第100話 釣りイベント!海底ダンジョン(5日目・6日目)

さてと、今回は釣りイベントです。取り敢えず、釣りは個人戦なので釣りスポットに向かう事に。


さて、今日の釣りのノルマは…

赤:6 青:3 黄:4 緑 :8 紫:5


ふむ、釣竿は自由に選べて餌は7種類。これは、おかしいですね。魚の種類、5種類に対して餌のバリエーションが多いのです。最低でも、後2種類は確実に出てくるのだと予想。これは、大変そうです。


さてと、釣りは前イベでもやったので、楽しみましょう!リルとソルは、浜辺で遊んでいます。


さてさて、なかなか難しいですね。


リルとソルが、近くに座り応援してくれています。


可愛い応援団の為にも、先ずは1匹釣りたい所ですね。そして、3匹目を釣った頃にリルがバケツをひっくり返し、魚が逃げてしまうハプニング。


涙目で、謝罪するリル。


「大丈夫ですよ。リルとソルは、少しだけ離れた場所で遊んでいてください。分かりましたか?」


2匹は、頷くと釣りスポットから離れた。すると、なんと釣れてくる。ルイスは、少しだけ驚く。


あ、あれれ?結構、釣れるのですが…。さっきの、苦労は何だったのやら。もしかして、リルやソルに怯えて釣れなかったのでは?有り得る…。


さて、気持ちを切り替えて。


ノルマ分は、おやっさんなる人に渡します。残りの魚には鮭とか魚名がついてます。いいですね。


報酬に、釣竿と餌とバッチが貰えました。


その後、水着に装備変更。海で泳いだり、砂浜でボール遊びや砂遊びをする。


「ルイス、そろそろ昼の準備するか?」


「はい、そうですね。」


昼ご飯を食べて、砂浜に隠れた宝探しをする。


夜は、海辺でキャンプファイヤー。そして、近くの小屋で寝る事となる。流石に、砂浜では魔物が居る世界ですので寝れません。強制移動されます。




次の日、図鑑を埋めるために散策する。新レシピや素材は、詳細を確認しながら集めている。


そして、ルイスは岩場に文字が彫られているのに気づく。ルイスは、それに触れると押すと表示。


試しに押すと、足場が無くなり落ちるルイス達。


「わぁー!」


「嘘だろ!?」


「ひゃああっ!」


ドボーン!と水飛沫が跳ねる。トキヤ達は、驚き振り向くと慌てて海に飛び込んだ。


「くぅー…、痛たた…。」


ルイスは、落下ダメージに呻く。


「ここは、特殊フィールドか?」


グレンも、呻きつつふらふら立ち上がる。


「えっ!?僕、rank足りてないフィールド!」


アレンは、あたふたしている。すると、トキヤ達達も来て受身を取って転がる。不意打ちだった為、ルイス達には出来なかったのだ。


「こういう、面倒なギミックもあるんだな。」


トキヤは、苦笑しながら駆け寄る。


「ごめんなさい…。」


ルイスは、ショボーンとするが笑い飛ばす仲間達。


「いや、大丈夫!大丈夫!」


マッキーは、笑いながらマップを開く。


「海底神殿ダンジョン:アトランティス…。なるほどです。最初の敵は、弱そうなので初心者メンバーに、戦って貰いましょうか。危なくなったら、僕達でフォローして敵が強くなったら代わりましょう。良い、戦闘練習になりそうですね。」


ルイスが、マップや詳細を見ながら言えば、ベテランプレイヤー達は頷く。そして、マッキーが編成しだす。ルイスは、何も見落としがない事を確認すると装備変更。水着で参加すると、防御力・攻撃力アップする。夏イベ衣装でも、良い事とする。と、書いてあったが敵のレベルは低めだ。


おそらく、初心者をフォローしながら進む前提なのだろう。ベテランが、やればクリアは早いが交流は勿論だが初心者の為にならない。


ルイスを始め、殆どのプレイヤーが運営の意図を読み取り、どう動くべきか考えて動いていた。


見守り、危ない時はフォローして、時に細やかなアドバイスを送る。初心者達には、動かないベテランに不満や怒りを持っている子も居る。その時は、冷静にこのダンジョンの意図を教える。同時に、励ましの言葉を送り、万が一は自分達が助けるとしっかり伝えるのだった。この為、進行はとても遅い。


ルイスは、何度か分からない回復をかける。グレンは、押されている子にスキルアドバイス。マッキーやトキヤは、応援しながら鼓舞したり、アドバイスを送る。こうして、だんだんと敵が強くなり…。


「さて、ここからは僕達の出番ですね。」


ルイスは、神託の御旗を取り出し鼓舞する。


「おうよ、やっと暴れられるぜ。」


グレンも、武器を構えてニヤリと笑う。


「さて、怒涛の快進撃と行こうか!」


マッキーも、ノリノリで武器を抜いて笑う。トキヤは、やれやれと笑いつつ武器を手に取る。そして、ボスの海神と神殿で戦う事に…。


移動阻害と火力低下、そして聖魔法・聖魔術封印のデバフ。これは、聖職者殺しのスキル構成。


また、5つあるうちHPバー3本目まで削ると。


沈黙と言う、詠唱殺しや無敵を180秒使う。ルイスにとっては、まさに天敵な存在である。初心者達も、心配そうにルイスを見ている。しかしながら、ルイスは薬師になると少しだけ楽しそうに言う。


「皆さん、僕の本職をお忘れですか?」


そう、ルイスは聖王としての知名度が今では高い。しかし、忘れてはいけない。ルイスは、もともとは錬金王であり聖王は後から神様に貰った称号だ。


「さあ、此処からは錬金王ルイス参ります。」


ルイスは、ホルスターから薬品を取り出す。


「せっかくだし、錬金王の強さを見てると良い。」


グレンは、暢気に剣を構えて言う。


「こりゃ、初心者は観戦だな。ルイスが、錬金王として動くなら初心者では着いていけない。」


トキヤは、真剣に呟く。マッキーは、頷き言う。


「だな。勿論、作戦は任せたぜ?鬼才の名匠。」


すると、初心者以外のテンションが爆上がりする。


「鬼才の名匠?」


アレンは、キョトンとしてルイスを見る。


「昔のあだ名です。なので、忘れてください。」


ルイスは、マッキーを少しだけ威圧して微笑む。マッキーは、慌ててトキヤの後ろに隠れる。


「それは、まっちゃんが悪い。」


「ごめんて!」


ルイスは、深いため息を吐き出して考える。


取り敢えず、移動阻害は異常無効のポーションで対応するとして。火力低下は、常にバフを掛けるしかないですよね。神様相手に、聖属性が効果なしなのは当たり前です。なので、闇魔法を中心に攻撃する必要があります。聖属性以外なら、多少のダメージを与えられますし。コンボ要員にも、なりますね。


さてさて、沈黙は出来ればレジストして欲しいですよね。まあ、無理なら異常無効のポーションに頼るしか有りません。うーん、飲む事を前提とすれば、後半に響きそうですね。呼び潮をつかい、割るだけのスタイルで行く方が負担は低めでしょう。ただ、この場合は戦闘が長引けば、僕のMPが枯渇してしまうリスクもあります。ポーションを、使うのにMPは必要有りません。呼び潮には、膨大な量のMPを消費します。それから、味方のサポートをするならば枯渇しますね。まあ、他のプレイヤーも居ますし、上手く連携が取れてれば問題ありません。


となると、司令塔が必要ですね。今回は、身内からは選びません。breezeメンバーは、今回のイベントを仕切っていました。マッキーさんの所もです。


なので、作戦は僕が立てますが実行は、司令塔さんに頑張って貰います。ちなみに、フォローもしません。フォローも、他のプレイヤー達にお願いしています。僕達、上位プレイヤーだけが動けば良い。それに従えば、難なく勝てるし楽で良いという、甘い考えを捨てて貰います。僕も、疲れましたし。


それに、良い薬になると思いますよ。特に、害悪プレイヤーの皆様には。薬師だけに、処方箋です。


ルイスは、冷静に考えて伝える。勿論、他に案は無いか。本当に、この作戦で良いのか聞く。他に、作戦があるなら司令塔さんに任せるとも。


「でも、ルイスさんがやった方が良いのでは?」


「ですが、今回のイベント…僕達ばかりが指示だししてますよね。害悪プレイヤー達なら、きっとこう言うでしょうね。『breezeばかり、指揮って他のプレイヤーの活躍の場を奪った。今回のイベは、名も無き同盟しか活躍してない。』ってね?僕達、頑張りましたよね。だから、後は皆さんにお任せしますね。勿論、指示にはちゃんと従いますよ。出来ればです、明日は最終日なので名も無き同盟以外の皆さんが指揮ってくれたら嬉しいです。それでは、よろしくお願いします。司令塔さん、指示ください。」


ルイスは、暢気に笑いながらもピシャリと言う。そして、8回くらい全滅しかけながらもギリギリクリアする。勿論、怒りの矛先は司令塔とルイスに向かう。しかし、ルイスは無表情で言葉を退ける。


「あんたが、指揮してれば直ぐに勝てた!」


「僕1人に、責任とか押し付けるつもりですか?」


すると、ルイスは感情の無い視線で言う。


「まあ、指示に従ってるだけというのは、楽で良いですよね。失敗しても、誰かのせいに出来て、尚且つ自分は被害者にもなれるのだから。」


「そんな言い方、無いだろうが!」


ルイスは、鼻で笑うと微笑みを浮かべて言う。


「事実、君は僕の作戦が悪いから、かなり手こずった。と言って来ているではありませんか。」


すると、男は黙ってしまう。それは、周りもだ。


「僕は、僕なりの最適解を出しました。文句があるなら、貴方が他の作戦を考えれば良いのでは?僕は、提案として出しました。けれど、それを強制させた覚えは有りません。他に、作戦が思い付いたなら、それを実行すべきだと思うのですが。」


トキヤは、ルイスの大人びた雰囲気にゾッとする。ついに、触れてはいけない領域に、彼らは触れてしまったのだ。ルイスは、明るく優しい紳士な表を持っている。が、裏はとても無感情で、悪魔的だ。


しかも、太刀の悪い事に、このルイスになれば口では勝てない。勝てた人を、見たことがない。


長く1人で居た、障害なのかもと爆裂は言ってた。


流石に、グレンも初めて見たのか、本能的に震えている。マッキーも、少しだけ顔色が悪い。


「それに、聞きましたよね?本当に、この作戦で良いのか。他に、案はないか。それを踏まえて、僕は君に問いたいと思います。ねぇ、全部を他人のせいにしてさ、その人だけを責めて楽しいですか?」


「……!?」


すると、運営が入ってくる。


「今回は、結果的にクリアしたので、ここまでにしませんか?ルイスさんの、気持ちも分かりますが、私には彼の気持ちも分かります。どうか、ご理解ください。もう、これは終わった話なんですから。」


運営は、宥める様に言うがルイスは笑う。


「それは、僕が言いたい台詞なのですが。戦闘が終わったのに、失敗した訳じゃないのに、文句を言われては僕だって怒りますよ。失敗したならば、しっかりと謝りますけどね。結果論、勝ったのに文句言われるなんて、やってらんないのですよ。」


ルイスは、静かな声音で冷たく言う。


「そうですね、誰が悪いとかではなく、一緒に戦闘してる以上はです。皆さん、全員の責任です。」


運営は、頷きながら諭す。


「俺達は、指示に従ってただけだろ!」


まあ、害悪プレイヤーが引き下がる訳ないが。此処で、害悪プレイヤーをBanすれば、運営がルイスのご機嫌とりをしたと言い出すだろう。


「指示通り、動けてれば早く勝てましたよ?無理だったから、時間がかかったと思うのですが。結論、勝ったのだから、素直に喜ぼうぜ!と言うのが良いと思うのですが。そんな、歪に捻くれた思考なんてものは、ゴミ箱にでも捨ててしまえばいいのです。勝てた、やったー!で、終わりでしょう?」


すると、殆どの人達が同意する。追い込まれる、害悪プレイヤー達。運営は、さりげなくルイスに助けられた事に気が付いた。


「ゲーム内いじめは、凍結やBan対象ですよ?」


「そうですね、これ以上食い下がるなら、我々もしたくは有りませんが……対応致します。」


すると、ルイスは強い口調で言う。


「そこは、速やかに対応してください!」


これで、その日は終了するのだった。












作者から、読者さんへ!

祝100話目!


これからも、よろしくお願いします!

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