第58話 航海1日目スタートバトル!

さーて、始まりましたね。船に乗った時点で、加速時間に突入します。体感時間は、違いますけどね。


「さてさて、彼方では歓迎パーティーの用意が出来ているようですよ。皆さん、準備は大丈夫です?」


『おう!』


ルイスは、待ち受けるマーマンを見ながら冗談っぽく声をかける。それに、雄叫びで答えるメンバー。


「では、騎獣隊は先行して牽制を。勿論、数を減らしてくれても大丈夫ですよ。出来るだけ、敵を怯ませてください。魔法職、支援職は遠距離攻撃または射撃を用意して待機。攻撃範囲に入り次第、全力で狙い撃ってください。水中に、潜り込まれ無いように水面射撃も忘れずに!慎重に、やりますよ!」


『了解!』


さて、僕は回復要員で待機ですね。すると、ドレイクさんが驚いた表情で僕達を見ています。


まあ、グリフォンに乗り周囲を警戒しつつ、船上でも立ち位置を決めて遠距離攻撃の準備完了。さーてさて、歓迎パーティーに突撃です!


「では、射撃号令は船長にお任せしましょうか。」


「ふっ、良いのかい?良いとこ取りして?」


ドレイクは、愉快そうに笑って言う。船員も、武装してプレイヤーに混じってます。回復優先順位は、NPCと騎獣隊そして遠距離攻撃隊ですね。


「良いですとも、歓迎してくれるならお返しは必要ですよね。ここは、我らが雇い主の船長!挨拶がわりに、思いっきり殴り込みに行きましょう!」


「そうだね、じゃあお前達行くよ!撃てー!」


一斉射撃からの、遠距離戦滅です。


うん、全滅完了。マップにも、魔物の姿は確認されませんでした。では、1度集合しますか。素早く手を上げて、トキヤさんに合図を送れば信号銃を撃つトキヤさん。ゆっくり、警戒しながら騎獣隊が戻って来ました。まず、スタートバトルはクリアです。


「ルイス、あんたって面白い奴だね。」


「ふむ、そうですか?でも、楽しかったなら良かったです。さて、夜の見張りのルーティンの話し合いをして来ますね。では、また後で話しましょう。」


ルイスは、見張りの話し合いを同盟のリーダーと副リーダーだけでする。そして、解散する。


今日は、初日なのでbreezeメンバーが見張り番。


他は、釣りをしたり船の旅をゆっくり楽しむ。ちなみにです、リルとソルは水兵服と水兵帽を装備して警戒中です。はい、可愛い!うちの子、可愛い!


いけません、ちゃんと警戒しなければ。


さて、夜になり2人ずつ抜けて夜ご飯を食べたら、戻って別の2人が夜ご飯を食べに行く感じです。そして、全員が夜ご飯を食べ終わったら、配置を決めて互いカバーし合います。何せ、breezeは他の同盟クランと比べるまでも無く少人数。


なので、使えるスキルは全て使います。


「おや、夜空がとても綺麗ですね。」


リルとソルは、寝てしまいました。暗視、地形把握を使えば近づく水兵ゴブリンに気がつく。


「トキヤさん、そっちに水兵ゴブリン8です。キリアさん、急いでカバーを頼みます。」


『『了解!』』


「僕は、引き続き警戒しますね。レンジさん、マーメイド(人魚)が2近づいて来てます。恐らく、斥候だと思われます。船下に潜られたら、厄介なので水面射撃で追い払ってください。ランコルさんも、出来れば援護射撃をお願いします。確殺しなくても、追い払うだけで良いです。無理は禁止!」


『ほいさー!』


『かしこまりました。』


「グレン、すみませんが全力敵索するので露払いをよろしくお願いします。敵に、僕の存在を気付かれました…。まだ、動きは無いですが要警戒です。」


「おう、任せろ。」


グレンは、希望の剣を構えて獰猛に笑う。


少しの戦闘が、あったものの何とか朝を迎えられましたね。ふぇーん、疲れました。寝ます!


「おはよう、敵に動きは?」


「腕試し、そして戦力調査って所でしょうか。」


マッキーの言葉に、ルイスは嫌そうに呟く。


「ありゃ、つまり敵は知能をそれなりに持ってる事になるんだが?しかも、斥候を送って来たんだろ?つまり、軍隊系で来るかもって事だよな。」


「そうです。しかも、敵索能力持ちです。」


その言葉に、同盟のリーダー達は苦笑する。


「取り敢えず、ルイス達breezeメンバーは休んでくれ。何かあれば、ルイスは起こしに来るかもしれないが。何せ、同盟のリーダーだからな。」


「了解です。では、お休みなさい。」


ルイスは、頷くと眠そうに呟き部屋に向かう。武装を解除し、部屋着装備にしてベッドイン。


数時間後……


「おーい、ルイス。お昼だぞ、起きろ!トキヤ、起きたか。グレーン、こらっ!起きやがれ!」


マッキーの声に、ノロノロと起き出すbreezeメンバー達。ルイスは、伸びをして髪を結び直す。


「ルイス、会議するけど大丈夫か?」


「はい、少し眠たいですが大丈夫です。」


ルイスは、戦闘装備に装備変更して頷く。まだ、眠そうだが起きようとしているルイス。マッキーは、そんなルイスを微笑ましく見ながら言う。


「じゃあ、リーダーは昼食しながら会議だから待ってるな。全員、ご飯がお預け状態だから早めに来いよ?トキヤ、グレン達は任せるからな。」


「おう、分かった。さて、起こすかな。」


トキヤは、頷くと戦闘装備に変更してグレンを起こしにかかる。ルイスは、立ち上がると慌てたように足早に部屋から出る。リーダー達を、これ以上は待たせる訳には行かないと思ったからだ。


「すみません、お待たせしました!」


あわあわと、席に着いて謝まるルイス。


「いや、可愛い寝顔……ご馳走様でした。」


「あの、マッキーさんっ!?」


マッキーが、ふざけた雰囲気で言う。ルイスは、思わず赤面して抗議する。周りは、微笑ましくその会話を見ている。気を取り直し、食事スタートからの会議開始。取り敢えず、今の所は異常は見られず敵の影も奇襲も無し。結論、至って平和である。


「ふむ、やはり厄介ですね。」


ルイスは、真剣な表情で呟く。頷く、リーダー達。マッキーも、同意する様に頷いて考えを呟く。


「そうだな。夜は、夜目や暗視の使えるメンバーに敵索させるか。ルイス、ポーション出しててくれ。もしかしたら、昨晩みたく戦闘になるかも。」


ルイスは、確かにと頷いて考えるように言う。


「フリューゲルは、今晩は何人体制ですか?」


「確か、25人体制で2日間の担当だな。」


こうして、1日目が終わり2日目の昼が過ぎた。

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