第59話 航海2日目救援バトル!
さて、会議は終わり自由時間です。うー、眠い。さてと、キリアさんとバロンさんは釣りをしていますね。トキヤさんは、椅子に座って掲示板を見て情報収集。グレンも、教わりながら釣りの練習です。せっかくの、新鮮なお魚ですし料理しますか。
すると、後ろから赤い信号煙が。意味は、SOS!
「ルイス、救援信号だけど……」
マッキーさんは、真剣に僕を見ています。
助けたいが、陽動作戦だったら痛手をくらいますからね。相手は、高い知能と指示能力を持ちますし。
ピコン!
【空歩】【水歩】そして【神薙ぎ】を取得。
あらま、でも……タイミングが良いですね。
「仕方ない、僕が行きます。少しだけ、様子見して対応が出来そうなら、青い信号煙を放ちます。陽動なら、暫く同盟を任せますね。では、行きます!」
「え、どうやって行くつもりだ?ふぁっ!?」
ルイスは、答えを聞かずに助走をつけてジャンプ。そして、指輪を外し龍人の姿に。勢いよく手摺りに飛び乗り、前のめりの状態で足を踏み出しスキル発動。空気を踏みしめ、ヒラリと走り出す。
イメージとしては、ゴムプールの上を歩くような不安定感。しかし、そこにしっかりと道がある。
まるで、学校の長い廊下を走る気分である。
階段を、上がるイメージで足を踏みしめれば高度が増していく。そして、船の上空に着くとイメージをやめる。すると、垂直に落下する。船に叩き付けられないよう、ギリギリの高度で空歩を発動させ、ふわりと少しだけ浮かびスタッと綺麗に着地する。
「こんにちは、手助けは必要ですか?」
プレイヤー達は、驚いたものの冷静に頷く。
「取り敢えず、回復します。」
「ありがたい、天は俺達を見捨てなかった。」
ルイスは、短刀を抜き払うと水兵ゴブリンを倒す。そして、素早く別のターゲットを探し出す。ある程度、船の雑魚敵を倒すと、水面射撃で牽制して龍の威圧を発動させる。すると、逃げて行った。
「怪我人は、治療しましたし敵は撤退しました。見た所、船の損傷も少ないようですし、取り敢えずは大丈夫でしょう。さて、戻りますかね。」
「待ってくれ!助けたなら、最後まで責任持て!島に着くまで、俺達を護衛しやがれ!化け物!」
……こいつら、見捨てましょう。
良いです、海の藻屑となりなさい。もう、助ける義理は無いですし。僕を、化け物と言いました。
すると、海が大きく動く。
『あらあら、同族の存在を感じると思えば。』
「海龍、リヴァイアサンですか?」
ルイスは、氷龍の言葉を思い出し問いかける。すると、嬉しそうに頷くリヴァイアサン。
『移動するの?貴方なら、連れて行ってあげる♪』
「では、あの船の近くまでお願いしても?」
ルイスは、自分の護衛中の船を指差して言う。
すると、リヴァイアサンは頷く。ルイスは、水樹を植える際に切った無駄枝の1つを取り出し、お礼とリヴァイアサンに渡す。リヴァイアサンは、凄く驚きそしてから上機嫌になる。また、力を貸してくれると言って海へ潜りました。空歩で、船に戻る。
「皆さん、只今戻りました。」
ルイスは、手摺りに飛び乗り軽やかに床に着地。そして、指輪を装備して深呼吸する。ドレイク達は、驚いた表情で固まってしまっている。
やはり、化け物扱いですね。
まあ、良いです。それより、お腹が空きました。
「ランコルさん、お茶が飲みたいです。」
「では、アイスティーでもいれますね。」
ランコルさんは、いつもの雰囲気で笑う。breezeメンバーは、便乗する様にお茶と茶菓子を要求する。
「ルイス、お疲れさん。取り敢えず、俺にもお菓子と茶をくれ。でっ、こっちは平和だったが。」
リヴァイアサンを、近くで見ているので聞く。
「聞いた所、斥候の攻撃を防げずに格下と思われたのでしょう。結果、奇襲され船も少し損傷。僕が、救援に行って立て直しをしなければ沈んでました。まあ、次は絶対に助けませんが……。」
「あー…、何かあったのか?」
不機嫌な、ルイスを見てグレンは聞く。
「助けたなら、最後まで責任持て。島に着くまで、護衛しやがれだそうです。まったく、図々しい。」
怒ったように、パクリとクッキーを食べるルイス。
「よしよし、今度はちゃんと見捨てような。」
マッキーは、後ろの船に冷たい視線を向けて言う。同盟のメンバーも、力強く頷いているのが見える。
「しかも、僕の事を化け物って呼びましたし…。」
すると、ドレイク達に視線を向けるルイス。ドレイクは、ハッとして自分の失態に青ざめる。
「あんたは、その……龍人様なのかい?」
「一応、そうですね。」
ティーカップを、ソーサーに戻して頷くルイス。
「じゃあ、さっきのは海の守護者であるリヴァイアサンかい?その、随分と懐かれていただろう?」
空の守護者グリフォン
海の守護者リヴァイアサン
陸の守護者ベヒーモス
あれ、グリフォンとリヴァイアサンに懐かれてる?
「あれは、御礼の品のレアリティが良くって、上機嫌なだけです。その、水樹は無駄枝だとしても希少ですからね。売れば、やばい大金になりますし。」
すると、ドレイクは唖然としてルイスを見る。
「あたし、何か凄いのを招き入れちまった気が。」
「気のせいです。」
ルイスは、聖人様スマイルで否定する。
思わず、メンバー達は笑う。
最近、ルイスが聖人様スマイルを習得。リアルスキルである、スルースキルとマナースキルを併用し、雰囲気は完璧な聖人様である。※同盟メンバー談。
「ルイス…様?」
ドレイクの、いきなりの様付けに固まるルイス。
「ドレイクさん、流石に僕でも泣きますよ?」
すると、ドレイクは少しだけ考える。そして、ため息を吐き出すと、どうにでもなれと言葉を放つ。
「あー、もう!面倒だね!ルイス、かなり頼りにしているから、あとの5日間もよろしく頼むよ!」
「はい、ご期待に応えられるよう頑張ります!」
ルイスは、明るく嬉しそうに笑う。その笑顔に、ドレイクは思わず赤面したのだが……。
それに、気付いたのは船員だけだった。
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