第60話 航海3日目星空の下で
さてさて、暇ですね。ごろーん…。
おや、釣りしてたマッキーさん達が来ましたね。ちなみに、リルとソルの装備予定の一覧です。
1日目 海パンと浮き輪⦅海中ゴーグルも追加⦆
2日目 水兵服と帽子⦅ネクタイピンは星柄⦆
3日目 海賊服と玩具の剣⦅剣はレイピア⦆
4日目 くじらの着ぐるみ⦅暑そうでも可愛い⦆
5日目 アロハシャツとサングラス⦅グラサン黒⦆
6日目 甚平服とうちわ⦅トンボ模様と金魚柄⦆
7日目 サマースーツ⦅ピシッと着こなし⦆
ちなみに、どれもシャルムさんの力作です。あの、ソルさん?海賊服は、どんな感じですかね?ん?なるほど、動きやすくて海賊帽が気に入ったと。
あら、海賊帽が外れてガーンとなるソル。ごめんなさい、落ち込むソルも可愛いです。
勿論、少しだけモフモフしてから、きちんと赤い海賊帽を着けてあげましたよ。そしたら、上機嫌で寝ているリルに突撃して行きました。あらま…
犬パンチならぬ、狼パンチからのジャレあい。
可愛い!というより、癒されますね。
さて、リルさん?海賊服は、どんな感じですかね?ふむふむ、寝るのに邪魔じゃなく玩具の剣が気に入ったと。使えなくても、みんなと一緒!って雰囲気で甘えてきます。あら?ジャレあいは終了ですか?
「ルイス、暇そうだな。」
「うーん、流石に平和ですね。」
マッキーの言葉に、少しだけ暇そうに答える。
「てな訳で、第7回 魚釣りバトル!」
ドンドン!パフパフ!イェーイ!
って雰囲気で、グレンがはしゃいで言う。うーん、実は僕…リアルでもゲームでも釣りは初めて。
とにかく、勝負するには不利なのですよ。
でもまあ、あくまで娯楽。言ってみれば、楽しんでなんぼです。なので、頑張ってみましょう。
「あの、釣のスキルは持ってないんですけど。」
「なら、スキル習得まで俺と釣るか?」
トキヤさんが、優しく笑って言います。
「はい、お願いします。」
さて、トキヤさんに教えられながらトライ!まあ、初心者ですから。やっぱり、逃げられたり糸を切られたり餌だけ奪われたりと……
ぜんぜん釣れません!何ででしょう?
あ、釣りスキルを持ってないからですね。よし、頑張りましょう。目指せ、釣りスキル習得!
それから、1時間後……釣りスキル習得!成功!
夜になり、ゆっくりな自由時間に。今夜も、星が綺麗ですね。都会では、お目にかからない美しさってヤツですかね。ルイスは、壁に背中を預けて夜空を見上げる。少しだけ、ボーッと眺めてから座る。
そして、良い機会だとこれまでの事を振り返ってみる。お店を、何とか開店してから今日までの事を。
「なんだかんだで、イベント参加率が多いですよねー。昔の僕なら、有り得ないくらいの参加率です。まあ、それもまた……楽しいから良いのですが。」
暫くして、これからの事を考える仕草をする。
「そろそろ、バロンさんのキャラクエが始まりますね。正直な話し、心底……嫌だなぁ……。」
ルイスは、静かに目を閉じてため息を吐き出す。
「俺が、何だって?ルイス様?」
バロンさん……。確か、イベント系の会話は彼らNPCには聞こえない設定でしたっけ。
「いえ、何でもありません。さて、夜ご飯です。」
さて、そろそろ夜ご飯を作らなければ。すると、バロンの後ろに居たキリアがおずおずと言う。
「あの、ルイス様。俺も、手伝って良いですか?」
「あら?えっと、キリアさんは料理スキルは?」
すると、少しだけ照れたように言う。
「レベルは、まだ低いですが……」
おおっ!それは、良いですね。
「そうですか、ならスキルアップさせましょう♪」
ルイスは、上機嫌で準備に取り掛かる。
「今日は、大人数なのでスキル上げ放題ですよ。なので、基本であるサラダとドレッシング作りからチャレンジしましょう。まず、お手本を見せます。」
と言っても、野菜の下処理をしたり、食べやすい大きさに切って置いたりですね。そして、ドレッシングは後かけスタイル。小さな、ドレッシング容器に入れて保存庫へ。頑張ってください、キリアさん!
さて、サラダは任せて僕は、あっさりメニューを考えますか。ちなみに、さわやかポン酢の豚しゃぶサラダ予定なので豚肉をしゃぶしゃぶします。うー、暑いです。火の前は、辛いくらい暑いのです。
さてと、盛り付けますか。
ミニトマトで、見た目も鮮やかに。よし、完成!
「あっ、レベルが……」
キリアさんは、嬉しそうに呟いて笑う。そして、キョトンとして、少しだけ困ったように僕に言う。
「あの、ルイス様。【焼く】のスキルが、出てきました。ですが、料理をした事がなく。その、火を使った事がなくってですね……。その、あの……。」
ルイスは、クスクスッと優しく笑って頷く。
「イベント中は、無理ですが暇が出来たら、一緒にやりましょう。【焼く】の次は【煮る】ですよ。」
「はい、お手数をおかけしてすみません。」
猫耳をペタンとさせ、申し訳なさそうなキリア。
「イベント後の、楽しみがまた増えましたね。」
ルイスが、嬉しそうに言えばキリアは驚く。
そしてから、心底から嬉しそうな笑顔をルイスに向ける。遠目に、こちらを見ていたバロンさんが、笑った気がしました。バロンさんは、軽薄な性格ですが誰よりもキリアさんを大切にしています。
それこそ、キリアさんが僕にその牙を向けるなら。
おそらく、喜んで力を貸すくらいには過保護ですからね。今は、キリアさんが僕に忠誠を誓っているので、大人しくしているみたいです。
まあ、兄弟みたいなものだって言ってましたし。
ルイスは、そんなバロンを見て考える仕草をする。バロンは、何気に細工師のスキルを持っているからだ。素材なら、たくさんある。この際、暇を持て余しているならスキルアップさせるのも良いかも?
「バロンさん、暇ですか?」
「まあ、暇だけど。どうしたんだ、ルイス様。」
すると、素早く拳骨を落とすキリアさん。
「お前な!少しは、敬え!」
「痛ー!いーじゃん、別に。」
ルイスは、言外にこう聞こえた。
『別に、俺はこの人に忠誠を誓っている訳じゃ無いんだし!ただの、店員と店長の関わりだろ!』
ルイスは、このバロンとの壁をどうするか悩んでいた。別に、忠誠とかを望んでいる訳ではない。だがしかし、あっちは頑なに近づくルイスに距離を置いてしまう。ルイスは、複雑な気持ちで海を見る。
「ルイス様?」
心配そうな、キリアの声音にルイスは笑顔を貼り付ける。そして、何でもない雰囲気で細工スキルの話をする。キリアも、作り出すバロンに興味津々。
ルイスは、小さくため息を吐き出す。そして、邪魔しないように姿を隠した。すると、カリオストロが頭を撫でる。そして、小さく苦笑してから言う。
「良いのか?いつか、バロンは裏切るぞ。」
「……それも、良いかもしれません。」
ルイスは、無表情にぼんやり低い声で呟く。その瞬間、背筋に寒気を感じる3人。そして、ドラコフは驚く。ランコルも、静かにルイスを見る。
「その時は、僕も覚悟を決めて……おや、マッキーさんとトキヤさん。ご飯は、終わりました?」
マッキーとトキヤ、2人が向かって来る気配に言葉を中断させる。そして、いつもの明るい表情。
「ルイス、どうかしたのか?」
マッキーは、鋭く3人の様子を見て言う。勿論、真剣であるが故に。ルイスは、苦笑して答える。
「もう少しで、バロンさんのキャラクエストが始まります。とは言え、バロンさんのキャラクエストは秋です。条件は、全て揃ったので季節を待つだけですね。はあ……、とても嫌です。戦いたくない。」
そう、実はバロンのキャラクエは、焚火に例えるなら着火剤に過ぎない。火が着けば、燃え上がりキリアさんのキャラクエに燃え広がる。
ルイスは、俯いて疲れたように呟く。
「夏イベで、余裕が出来たからか?少しだけ、周りを見れるようになって苦しんでいるって所か。」
トキヤは、困ったように笑う。
「まだ、先の事とはいえ……僕も、覚悟しなければなりません。季節なんて、あっという間に過ぎ去ってしまうんですから。よし、頑張りますよ!」
ルイスは、頑張って笑顔を貼り付けて言う。
それを、保護者組は心配そうに見るのだった。
※※※作者から読者様へ※※※※※※
(※ネタバレあり!)
ネタバレ嫌いは、ブラウザーバックよろしくお願いします!ちゃんと、言いましたからね?
バロンのキャラクエは、ハロウィンイベントと同時進行予定。なので、秋の季節設定です。
流れで、キリアさんのラストキャラクエまで続ける予定です。シリアス多めですが、作者は何気にルイス君のいじめるのが好きなので、皆さんも気にしないでください。ちなみに、運営さんも何気にストーリー関連では意地悪です。まあ、ネタを挟めば見れる内容になるはず?うん、きっとなります!
っと、希望論なので期待はしないでください。
取り敢えず、夏イベントを終わらせなきゃ……。ネタも、ギュウギュウに詰めて頑張ります。
これからも、フリー・ライフ・リベレイションをよろしくお願いします。(*´ω`*)!
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