第16話 王様と英雄

 俺、シロハ、メル、サーヴェルト、ウッドの五人はヴァニラ王国につき、城へ向かった。



「おう、おかえりイースくんたち……に……サーヴェルトっ!」

「お! ツーヴェルトー! 帰ったぜ!」


 ツーヴェルトとサーヴェルトは抱き合った。


「イースくんたち今回はほんとに助かった、報酬なんだが……この城に住んでいいって言うのはどうだ?」

「え! いいんでしょうか?」


 俺が城に住むなんて夢にも思わなかったぞ。


「おう、そんくらいの成果は持ってきたんだからな」

「ありがとうございます!」


 俺とシロハとメルは頭を下げる。


「ところで、ツーヴェルトさんが弟さんなんですか?」


 シロハはツーヴェルトに言った。


「ちがうぞ? 俺が兄だ」


 ツーヴェルトはシロハの言葉を否定したが、見た目からしてツーヴェルトが20代、サーヴェルトが40代と、圧倒的にツーヴェルトの方が年下だ。


「そうだった、説明がまだだったな……」


 ツーヴェルトは椅子に座り脚を組み話し始める。


「俺は8年前にある騎士と戦い、そこで呪いをかけられ歳を戻されたんだ、そして歳を取らなくなってしまった。その場には南の国の王『シーラ王』もいたんだがシーラ王も呪いをかけられて、結局その騎士には逃げられてしまったんだ」

「それで、シーラ王はどうなったのかしら?」

「赤ん坊まで戻されてしまったんだ」

「その騎士って言うのはなんだか知ってるんですか?」

「その騎士、か」


 ヴァニラ王は一度一息置き再び話し始める。


「その騎士の名前は暗黒騎士ダークナイトだ」

暗黒騎士ダークナイトですか……」



「──俺が説明しよう」


 俺たちがが困惑しているとウッドが話し始めた。


「この世界には魔王軍がいるんだ、そして魔王軍は呪いというものを習得している。魔王軍は大きくわけて六種類ほどいて……」


 とウッドは魔王軍や呪いについて説明を始めた。

 魔王軍には、魔王まおう悪魔あくま暗黒騎士ダークナイト暗黒龍ダークドラゴン魔女まじょ魔人族まじんぞく、に別れていて、それぞれが色々な呪いを持っていて、色々な条件が必要らしい。

 そして、ヴァニラ王やシーラ王にかかっている呪いは暗黒騎士ダークナイトによるものらしく、イース王にかかっている呪いは悪魔《あくま》によるもので、それらを倒すと呪いから開放されるそうだ。


 ウッドさんから魔王軍についての本を渡されたため、後でしっかり読もう。


「ウッドさん、なんでそんなに知ってるんですか?」


「それはな──」



 ウッドは目を閉じ口を開く。





「──西の国の英雄からだ」

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