第9.25話 ヴァニラ闘技大会 ~裏話編~

 私は部屋の前でリョウくんと別れ、自分の部屋に入ると、リョウくんの部屋側の壁に耳を当て、外に出るのを耳で確認すると、私も外にでて、リョウくんの行動を見張るため、リョウくんについて行く。



 私は隠れながら後を追っていた。


 リョウくんはレストランに入り、2人がけの席に着く。

「私に座れって事かしら」

 私はそんなことを思いながらレストランへ入ろうとしたのだが……


「こんにちは、ここの席、いっしょすわってもいーい?」

 髪型はロングで、綺麗なクリーム色の金髪をした、女がリョウくんの所へ早足で向かう。

「ど、どうぞ」

 リョウくんは応える。

「私の名前はイース、よろしくね!」

 あの女の名前はイースって言うらしい。


 その後もリョウくんとあの女は2時間ほど話し続け、その後カジノへと向かった。



 私もあとを追い、カジノにつき、リョウくんとあの女がブラックジャックをやっているのを見たのだが……

「よぉ嬢ちゃん何やってんだ?」

「何もしてないわ」

「見た感じ何もしてないようには見えないけどなぁ」

 わっはっはと大男は笑う。

「俺はモブリット、嬢ちゃん名前は?」

「シロハよ」

「そうか、お互い頑張ろうなぁ」

「ええ」

 モブリットはわっはっはと笑いながらどこかへ去っていく。



 ブラックジャックの1回戦目が終わり、結果は21対20でリョウくんの勝利になった。

 こんな接戦は滅多にない。


 そしてそのまま次の勝負が始まった。

 先行はイース。

 そして、2回戦目は21対20であの女が勝った。

 カードはあの女が11、7、3で、リョウくんが10、8、2と、言う結果だった。



 こんな接戦が続くのはおかしいと私は思った。

 しかも、2回戦目なんて、3枚目はどちらも1番いい数字を引いている。

 それに、あの女は、リョウくんが引くと21になってしまう3を引いた。

 多分あの女は運がいい女なのか、それともインチキをしているのか。

 多分前者だろう。

 何故かって?


 直感女の勘だわ。


 その後リョウくんは部屋に向かい始めるので、私は一足先に部屋に戻った。



 リョウくんは部屋に戻りシャワーを浴びてるようだ。

 私は右耳を壁に当て、左耳を塞ぎ、シャワーの音を聞き、その後眠った。



 私は、リョウくんが寝返りを打って、リョウくんの部屋のベッドが軋む音で目を覚ました。

 なんという幸せな朝なのかしら。


 その後、私はシャワーを浴びて自分の部屋の前で待つ。

 のだが、自分のメダルがないことに気づく。

「まずいわ」

 メダルがないとここの外に出られないと聞いていた。

 私は一通り探したが、見つからないため、ある卑劣な作戦をすることにした。



 私は部屋をでて、ある場所に向かい、部屋の前に戻り、リョウくんと共に闘技場へ向かう。



 試合が始まり、私は倒していく人ポケットを漁っていく。

 それは、ポケットのメダルを奪うためだ。


 だが、ポケットにメダルを入れているアホはいるわけがないため、中々見つからない。

 だが、見つからなくても構わない。

 最後には必ず手に入るのだから。


 そしてと戦い、のポケットからメダルを気づかれないように奪い取る。



 そして、私はイースがメリケンサックで攻撃してくる前に、みぞおちに拳を1発入れて、イースが倒れるのと一緒に私も倒れた振りをする。



 ごめんなさいねイースさん。



 そして、次の朝、私とリョウくんは出口へと向かった。

 そして、そこにはイースがいた。

 イースはメダルを無くしてしまったらしい、だがそれは当たり前だ──



 ──私は今日の朝、イースの部屋に行き、私服のポケットにあったメダルを装備のポケットに移しておいたのだから。



 なんでそんなめんどくさいことをしたかって?

 部屋から何かを盗むことが出来ないからよ。


 予め部屋のドアには魔法がかかっていて、その人の部屋のものがその人以外の人によって外に出すことが出来なくなっているからである。

 まぁ、これはドアの鍵がない代わりみたいなものね。


 そして、出来ればイースからではなく、赤の他人から奪った方が後でリョウくんにバレた時に、負担が少ないから最後にイースを残したのである。


 そして、モブリットと戦わなかったのは、装備にはポケットがなく、リョウくんが戦っているため、倒す必要がないし、体力的にも勝てる気がしないからである。



 私は、早くこの場を去りたいため、特に用事はないが、用があると言って去ることにした。

 出る時にステータスペーパーが渡された。

 名前は私がそう名付けた。



 シロハさん


 Lv.29


 物攻 +860000

 物防 +960000

 魔攻 +1500000

 魔防 +1200000

『職業』 魔法使い

『魔法』

 アタックブースト─味方の物攻をかなり上げる

 デフェンスブースト─味方の物防をかなり上げる

『スキル』 未習得



 ステータスの魔法が上がっていくけど、魔法は2つしか使えないのよね。


 そして、リョウくんとイースをイスに座り待つことに。



 それから約2時間待ち、モブリットが出てきて、モブリットにお礼を言ったあと、5分くらい経った後、リョウくんとイースが出てきた。



 ちなみに「イースをイスに座り待つ」はダジャレよ

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