第31話 ハロウィン イベント

さて、邪龍討伐戦まで残り1週間です。っと、その前にです………ハロウィンイベントが開始しました。


「ルイス、約束!」


「勿論、忘れてませんよ。」


ーーイベント内容ーー


街の中に、仮装した小さなジャック・オー・ランタンが現れた。街の外の魔物を倒して、素材を集め美味しいお菓子を街のチビジャックに渡そう。


※街のチビジャックは、仮装事に何をお返しに渡すか決まっています。ただ、レア度はランダムです。


※仮装してない、チビジャックが1体だけ居ます。


そして、チケットを集めてハロウィン限定レイドボスを倒そう。そして、ジャック・オー・ランタンにもお菓子を渡し限定装備とアイテムを貰おう。


※倒されて、30秒経過すると復活します。


ハロウィン限定レイドボス

【悪戯妖精ジャック・オー・ランタン】


貢献度ptで、アイテムを交換しよう。


ーーーーーーーーーーーーーー


なるほど、僕は作れば良いんですね。では、食材が集まるまで街を歩きましょうか。


おや、あれがノーマルチビジャックですね。プレイヤー達は、無視して仮装したチビジャックに群がっています。ちょっと、かわいそうなので手招きしてみます。チビジャックは、僕を見て首を傾げ自分を指差す。僕は、うんうんと頷けば嬉しそうに来る。


僕は、ストレージからバンダナを取り出して渡す。すると、飛び上がって嬉しそうにバンダナを着けるチビジャック。凄く、可愛い………。


ちなみに、リルが魔法使いでソルがジャック・オー・ランタンの仮装をしてます。勿論、シャルムの力作で小さい姿なのでとても可愛いです。


そうだ、シャルムにこのジャックさんの装備を作れないか聞いて見ましょう。ルイスは、写真を撮ると手を振り歩き出す。バンダナジャックは、寂しそうに俯くと頷いてトボトボ歩いて消えてしまった。


さて、シャルムに頼みに行きますか。


「ふーん、それで何の仮装が良いのかしら?」


「うーん、黒猫?確か、仮装チビジャックに、居なかったので黒猫にしてくれますか?」


シャルムは、笑顔で頷いて30分くらいで完成。ルイスは、お金を支払い外に出て周りを見渡す。


「では、バンダナジャックを探しますか。」


ふーむ、居ないですね。もう、一時間くらい探しているのに………。すると、街にはプレイヤーとボロボロのバンダナジャックが……。もう、バンダナはズタボロである。すると、プレイヤーが叫ぶ。


「誰か、チビジャックを助けてくれ!」


「お前ら、何で街の外に連れ出した!」


ベテランプレイヤーが、怒鳴ると俯くプレイヤー。


「構ったら、なついたから連れ出したんだ……。」


「知ってるか?こういう、モンスターやNPCは普通の方法では回復が出来ない。つまりだ、そのチビジャックは、もう助からない。イベントポイントも、大きく減らされる事だろうよ。最悪だ……。」


ルイスは、ため息を吐き出して薬師にジョブを変更する。そして、真剣に歩いてバンダナジャックを見る。すると、バンダナジャックはリアクションを取ろうと動こうとする。ルイスは、バンダナジャックが動く前に頭を押さえる。バンダナジャックは、驚いてから動かない。ルイスは、頭を押さえていた手をどかし。ルイスを見る、プレイヤーを見る。


「大丈夫……。これなら、僕でも治癒できます。」


すると、プレイヤー達は驚いてから嬉しそうに叫んでいる。ルイスは、【応急措置】と【医療】のスキルを使う。そして、念のため【回復】を掛けて終了である。ルイスは、バンダナジャックを見る。


バンダナジャックは、ゆっくり起き上がり感謝するように抱きつく。ルイスは、笑ってからシャルムの作った装備をバンダナジャックに渡す。


バンダナジャック改め、黒猫ジャックは嬉しそうにピョンピョン飛び跳ねて、良く分からない謎のダンスを踊っている。まぁ、可愛いので良しとします。


ピコンッ 


※隠れイベント

ハロウィン装備のないチビジャックにハロウィン装備をプレゼントしよう。


装備を作った人に、素材チケット3つ。

プレゼントした人に、アイテムと装備が貰えます。


アイテム:ハロウィンの帽子飾り。

装備:ハロウィンデザインのコック服。


【妖精医学】【妖精医療】を習得しました。


【ハロウィンの救済者】を獲得しました。


【ハロウィンを楽しむ者】を獲得しました。


おー、隠れイベントでしたか。


それと、【応急措置】と【医療】のスキルレベルが3上がりました。ちなみに、レベル上限が200まで解放された事により、スキルレベルの上限も20まで上昇しました。なので、13レベルに。


さて、マッキーさんから連絡があったので黒猫ジャックを見る。すると、黒猫ジャックは手を振り仮装ジャックの小さな集団に入って行ってしまった。


では、僕も戻りましょうか。


「ルイス、お金は貰えない!」


シャルムは、慌てたように言ってトレードを申請。


「えっと、何でですか?」


「だって、チケットと貢献ptを貰えたんだよ!?」


へぇー、それなら僕にも貢献ptが入ってるかもですね。まぁ、後で考えましょうか。うんうん………。


「ルイス、受け取るまで動かないわよ?」


「うーん、ですが・・・?」


すると、トキヤが暢気な声で言う。


「貰っとけ。そもそも、隠れイベントを見つけたのはお前だ。それに、遠回しでも参加が出来た。それだけでも、装備職人として良い評価を貰える。それなのに、報酬にチケットと貢献ptが更に貰えるとなれば、申し訳ない気持ちにもなるだろ。」


ふむ、そうなんですか?


「では、受け取ります。それと、お迎えですか?」


すると、マッキーとトキヤは頷く。


ルイスは、黒いハロウィンデザインのコック服を着て、レシピを作る為にお菓子を手作りする。作っていると、マッキーが困ったようにルイスに言う。


「ルイス、カボチャのお菓子は作れるか?」


「カボチャ……ですか?」


ルイスは、キョトンとしてから頷く。


「取り敢えず、パンプキンパイとカボチャクッキーは有りますよ。机に、置いてあるのだけですが。」


マッキーは、机を見てから言う。


「出来れば、追加を作っといてくれるか?」


「カボチャ菓子が、どうかしたんですか?」


すると、マッキーが苦笑して言う。


「カボチャを、使ったお菓子じゃないとチケットをくれないんだよ。でも、作れる人って少ないだろ?一応、ハロウィンスイーツのレシピだし。」


「なるほど……では、急いで作りますね。」


ルイスは、レシピを使って大量生産する。


そして、レイドにも参戦。ハロウィンデザインの、薬師装備を貰いました。その後、ハロウィンパーティーをして解散。僕達は、ログアウトした。


邪龍討伐戦まで、残り2日………。

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