第102話 夏の終わりにしたい事
さてと、今回のイベントは特に鬱になる程の事は、起きてないですね。害悪プレイヤーも、弱かったですし。少しだけ、不愉快な事も有りましたが、それも日常化してるので問題は有りません。
さーて、現在朝の8時半です。
夏と言えば、海やスイカなどの季節食です。しかしながら、僕にはしたい事が有るのですよ!今日は、自由時間との事なので、安心して生産倉に籠もれますね。後は、いろいろと許可を取らなければです。
実は、先程ログインボーナスで浴衣がランダム配布されました。そして、イベントで花火のレシピもゲットしてます。打ち上げから線香花火まで、何でも花火は作れちゃうのですよ!となれば、やる事は1つですよね!花火大会、やりたいですよね!
取り敢えず、誰かに相談すべきですかね?
うーむ、取り敢えずメウロ君を探しましょう!ではでは、let's goなのです!何処でしょうかね。
さてと、発見です。
「ルイスさん?」
「メウロ君、少しだけ相談が有るのですが。」
メウロに、花火大会について話すと、パァーッと目を輝かせると頷く。そして、少し待って欲しいと言われた。ルイスは、生産倉に居ると言って別れる。
材料は、意外と大量にあるのですよ!
しかし、大きな問題が有ります。どの素材で、どんな色が出るのか。また、どれくらいの割合で錬成や調合をすべきか、全く分からないのです。
「これ、花火の色と素材表。基本割合も、書いてあるやつを城の爺がくれたの!できる?」
「わーい、ありがとうございます。」
ルイスは、上機嫌で紙束を机に置き、ページを捲りながらも道具を出している。時折、ページを見つめふむふむと頷き、うーんと考えながらも。
勿論、生産倉には鍵が閉まっている。
同時刻に、引き篭もったルイスに動揺する、プレイヤー達。トキヤやマッキーが、チャットをするが錬金術と薬術に集中し、なおかつ時間がなくて焦るルイスが見る訳もなく。更に、パニックに……。
「花火は、打ち上げても大丈夫…です。けど、後片付…お願いします。後、メンバーさんに声かけも!お外、大変ですよ?チャット、確認!」
「え?」
ルイスは、ハッとして慌ててチャットを返す。そして、トキヤ達はルイスが引き篭もった理由に、納得するのであった。しかし、説教は回避できず。
「取り敢えず、説教はお終いだよね。これ、見てて面白いね。これは、ルイス君が作ったやつ?」
ガリレフは、興味深々に言う。カリオストロも、少しだけ何か言いたげだが、レシピを見て一言。
「効率が悪い。」
「ですね。なので、術式を現代風にアレンジして、オリジナルレシピを作ってみたのですよ。」
ルイスが、楽しそうに笑えば苦笑する大人達。
ここの世界の、呪文は英文なのですよ。なので、日本語を翻訳機能を使い、英語にする事でオリジナルの魔法を作れます。え?何故、使われないか。
厨二心の問題とか。
「お前な、俺達がどんだけ心配したと…まあ、本人が楽しいなら良いか。ルイス、単独行動は禁止だ!俺達の、メンタルがもたねぇー。」
マッキーは、やれやれと言う。
「それなら、ガリレフさんとカリオストロに手伝って欲しいのです。そして、夜は花火大会です。最終日ですし、やっぱり思い出は作りたいじゃないですか。まあ、やらかしてる自信は有りますがね。」
ルイスが、謝った事でデザイン係と素材集め係、錬成組と担当を決めて行く。ルイスは、上機嫌で錬金術を使っている。足もとには、リルとソルが。
何だかんだで、いつものルイスに戻っているのだった。ルイスは、少しだけ考えて呟く。
「そうだ、夜ご飯はどうしましょうか?」
「うーん、バーベキューはどうだ?海鮮もありで、花火見ながらお酒飲みたい!」
デザインを考えつつ、マッキーが暢気に笑う。
「いいな、それ。素材班に、晩御飯の素材も探させるか。デザインも、たまったし俺達も一狩り行こうかな。野菜も、有れば良いんだが。」
トキヤも、ノリノリで考える。
「ちなみに、それは俺達だけでやんの?」
「うーん、どうしましょうか?」
ルイスは、悩む様にトキヤを見る。
「取り敢えず、ルイスは何に悩む?」
「警戒してるのは、害悪プレイヤーですね。それとです、花火が転売されそうです。技術は、秘匿したいので使って欲しいのですよ。まだ、改良の余地が有りそうなので。万が一の事故防止の為にです。」
ルイスは、考える様に言う。
「害悪プレイヤーは、運営が圧かけたから大丈夫だろう。問題は、転売だろうな。どうしようかな?」
「こういう時は、運営さんに聞けば良い!」
取り敢えず、運営さんを呼ぶ。
「今回イベ、運営全体の責任者の村瀬と言います。なるほど、転売対策ですか。ええっとですね、シール機能に、商品登録シールが有りました。消費期限を、設定出来ます。その期限が、過ぎれば使用不可能になります。全てのアイテムが、対象なので生産職の強い味方となるでしょう。それと、ルイスさんはレインを呼び出せます。貢献度MAXですね。我々に相談しにくければ、我々の代理AIレインに、相談してください。24時間、受け付けているので。」
との事、便利ですね。やはり、今回の件で信頼を失った運営さん。全力で、プレイヤーをサポートする為に頑張っているようです。
しかしながら、少し迷走もしてますね。
まあ、のちのち修正されるでしょう。
「なあ、花火って誰が打ち上げるの?」
グレンは、暢気に聞く。
「ゴーレムさんに、お願いします。」
「なるほど、なら大丈夫?なのか?」
ルイスは、頷いてから言う。
「例え失敗しても、ゴーレムの耐久値なら安心なので。まあ、この時期は不安定な時期で、迷惑をかけました。けれど、もう少しで終わりますから。」
「あ、そっか…。」
グレンは、納得する。
「ん?どういう事だ?」
トキヤは、グレンに聞く。
「星秀冠高校は、受験日の1回目が推薦組と、同じ日にあるんだ。それだけ、第一希望にする人が多いって事だな。ルイスは、第一回目に入れたんだ。なら、結果は早い段階で分かるな。1回目は、10月後半にある。少しは、荷が降りる訳だ。」
グレンは、暢気に説明する。
「なるほど、受験とゲームトラブルが重なり、ルイスもつかれてたんだな。そりゃ、ストレス感じるよな。塾とか、やっぱり行ってるみたいだし。」
「うーん、それと。ルイスが、人を頼らないという話。違うと思う、人の使い方を知らないだけ。俺達は、学生だぜ?アルバイトも、勿論した事ない訳だ。いきなり、人を頼れと言われてもな。」
ルイスは、同意する様に頷く。
「こう、いまいち分からないのですよ。まあ、受験さえ終われば、いつも通りに戻るのです。」
トキヤ達は、確かにと納得してから謝る。
「ちなみに、ハロウィンはイベント内容がもう出てたな。ルイスと俺は、参加が出来ないけど。」
「3日間のイベントですね。残念ですが、試験日が2日目なので不参加です。すみませんが、イベント期間中は僕とグレンはログインできません。無理しない程度に、楽しんでくださいね。」
ルイスは、錬金術を使いながら笑う。
「おう、お前らも頑張れ。」
トキヤは、暢気に笑う。マッキーは、ずっと気になっていた事をルイスに言う。
「ちなみに、まだ先だけどクリスマスは?」
ルイスは、うーんと考える雰囲気だ。
「何気に、オリジナルボトルのポーションは、プレイヤーにも人気だしな。そして、クリスマスだけは蘇生薬が買えるチャンスでもある。それが、買えないとなると、攻略組もつらいと思う。」
マッキーは、苦笑しながら言う。実は、トキヤにも再開希望のメール等が送られていた。
「そうですね、掲示板を見ましたが……。攻略組のペースは、明らかに落ちている様です。お店は、せめて試験結果が分かって、不安のない状況で再開したいのですよ。となると、やはり4月かなと思っていたのですが…。ちょっと、迷ってますね。」
ルイスは、手を止めて考える様に呟く。
「自由な人生の解放、このゲームを日本語にするとこうなる。別に、何かしないといけない、義務なんて無いし自由で良いと思う。」
「うーん…、そうなのですが。」
トキヤの言葉に、ルイスは悩む様に座る。
「なら、委託販売にしてはどうでしょう?蘇生薬については、抽選方式でやれば文句も出ないはず。」
キリアは、悩めるルイスを見て言う。
「そう…ですね。うーん、うん。ギルドに、委託販売を頼みましょうか。情報は、今から開示しても良いです。せっかくなので、生産板に書きましょう。花火も、完成しましたし、楽しみですね。」
そう言うと、ルイスは生産板に書き込む。
錬金兼カフェbreezeルイス
皆さんに、お知らせです。クリスマスの生産イベ、僕達breezeは不参加になります。しかし、メンバーからオリジナルボトルポーションを、楽しみになさっている方が多数居られるとの事。ですので、ポーションは委託販売する事になりました。また、目玉商品である劣化蘇生薬についてですが。これは、抽選という形を取らせていただきます。本数などは、まだ決めて居ませんが、そういう事で報告です。
☆うぉおおお!やったー!
☆やっぱり、再開は無理だったか。
☆抽選かぁ…。当たりますように!
☆良いと思う、ありがとう!
☆ルイスさん、無理しないでな?
取り敢えず、大丈夫そうですね。さて、夜まで時間が有るのでお茶でもしますか。
ルイスは、道具を片付けるとお茶をいれる。
「さあ、少しずつ本調子に戻りますか。」
その夜、バーベキューと花火大会で、盛り上がるのだった。浴衣を着て、バーベキューの後に花火を配る。期限が今日までとも伝えてある。
こうして、イベントは終了したのだった。
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