第18話 シーラちゃんとの遊戯
民族衣装の女性は話を続ける。
「ルールは簡単、相手に水を一定量当てたら勝ち!」
なるほど……だいたいは分かったが……
「もっと詳しく教えてもらえるかしら?」
「はい! では詳しく説明致します! まず、
なるほど、つまりは風魔法等を使って海に落とすか、水魔法を当てるかってことか。
水を当てるだけなら水魔法を使った方が強いと思ったが、一定量の『一定』がどのくらいかによるため、海に落とした方が早い可能性もある。
「大まかな説明はこれで以上です! あくまで遊びなので楽しんでくださいね!」
「は〜いっ!」
シーラちゃんの可愛い大きな返事とともに城の外に出て海へ向かった。
「見て見て! かいがら!」
シーラちゃんがホタテ貝の貝殻のようなものを俺の目の前に突き出してくる。
「お、おう、素敵だなぁ〜」
「リョウくん、何デレデレしてるのかしら? もしかして『ロリコン』なのかしら?」
「え!? そうなのリョウくん?」
「ち、ちがうわ!」
ただ俺はシーラちゃんのことを「シーラちゃん」と呼んだり、肩車して海まで運んだり、貝殻持ってきた時に頭を撫でて少しニヤニヤしただけなのにどうしてロリコンだと思ったのか……
「ま、まぁ、俺がロリコンかロリコンじゃないかは置いといて……早速やろうか」
「ふふふ、リョウくんがロリコンなら私はシーラちゃんのかかった呪いにでもかかりに行こうかしら」
「だからロリコンじゃないって!」
「へ、へぇー、べ、別にロリコンでもBLでも私には関係ないけどねー?」
どこからBLが来たのか……
「ねー、いつまで話してるのー? 早く遊ぼうよー」
「そ、そうだな、へへ」
おっと、シーラちゃんに話しかけられたらつい頬が緩んでしまった。
「それで……『あなた』もやるんですね」
「はい! もちろんですとも!」
『あなた』とは民族衣装の女性の事だ。
今サーフボードの上に立っている参加者は俺、シーラちゃん、シロハ、メル、民族衣装の女性だ。
「あ! 自己紹介がまだでしたね! 私の名前はアロエです! よろしくお願いします!」
「お、おう」
民族衣装の女性はアロエと言うらしい。
「では、スタート──」
アロエの掛け声と共にスタートしたのだが、シーラちゃん以外は何もしなかった。
「はぁ〜、楽しかったぁ!」
「そ、そうか、それはよかったな」
危ない危ない、またシーラちゃんの笑顔が可愛すぎてにやけてしまうところだった。
「でも、なんでいっつもあの遊びの時みんな何もしないんだろー」
魔法を使おうと『しなかった』んじゃなくて、シーラちゃんの風魔法が強すぎて瞬殺されたから魔法を使うことが『出来なかった』なんて口が裂けても言えない。
「な、なんでだろーねー?」
メルは日差しが暑いのか額に汗を浮かべていた。
確かになんでだろうか。
魔法は中位魔法までのはずなのに、シーラちゃんの使った魔法は強すぎた。仮にあの魔法が上位魔法だとしてもあの風に耐えれる者なんてそうそういるわけが無い。
「シーラちゃんはその魔法っていつ覚えたのかな?」
メルは優しくシーラちゃんに問いかけた。
「生まれた時から覚えてたよ!」
生まれた時とは、お母さんのお腹から生まれた時か、それとも産まれたばかりの赤ん坊時のことかどっちのことなのだろうか。
まあどっちでもいいか。
無事到着し俺は城に入り、入り口付近のソファにすわる。
「あの……すいません……」
俺の座った横にアロエが座る。
「良かったら私の……私たちの依頼を受けて貰えないでしょうか……」
「どんな依頼だ?」
アロエは一度大きく深呼吸して話し始める。
「リョウさんもご存知かと思いますが、シーラ様の年齢が
「呪いって言うのはどうやって解けばいいんだ?」
「呪いを解く方法は二種類、ひとつは呪いをかけた本人を殺すこと、もうひとつは『
「それで『
「そういうことです……」
「それで、聖呪の短剣はどこにあるんだ?」
「ここと西の国とヴァニラ王国の三角形の中心にある街の教会にあるのですが、そこはもう暗黒騎士に占領されています……」
「分かったその依頼受けよう」
「ありがとうございます!」
アロエは俺の隣から立ち上がりお辞儀をする。
「
俺はソファから立ち上がり、シロハとメルが仲良く喧嘩のような、議論のような、おしゃべりのようなことをしている所へ向かった。
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