はクリスマスはボッチか…作者と仲間だな!今年も残りわずかですが、いろいろと頑張っていきましょう!取り敢えず、私はクリスマスイベント書き終える事からですねw
これからも、フリー・ライフ・リベレイションをよろしくお願いします。ではでは、また。
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