第8話『ギルド嬢ちゃん温泉に入る①』
ここは俺のダンジョンの中である。
ギルドの受付嬢ちゃんも一緒だ。
王都からここまでくるまでに特に問題はなかった。
強いて言うなら、魔獣が襲ってきたくらいだ。
なお、道中の魔獣はロングソードでボコって倒した。
総じてトラブルなく滑り出しとしては上々だ。
《問。彼女は、マスターの新たな仲間でしょうか?》
「おう。お世話になってる王都中央ギルドの受付嬢だ」
《了解。・・・虹彩登録、声紋登録を開始します。名前を教えてください》
「私の名前はアルテミス。アルテと呼んでください」
《・・・・・アルテの登録完了。協力に感謝します、アルテ》
「いえいえ。こちらこそよろしくお願いします」
実はギルド嬢ちゃんの名前を俺は知らなかった。
めちゃめちゃお世話になっていながら、である。
まぁ、市役所の受付嬢の名前を聞いたりはしないだろう。
ギルドの受付嬢と冒険者の関係もざっくり言えばそんな感じだ。
ナンパ目的でない限り、名前を聞いたりはしないはずだ。
……まぁ、これらはぶっちゃけ言い訳なのだがな。
本音をいえば知りたいとは思ってはいた。
いつか聞こうとは思っていたのだ。
ただ、時間が経つにつれ逆に聞きにくくなったのだ。
名前を聞くタイミングを逸したというのが正直なところだ。
さり気なく名前を聞けたのはラッキーだった。
ムー、おまえなかなかやるじゃん。
サンキュー。さすチート。
「ムー。温泉の準備はできているか?」
《肯定。マスターの指定通りに調整済みです。準備は完璧に整っています》
「それじゃぁー自慢のONSENに案内するぜ」
「たのしみです! 間違いました。遊びではありませんでしたね。ギルドの職員として新たに出来たダンジョンの調査を開始しますっ」
羊皮紙に何かのメモを書いている。
真面目だ。それにしても字が綺麗だな。
筆記体みたいな文字をスラスラッと書いている。
いや、むしろスススッて感じだろうか。
……どっちでもいいよね。うん。
さすがはギルドの受付嬢といったところだな。
俺のミミズがのたくったような雑な文字とは大違いだ。
……………。
本当にどうでもいいことなのだが、一つ告白をしよう。
俺は綺麗な文字を書く女性にエロスを感じる性癖がある。
俺、大丈夫かな。
「それでは、実地調査に移ります。服脱ぎますねー」
俺の目の前で服を脱いでいる。
ギルド嬢の制服ってこんな感じなのか。
なるほど勉強になるな。
金具が多いから着るのも脱ぐのも大変そうだ。
生地の質感は。いい感じだ。
あらら……キレイな谷間がみえちゃいましたなぁ。
そういやブラジャーがないんだったな。
まぁ、針金みたいなの作るの大変そうだもんね。
いやいや、違うだろ……!
なんで俺は脱衣解説をしているんだ!
女性の着替えを見ていたらダメだろ!
しっかりしろ! 俺!
「すまん。後ろを向く。安心して着替えてくれ。俺は何も見ていない」
「……? はいっ!」
「わははっ! あたいがいちばんのりぃー」
ルナは秒で服を脱いで先に走っていった。
忍者の
ルナのあとを追うようにアルテも女湯に向かっていった。
「さてさて、次が本番だな。気合い入れていくぞ」
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