第104話 話し合い

ルイスは、手紙を読み直しログインする。すると、レインが現れる。そして、真剣な表情で言う。


「待ってました。手紙にあった、パスワードを打ってください。一応、特殊フィールドになります。出入りは、このパスワードしか使えません。なので、今の時点でメモをおすすめします。ウィンド右上、鳩のマークがパスワード入力のマークです。」


ルイスは、ウィンドを開きメモ。そして、鳩マークを押し、パスワードログイン。すると、扉が現れガコンッと音がすると扉が開き、視界が真っ白に。


目を開くと、トキヤ達が手を振る。


7王に、breezeメンバー。それと、ランカークランのリーダー上位7名そして運営陣が待ってる。


ルイスは、ウィンドで時間を確認する。


遅刻では、無さそうなので案内に従い座る。まだ、公開謝罪と話し合いの時間より早い。


「おはようございます。」


「おはよう、緊張するな。」



グレンも、苦笑しながら言う。


「では、少し早いですが始めたいと思います。」


村瀬さんが、真剣な表情で言う。


「この度は、皆様に誤情報を発信しお騒がせしました事、誠に申し訳ございませんでした。」


運営陣全員が、頭を下げて謝罪する。


「それで、どーすんの?」


羅華は、素っ気なく言う。


「まず、今回の誤情報を発信した者を企画部門から外し、確認担当者を降格させました。そして、お詫びにガチャチケットやゴールドそして素材の配布を全プレイヤーにします。」


すると、視聴者のコメントが流れる。


「今回、七王の皆様に特に迷惑かけました。」


「1番の被害者は、ルイスちゃんよね。」


「まあ、お店を持ってるのはルイスだけだし。」


マリーヌ♡が言えば、羅華が頷きながら言う。


「商品壊され、身内は強引勧誘され店内で暴れられって。並べるだけで、酷すぎると思わないか?」


不機嫌そうに、グレンは怒る。


「それについて、商品は店の外でしか壊れない設定に。買ってない商品は、外に出た時点で元の位置に戻る設定にしました。強引勧誘は、勿論遠慮なくGMコールを。NPCにも、GMコール出来る機能を追加しました。店内は、店員以外は戦闘禁止フィールドに変更しました。他の変更点は、公式サイトかゲーム設定から閲覧できますので、後程ご確認ください。他に、質問は有りますでしょうか?」


「七王決闘機能、1日3人まで7王に決闘出来る機能だ。あれ、王側が受けれる回数を3回にしてくれるかな?攻略したいのに、決闘したい奴らに囲まれて邪魔なんだが…。ただでさえ、忙しいのに。」


盾王は、不機嫌そうに言う。運営陣は、星さんと村瀬さんが聞き数人がメモを取り、数人が何やら小声で話している。ルイスは、無言で頷く。


「うちは、王が2人居るからな。」


トキヤも、苦々しく言う。


「お店から、追い出すのも大変だったぜ。」


グレンは、不機嫌を隠す事なく言う。


「そうだ!それ、お店はいつ再開するんだ?」


羅華は、思い出した様に言い。全員の視線が、ルイスに向かう。コメントも、聞きたかったという声が書かれる。ルイスは、口を開こうとして閉じた。


決闘申請が届きました。


「………。」


決闘申請が届きました。

決闘申請が届きました。

決闘申請が届きました。


「……はぁ。」


変わりに、小さなため息。


決闘申請が……承諾されました。


「いらっしゃいませ、公式公開謝罪会場へ。」


害悪プレイヤーは、ログアウトしようとして失敗。


「だぁ〜れかしらん?私の可愛いお友達に熱烈ならぁぶレター(決闘申請)を送ったの!張っ倒すわよ?表に出なさい!拳で語り合おうじゃないのぉ!」


マリーヌ♡だけでなく、ルイス以外の七王が椅子から立ち上がる。ルイスは、そんな害悪プレイヤー達と七王を無視して、運営に話をかける。


「申請が来たので、面白半分で承諾したのですが。外のプレイヤーも、入れるんですねバグですか?」


すると、村瀬さんが簡単に説明する。


「あれです、外からアクセスするには特別な鍵が必要ですが、内からアクセスしてますからね。簡単に言えば、家の家主が外から人を呼ぶ様なものです。家の中の人が、呼んでいるので鍵は必要ないでしょう?そして、家から出るには鍵を開けなければいけません。ですが、ここは家とは違い特殊フィールドです。パスワードが、なければ出れません。」


ルイスは、少しだけ頷きながら言う。


「ふむふむ、なるほど。つまり、彼等のパスワードは僕と同じになるのですか?うるさ…コホンッ、騒がしいので、追出し…帰してあげたいのですが。」


「ルイス、本音が出てるぞぉw」


トキヤは、笑いながら言う。


「ソラミミです☆」


ルイスは、素晴らしい笑顔で言う。


「なら、こちらで追い出しときますね。ついでに、嫌がらせ行為で1週間の凍結もしておきます。」


星さんが、サムズアップしながら言う。


「よろしくー!さて、話は戻りましてルイスさん、お店の再開はいつくらいになりますかね?」


村瀬さんは、星さんに頷いてからルイスに聞く。


「再開は4月予定です。」


「それは、困る!超絶困る!」


ランカーや攻略組から、困るとか絶叫が聞こえる。


「クリスマス、お正月、新春、春イベがぁー!」


「いやまて、初心者歓迎イベもある!」


運営陣も、流石に困った表情である。


「錬金NPCが、少ないのでは?」


とっ、攻略組が言う。


「錬金NPCは、高度なAIですから多くは作れないのですよ。錬金術師プレイヤーが、少ないのも理由なのですが。ルイスさん、どうにか出来ませんか?」


「うーん……、そう言われましてもね。」


ルイスは、少し真剣に考える。


「運営さん、ポーションを作れるだろ?それを、NPCに売らせるだけでも良いんだ。ポーション不足なんだよ!あと、毒とか解毒とかな特殊ポーションも欲しい!ルイスさん、ポーションとマナポーションしか売ってないから、大打撃が攻略組にくる。」


運営陣も、話し合い考え込んでいる。


「あの、少しだけbreezeメンバーと話し合いしても良いですか?いろいろ、考えてみたので。」


ルイスが、挙手して言えば「どうぞ、どうぞ!」と全員が言う。ルイスは、立ち上がるとbreezeメンバーを見る。そして、暢気にいつもの笑顔でいう。


「さてさて、どーしましょ。僕としては、まだ再開したくないのですが。困る人も、多くいる様です。そこで、メンバーの意見を聞きたいと思います。」


「まあ、攻略組やランカーは特に困るよな。ルイスは、倉庫管理してるよな。ストックは、あるのか?リストとか、作ってるよな。見せてくれないか?」


ルイスは、リストとストック表を渡す。かなりの、ストックが貯まっている様だ。


「僕から、提案があるんだけど。」


ガリレフは、考える様に言う。


「僕は、基本は暇だし個人でポーションを売っても良いかな?勿論、breezeからは抜けないし、再開したら個人販売はやめるよ。カリオストロさんも、暇な時だけポーション売れば?どう?」


カリオストロは、少しだけ考えてルイスを見る。


「お前は、どう思う?」


「ご自由にどうぞ。breezeは、素材集めと能力向上期間です。腕を伸ばす、チャンスにもなるので応援しますよ。寧ろ、推奨します。ふむ、そう言えば素材の買い取り状況はどうなってますかね?」


ルイスは、ランコルとキリアを見る。


「こちらが、買い取りリストとストック表です。」


「おや、かなり貯まってますね。ふむ…」


ルイスは、考える仕草をする。


「カリオストロとガリレフさん、個人販売はもう少し後にしてくれませんか?やる事があります。」


すると、ガリレフは微笑みカリオストロも静かに笑う。全員が、ルイスの次の言葉を待っている。


「breeze倉庫、総入れ替えを行います。倉庫のポーション、全て売ります。そして、買い取ったすべての素材を消費しましょう。倉庫で眠っていたポーションは、全てNPCを雇って売り出せば何とかなりますかね。ホームとアトリエ、全てですから。」


「じゃあ、集まった素材で僕達は作ればいいの?」


ガリレフは、暢気に言う。


「はい、新年に向けて新しいもの作りです。」


「分かった。」


カリオストロは、頷く。


「トキヤさん達には、素材採取と買い取りを優先して貰います。勿論、イベントは楽しむ方針です。」


後半を、ふざけた口調で言えば笑うメンバー。


「これで、ポーション問題は大丈夫ですかね。」


ルイスは、振り向き運営陣を見ればカメラを構えてたり、凄いスピードでメモしていたり…


「えっと?」


「これが、breezeの会議……。」


攻略組の皆さん?ポーション問題は解決ですよ?


「おっと、すみません見惚れてました。ありがとうございます。さて、とりあえず七王決闘は暫く出来なくなります。ポーション問題は、解決しそうですね。最後に、事度は誤情報を発信しました事、誠に申し訳ございませんでした。」


運営全員が、頭を下げて謝罪する。


「もし良ければ、クリスマスイベントについて話させて貰ってもよろしいでしょうか。」


星さんが、言えばプレイヤー達からOKが出る。そして、1時間くらいクリスマスイベントについて話すのであった。こうして、謝罪会見とイベント紹介が終わるのであった。そして、全員がログアウト。


「さて、明日から忙しくなりますね。」


ルイスは、楽し気に微笑むのだった。

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