第35話 2つ目の、素材を探して

さて、古い遺跡の探索は終わり蒼石をゲット。さてさて、次はカートス門の罠。カートス門の罠は、時間制限のある大人数でクリアする前提の殲滅戦。


ここは、同盟メンバー全員を呼びました。


総力戦ですね。動画にも、取るらしくマッキーさんが準備してました。ではでは、頑張りましょう!


僕は、いつもの通り祈祷師でナイフ片手に頑張ります。さてさて、マッキーさんはまだですかね?


マッキーさんは、苦笑してから言う。


「ルイス、同盟のリーダーはお前だぞ?」


「へ?僕のクランは、生産クランですよ!?普通、そういうのは戦闘クランがやるのでは?」


すると、同盟のリーダー達がため息を吐き出す。


「俺達は、お前の元に集まった同盟だぞ?」


でも、それって……敵対したくないからで……


「あ、敵対したくないのもある。でもさ、お前の腕前は知っているし性格も良く知ってる。だから、俺達は同盟に入ってこうして一緒に遊ぶんだぜ♪」


マッキーは、楽しそうに笑う。トキヤも、笑う。


「ルイス、お前は邪龍討伐戦でその才能を周りに見せつけた。今やプレイヤー達にとって、お前も有名な参謀として認知されているんだが知らんの?」


「いえ、初知りですね。」


ルイスは、戸惑う仕草をする。


「取り敢えず、進めてくれリーダー。」


「わっ、分かりましたよ!もう、知りません!」


ルイスは、深呼吸をしてから堂々と言う。


「今回は、殲滅戦です。敵のレベルは、30~70と予想されます。万が一、それ以上の敵が現れたらレベル100越えのプレイヤーに場所を開けてくださいね。ちなみに、確定で100越えなプレイヤーは手を上げてたすきを貰いに来てください。」


ルイスは、赤いたすきを着けて言う。すると、同盟のリーダー・副リーダーとbreezeのメンバー以外が驚く。ルイスは、キョトンとしてから納得して頷く。そして、見惚れる微笑みで皆を見て言う。


「ちなみに、僕もレベル100越えなので強敵が出たら、直ぐに報告をよろしくお願いしますね。」


ちなみに、傾国は発動してない。ルイスは、たすきを配り終わると暢気な雰囲気で言う。


「黒いマークの敵は、レベル100前後の攻撃職プレイヤーが優先して倒してください。絶対です。」


『おうっ!』


「魔法職は、補助や支援する班と遠距離攻撃する班の2班に別れて、それぞれ頑張ってください。それとですが、MP管理だけは忘れないでくださいね。」


『了解!』


「盾職も、タゲ取りと引き付けの2班に別れてください。今回は、あえてこの役割を2つに分けます。そうする事で、乱戦での被害を押さえます。」


『おっす!』


「回復職は、互いに協力しあってクールタイムの隙を埋めてください。ついでに、他職業のHP管理もしてくれると僕としては凄くありがたいです。」


『はい!』


「ルールは、フィールド中心の5本の柱を破壊されない事です。制限時間は、柱に触れてから10分。敵は、先ほど言った通りフィールド規模から30~70レベルと予想。勿論、予想外も有り得ます。なので、基本は作戦通りに行きますが、臨機応変な対応をよろしくお願いしますね。」


全員が、笑って頷き武器を構えている。ルイスも、笑うとナイフを構え堂々と宣言する。


「それでは、殲滅戦………開始!」


全員が、一斉に動きだし戦闘を開始する。ちなみにですが、三時間かけてクリアしました。


勿論、柱は無傷。


暫くして、空から黄石がゆっくり輝きながら降ってくる。それを、両手を伸ばし受け止めるルイス。


5本の柱、その中心の地面のへこみに3つの石を置く。すると、転移門が現れる。


さて、では頑張りますか………。


レイドボス:狂ったユニコーン

フィールド:隠れ草原コルパ


「当ったり!ルイスの勘、凄すぎだろ。」


「僕も、ビックリです……。」


黒いユニコーンが、こっちを向いて立っています。良くみると、泣いているようです。


〔痛い、苦……しい……。助けて………。〕


「………っ!?」


「ルイス?」


えっ?あれは、あの子の声でしょうか?苦しんでいるなら、どうにか助けてあげたいですが。


ルイスは、真剣に考えに集中する。


「ルイス!」


「え、はい!えっと、何ですか?」


驚いて、マッキーを見ると苦笑してて、後ろで心配そうに僕を見るメンバー達。ハッとして、謝る。


「あー、はい。すみません、少しだけ考え事をしてました。どうやら、倒して終わりなんて簡単なものではなさそうなので。どう、終わらせるかを。」


「まぁ、泣いているみたいだしな。それで?」


トキヤは、真剣な表情でルイスを見る。ルイスは、困ったように現状を説明してみる。


「恐らく、狂ったと書いてあるのを見ると……。これは予想ですが、恐慌+興奮+混乱そして狂化情態なのでしょうね。恐らく、異常回復(キュア)では最初の3つまでしか解呪が出来ないでしょう。そうなると、浄化(ピューリファイ)しかないです。しかし、少しだけ問題が有ります。」


「狂化による、浄化魔法のレジストか?」


マッキーは、真剣にルイスを見る。ルイスは、苦笑してからゆっくり頷く。そして、苦々しく言う。


「はい、その通りです。」


「ん?えっと、ごめん知らない。」


メンバーの1部が、理解が出来ないようです。


「聖職者には、肉体的回復と精神的回復のスキルがあります。肉体的回復には、本人の意思は関係無く回復が可能なのですが………。その、精神的回復は本人がレジスト……つまり、拒否が出来るんです。」


「まぁ、相当の意思の強さがないと無理だけど。あ、勿論プレイヤーにはそんな事は出来んぞ?」


ルイスは、苦々しく困ったように説明する。マッキーは、頷いて説明を足してため息を吐き出す。


運営が、面白半分で作った設定です。僕達からしてみれば、何て事をしてくれたんだって話ですが。


「しかも、悪い方に傾いて堕ちるとレジストされやすい。邪神の味方、という認識をされるからだ。」


トキヤは、真剣な表情で周りを見る。


「有名なのは、狂化・闇堕ち化・堕天化です。他には、種族堕ちですかね。例えば、邪鬼化・邪龍化がそれです。とても、厄介なやつですね。」


ルイスは、真剣な表情で説明する。


ちなみに、龍人も邪龍化したケースがあるみたいですね。太陽龍様が、真剣な表情で説明してくれました。まぁ、誰にも教えませんけどね。


さて、そろそろ方針を決めなければ。


「取り敢えず、レジストが不可能なくらい弱らせる必要があります。取り敢えず、異常回復(キュア)で様子を見ながら弱らせましょう。隙を見て、僕が浄化(ピューリファイ)を掛けますから。では、良いですか?」


「おう、良いけど役割分担は?」


ルイスは、悩まずにマッキーに丸投げする。


「マッキーさんに、お任せします。」


「作戦は?」


トキヤは、ルイスを見ている。


「今回は、僕も余裕が無いですしフリーが望ましいのですが。なので、指揮をマッキーさんで参謀はトキヤさんに丸投げします。それに、少しだけ疲れたというのも理由はありますけどね。」


ルイスは、苦笑してから言う。


「そうだな、任せろ。」


「だな、じゃあ頑張るか。」


ルイスは、頷くと真剣に狂ったユニコーンを見る。


すぐに、助けますね。


ユニコーンは、大きく叫ぶとスタートしました。

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