第83話 馬鹿騒ぎ学園B組年末イベント 5
あれから、俺達はサクサクと進んだ。何とか、2属性だけの階層クリア!これが中々に、苦戦してしまう。継続ダメージを、受けながらの戦闘だからだ。火と水は、蒸発ダメージ。土と木は、相性が良いのでバフ付き物理攻撃。雷と光は、目潰しと雷撃。
あー、大変だったなぁ。
ちなみに、何度も罠には引っかかってる。ごめーん、ルイス達。あれ、ルイスさん?
「うっ…、久しぶりにダウンしました。もう、もう無理っ!一旦休憩しないと、クールタイム回復と満腹度ギリギリ。それに、ポーションの飲み過ぎで目が回ります。ごめんなさい、ばたんきゅ〜う…。」
「ルイス!?うわぁああ、しっかり!」
「ルイスを、ここまで消耗させるだなんて。ある意味、凄いな。レイド周回を、連続で30回しても普段はピンピンしてるのに。ルイスは、大丈夫か?」
ふらふらと、その場にぐったり座り込むルイス。ユウユウが、慌てて駆け寄る。確かに、皆んなもつかれてる。グレンは、苦笑して呟くと紅茶をいれる。
此処で休憩して進もう。
そう言えば、10階層で神殿にある像を見つけた。けど前の段に小さめの像があったんだ。ルイスは、女性の方に勿忘草のペンダントを男性にもう一つのペンダントをかけていたな。知らん神様だし。
そしたら、宝箱と手紙が現れた。手紙を読んで、ルイスは複雑そうな表情をしていたのを思い出す。
「なあ、ペンダントのもう一つの花は何だったんだよ?ルイス、知ってるよな?俺に、教えてくれ。」
「リューカデンドロンですよ。えっと、有名なのは和名の銀葉樹と言えば分かりますかね。」
ルイスは、紅茶を飲みながら暢気に言う。
「ふーん、あんな花をしているんだな?」
「そうですよ。」
あっさり、教えてくれた。ならば…
「なあ、銀葉樹の花言葉って?」
ルイスは、一瞬だけ固まるが言う。
「銀葉樹の花言葉は、『物言わぬ恋』『閉じた心を開く』です。それで、僕に聞きたい事でも?」
ルイスは、暢気に笑うと紅茶を飲む。
「あの神様、神様だよな?うん、何の神だ?」
すると、ルイスは考えるような表情。俺は、少しだけ不安になりルイスを見る。ルイスは、ため息を吐き出す。周りのメンバーも、耳を傾けている。
「これは、あくまでも僕の予想です。おそらく、女神は無属性で世界の均衡と秩序を司る女神だった。そして男神は、邪属性で破壊と消滅を司っていたと思われます。壁画写真を、スライドさせると分かりますが……女神はこの世界の民に殺されてます。そしてです、邪属性の男神は邪神なのでわと……。」
全員が驚く。すると、ワールドアナウンス。
世界の謎が解かれました。これにより、無属性のスキルに強化が入ります。報酬を受け取りください。
これは、もう正解って事だよな。
「ルイスさん、どうやら正解だとよ。」
「うわぁ…、これは運営ぃー!何で、報酬に…。くっ、やられました!酷い!酷すぎる!」
ルイスは、リルを読んでモフモフしながら呟く。うーん、うん。えっと、何があったんだよ?
「トモ、今話しても聞こえないから放置で。」
グレンが、苦笑しながら言う。
「おっ、おう……」
「すみません、報酬にクエストがありまして。それが、ワールドクエストっぽいです。うぅー、やられました。報酬は、美味しいですがクエストぉー!」
うわぁあ〜ん、といった雰囲気のルイス。まあ、何だ?何かあれば、力を貸すから泣くなやルイス。
「2人の神像は、何で一緒に置かれてたんだ?」
「花言葉から、察するに2人は恋人だったのでは。無属性の女神は、心から邪神を愛していた…真実の愛。そして、民に殺された…私を、忘れないで。一方、邪神は女神のお陰で…閉じた心を開く。そしてです、いつしかそれが恋心に変わっていった。しかし、彼は普段は無口で素直に言えなかった…物言わぬ恋。という、悲恋物語を僕は考察してます。」
すると、周りは驚き納得した表情だ。
「じゃあ、邪神が世界崩壊を企らむのは……」
「民達への、復讐か?」
言葉にならない、俺の言葉をユウユウが受け継ぐ。
「……どうでしょうね。そもそも、邪神はゲレティー様の子供ですからね。そして、無属性の女神は邪神の従姉妹になります。神話では、兄妹で結婚したりするのでありですが。それに、ゲレティー様も2人の結婚は後押ししてたみたいですし。謎です。」
ルイスは、考えるように呟き紅茶を飲み干す。い、いやいや!待って、ゲレティー様の子供!?いっ、今…さらっと爆弾発言しやがった!!
「お…、お前なぁ……」
「さて、クールタイム回復。満腹度MAXで、MPも回復完了。装備に、不具合なし。消費アイテム、残り確認よし。よーし、僕はもう行けますよー!」
ルイスは、さっきの考える様な表情を消す。そしてから、ステータスや装備そして手持ちアイテムを確認する。そして、手を挙げて準備完了アピール。
「ルイスさんや、後でお話ししようか!?」
「ん?ワールドクエストに、ついてですか?大丈夫です、ちゃんと巻き添えにしますから。」
ルイスは、明るい雰囲気でわかってるよと頷く。
「いや、巻き添えって…怖っ!?てか、違っ…」
「もれなく、皆さんもですよ。てへっ☆」
俺が、思わず青ざめて言えばルイスはテヘペロッとばかりに笑う。いや、うん…破壊力が凄いな。女子から、黄色い声がする。男子は、やれやれ仕方ないって雰囲気で頷いている。実は、俺も思ってたりするんだけどな。ここまで、聞いたらそしてルイスに頼まれたら断れる人は少ないんだろうなぁ。
取り敢えず残り2階、頑張って攻略だぁ!!
俺達は、暢気に話しながら歩き出す。ルイスは、龍人になり呪い紐で髪を結ぶ。どうやら、特定のアイテムなら髪型を変えられるらしい。
「さてさて、敵がお出ましですよ。」
「よっしゃ、駆け抜けるぞ!」
『おーう!』
全員が、走り出し持ち場につくのだった。
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