第一章 七話 「レンジャー」

 一九七五年 ニ月四日


 この日、ウィリアムとメイナードはジョージア州フォート・ベニング駐屯地の一角で第七五レンジャー連隊に所属する狙撃隊員の訓練の様子を同連隊総指揮官のジョエル・ゼイン少将、ならびに狙撃グループの教育管理官であるジェラルド・ゲティ中尉の二名とともに視察していたが、彼らが登っている監視塔の下に拡がる草むらの中に潜む四名のレンジャー訓練生の内、彼らが注目していたのはただ一人、四人の中でも最年少の上等兵だけだった。


 イーノック・アルバーン……、ウィリアムは彼のもとに自分達が駆けつけることになった経緯に思いを馳せた。


 小さな雲が二、三個浮かぶ青空の下、早めの春の到来を予感させるような暖かい風が狙撃訓練生達の身を隠す草むらの上を吹きならし、ウィリアムの頬に当たった。





「ヴェスパ・アルバーンが……、死んだのでありますか……?」


 視察の前日、ウィリアムはメイナードからスパイクの代理を務める選抜射手に関する報国を聞いて、その言葉を驚きとともに反芻した。


「ああ、残念なことだが……」


 目を伏せたメイナードは静かに答えたが、かつてベトナムで自分とともに過ごした男が死んだと聞くと、それが戦場では良くあることだと分かっていても、ウィリアムはすぐには納得できなかった。


「彼はやはりベトナムで……?」


 声の震えを抑えられずに聞いたウィリアムにメイナードは静かにかぶりを振った。


「違う」


 その答えを聞いて、事情を察したウィリアムは顔を俯けた。ベトナムからアメリカが撤退してまだ二年も経っていないが、あの戦争から帰った兵士達が帰国してからPTSDを発症して自殺するというのは、珍しい話ではなかった。そして、ウィリアムの悪い予感は無情にも的中していた。


「彼は自宅で父親の拳銃を使って、自分の頭を撃ち抜いたらしい……」


 メイナードが静かに発した言葉がウィリアムの頭の中で反芻し続けた。


(自殺……、それも拳銃で自分の頭を撃ち抜いて……)


 ウィリアムの脳裏にヴェスパ・アルバーンと初めて出会った時、ダクラク省の西部山間部の上を飛行するUH-1ヒューイの中で彼が見せた笑顔……、戦闘が終わった後の苦悩する彼の顔……、夜の待ち伏せの間、ウィンチェスターM70の長い銃身を抱き、蛸壺の壁にもたれ掛かりって夜空を見上げる、月光に照らされた静かな表情の横顔……、それらが次々と現れては消えていった。


 解放戦線から"アルバトロスの死神"と恐れられた男、Hill803最強の狙撃手が死んだ……。


「残念だ……。君の戦友だったというなら尚更な……」


 メイナードが顔を伏せて発した言葉はウィリアムの耳には入っていなかった。


 一九六七年のベトナムで自分達を多くの危機から救った無敵の狙撃手、しかし帰国した母国では彼はすでに無敵の狙撃手などではなかった。ただ一人の脆く壊れやすい人間だった。そして、最後に帰還兵に対する偏見と、敗北を強引に忘れようとする社会の無関心が彼を殺したのだった……。


「彼のことは残念だが……」


 しばしの沈黙の後、メイナードが再び口を開いた。甦るかつての記憶を思い返していたウィリアムはその声に我に返り、傍らの上官を見た。


「ヴェスパ・アルバーンには弟がいた」


「弟……?」


 思わず、ウィリアムは聞き返した。


 そういえば、戦場で過ごした半年間、色々なことをともに話したが、家族に関して彼は何も語らなかった……。


「彼は今、第七五レンジャー連隊に所属している。まだ入隊したばかりだが、お兄さんの能力を受け継いで、狙撃の腕で彼の右に出る者はいないらしい。会ってみる価値はあると思うが……、どうかな?」


 ウィリアムの気持ちを気遣ってか、控えめに聞いたメイナードの声にウィリアムは即座に答えを返した。





「馬鹿野郎!簡易トラップなんかに引っ掛かりやがって!」


 ここに来ることとなった先日のいきさつを思い出していたウィリアムの意識はすぐ隣で弾けたジェラルド・ゲティ中尉の怒声によって目の前の現実に一気に引き戻された。


 眼下の草むらに眼を向けると、ウィリアム達のいる監視塔から十一時の方向、距離四十メートルほどの位置に薄紅色のスモークが黙々と上がっていた。 その煙の中から、発煙弾にギリスーツを染められた狙撃訓練生が咳き込みながら姿を現す。トラップに引っ掛かり、脱落した訓練生が誰なのか判別できなかったメイナードとウィリアムは隣で演習の成り行きを静かに見守るゼイン少将の方を見たが、彼は二人の視線に気づくと、目を閉じてかぶりを振った。


 あの訓練生はイーノックではないわけか……、などと二人が安堵とも納得ともつかぬ気持ちを感じようとしたとき、コンッ、という軽金属の衝撃音が演習地に響き、草原の中に設置されたマンターゲットの頭部に青色のペイントが拡がった。


「三番ターゲット、イーノック!ラモン、のろのろしてると新入りに全部とられちまうぞ!」


 消音器付きの狙撃銃を使い、ギリースーツで擬態しているため、ウィリアム達には彼らの隠れ場所さえわからなかったが、ゲティ教官はもう一人の訓練生を鼓舞するような言葉を拡声器を使って叫んだ。


 姿は見えないが、ヴェスパ・アルバーンの弟はこの眼下の草むらのどこかにいる。彼の兄がそうであったように草むらの中に隠れて標的を撃つタイミングを窺っている……。


 拡声器のスイッチを切ったゲティ教官はウィリアムとメイナードの方を向くと、蔓延の笑みでうなづいて見せた。


「心配いりませんよ。アルバーン上等兵は天才です。」





 ボルトアクション式スナイパーライフルと各人でそれぞれ色の異なる五発の七.六ニミリ・ペイント弾を渡された四人の狙撃訓練生に与えられた訓練の内容は演習地の草むらの中に立てられた五つのマンターゲットをできるだけ多く狙撃することだった。


 だが、草むらには歩哨役の四人の教官がM16を手に巡回しており、かつ背丈の高い草原が訓練生達の視界を阻んでいたので訓練開始地点からターゲットを狙撃することは不可能であり、接近しての狙撃しか彼らの取りうる手段は残されていなかったが、彼が進むことになる草むらの中にも地雷を模したスモークグレネードのワイヤートラップが無数に仕掛けられていて、一筋縄では進むことができないようになっていた。


 トラップに引っ掛からないため、慎重に進んでいく必要があるが、歩哨の教官達の巡回への警戒に加え、他の訓練生を出し抜く必要もある……。この訓練は辛抱とともに時間との戦いでもあった。


 開始早々、四人の訓練生の中で最も経験に溢れる曹長が歩哨の教官に発見されて脱落し、つい先ほど二人目の訓練生もスモークグレネードのワイヤートラップに引っ掛かって、ペイントまみれの惨めな姿で脱落した。自分よりも経験豊かな同僚が二人も相次いで脱落し、恐怖と驚きに襲われていたラモン伍長は同時に言い様のない焦りにも襲われていた。自分がもたついて、一発も標的を仕留められない間に一番新入りの上等兵が次々と成果をあげていたからだ。


 つい数ヵ月前に第七五レンジャー連隊に入隊してきたイーノック・アルバーン上等兵は歩哨とトラップの網を潜り抜けて、既に二つの標的を狙撃し命中させていた。


 ちょうどウィリアム達がその上から訓練を視察している監視塔の目の前の草むらを匍匐前進で身を伏せて、ゆっくりと通過しようとしていたラモン伍長はそんな状況に人知れず、いや人知れないように溜め息をついていた。


 斥候狙撃兵の役割じゃ、溜め息さえ自由につけないとはな……、などと心の内で嘆きつつ、内心に溢れだす焦りと嫉妬をラモンはなんとか抑えようとしていた。スカウト・スナイパーをもう七年は続けてきた彼は匍匐前進の状態で風が草を巻き上げる中にあっても、近づいてくる見張りの兵士の足音を聞き分けれるように体が慣れていた。その耳がついに三回目の演習弾が標的に命中する金属音を捉えたのだった。ということは残る標的は二つ。


(こっちはまだ三つ目の標的も見えてねえのによぉ……。一体、どんな進行速度で進んでやがるんだ、あいつは……)


 二ヶ月ほど前に入隊してきたイーノック・アルバーンはその射撃能力の高さを見込まれて、斥候狙撃班の訓練に参加し始めた。最初はオットー曹長とともに、グリーンベレーにいた兄上か誰かの七光りだろう、などと陰で言い合っていたが、そうではないことはすぐに明らかになった。


 イーノックは天才だ。それも何十年に一回とかいうレベルのもので自分達とは何段階もレベルの異なるところに彼はいる、とラモンも含め、班の皆が気づいた。


 彼は隊庁舎で休んでるときに自分の兄のベトナムでの武勇伝をよく語る。国境地帯で解放戦線の一個連隊を観測手と二人で足止めにしたとか、Hill803の陣地防御戦で三キロ離れたところから対戦車ライフルで狙ってきた解放軍のスナイパーを重機関銃の単射で仕留めたとかいう話をだ……。最初は弱者の遠吠え程度にしか思っていなかったが、彼の実力を前にして、それが嘘などではないのだということを痛感させられた。嘘にしては話が込み入って現実味を帯び過ぎているのだ。それに彼は兄の自慢はしても、自分の能力を鼻にかけたりすることは決してない。ただ単に兄の事が好きなだけなのだ……。そんなイーノックの事を班の隊員達も理解し、可愛がっていた。


 だが、今日だけはそうはいかない。おそらくイーノックの特異な能力を知ってか、今日の訓練にはフォートブラッグから特殊部隊のヘッドハンター達がやって来ていた。


 フォートブラッグといえば、新設された特殊部隊の本拠基地だ。彼らの目的がイーノック上等兵の能力の見定めにあるのは疑いの無いことだったが、それでも今、ここで彼らに自分の活躍を見せつけることができたら、もしかすると自分も……。


 そう気分を高揚させて、訓練に取りかかったラモン伍長だったが、現実の厳しさに彼の希望はすぐに吹き消された。


(気合が入ってんのか知らねぇけど、トラップが多すぎるんだよ……)


 加えて、四人の歩哨の巡回もおまけでついた状況にラモンは憤りで歯を食いしばった。汗で溶けたフェイス・ペイントが眼にかかって痛む。おまけに一時間も地べたをはいずりまわっているせいで体の節々が痛み、顔の上を蟻が走って、不快な痒みに襲われてもそれを叩くこともできない。


(こんな状況でどうやって、あいつはあんな高速度で前進しているんだ……!)


 悔しさを噛み締めた時、前方三十メートル、草むらの僅かに開けた視界の先に小さくはあるが、標的が見えた。鉄板に貼り付けられたマンターゲットのペーパーにペイント弾の跡は……、まだない!


 この訓練地はそれほど広い訳ではないので、全てのものがスナイパーライフルの射程に入るが、起伏の多い土地と視界を覆う草根に加え、歩哨役の教官に気づかれぬよう伏射で撃たねばならないこともあって、例え先行して標的から近いポジションを取ったとしても、進行ルートによっては、標的を狙えない場合がある。今回の場合はまさしくその状況だった。イーノックは先行したが、あの標的は狙えなかったのだ。


(何とか完封勝利は防いだ……。この一本はもらうぜ……)


 ラモンは腹這いの状態で両手で抱えていたウィンチェスターM70スナイパーライフルをゆっくりと構えた。わずかな動きであっても、草の穂の動きで歩哨の教官達には気づかれる。吹いてきた風が草むらを揺らした動きと同化するように周囲の自然と溶け込んだ動きでウィンチェスターM70を構えたラモンはライフルスコープの倍率を調節し、肌で感じた風の強さや湿気を頭の中で計算し、ゼロイン調整を即席ですませると、トリガーガードにかけていた右指の人差し指をトリガーに移した。


 トリガーを引き込みつつ、照準線の十字交差部分を合わせたマンターゲットの頭部を拡大されたスコープの視界越しに睨んだラモンは冷静を努めていても、踊り出す胸の内を抑えきれなかった。


(距離三十弱……。近すぎるが、狙える……!)


 叩き上げのキャリア三人が新米の隊員一人に挑んでこの様なのは何とも無様なものだが、一矢は報いて見せようと思ったラモンはトリガーにかけた指の力をさらに強め、引き金を半分ほど引いた。後は呼吸が整ったタイミングで残りを引き絞るだけ……。


 完璧な狙撃だ。引き金を引いた後に木製のストックを通して身体に伝わる銃のボルトが後退する振動と消音器から聞こえる掠れた銃声はその後の素晴らしい感動を自分に届けるはずだ、とラモンは思った。


 ふと、あいつはどんな反応をするのだろう、悔しがるのだろうか、どんな反応をするのか楽しみだ、とつまらない思考が頭の片隅を走ったのと同時、呼吸が整い、引き金を引き切ろうとしたラモンの拡大された視界の中で薄紅色の煙幕が拡がり、視界を完全に覆った。


(なにっ!)


 反射的にスコープから目を離し、肉眼で先ほど標的が存在した辺りを睨んだラモンの目には地面に突き刺すようにして立てられていたターゲットは既にスモークグレネードの濃い煙幕に包まれて見えなくなっていた。


 (あいつがミスって踏んだのか?でも、何故あんな近くにまで標的に寄る必要があった?)


 様々な疑問がラモンの頭の中を駆け巡ったが、次の瞬間には、違う、と彼は気づき、同時に出し抜かれたことに対する激しい悔しさに胸の中をいっぱいにされた。


「お前。そりゃ、ねぇだろう……、イーノック……」


 歩哨役の教官に気づかれないように呟いたつもりだったが、すぐ真後ろで、


「いや、お前はどのみちアウトだった」


と宣言した低い声にラモンは、ぎょっ、として背後を振り返った。


 いつの間に近づいたのか、濃緑服の戦闘服に身を包み、キャップ帽をかぶった黒人のレンジャー教官が訳あり気味な笑みを浮かべて、すぐそこに立っていた。


(くそ……。標的を撃てる喜びに浮かれて気づけなかったのか……。しかし、擬装は完璧だったのに何故見つかった……?)


 つい、目の前の標的に集中しすぎて警戒を疎かにしていたことに対する反省と同時に頭の中に湧いてきた疑問の答えは教官が手にしたM16自動小銃の銃口先で刺して見せた先にあった。


 反射的に上体を起こしたラモンがその先を見てみると彼の右足首に匍匐前進中に巻き込んだ草根とともに濃緑色に塗装されたワイヤー線が絡まっていた。


 それを視認した瞬間、はっ、と顔を見上げたラモンの視線の先、黒人の教官の右手の中にピカピカと赤色のランプを点滅させる小型の電子機器があった。


(あれは……、AN/GSS-9動体感知機!)


 その電子機器の正体を認識したことで先程までの興奮が幻想と化し、自分の目の前に立ちはだかる現実を認識した瞬間、悔しさと徒労感で脱力したラモンはげんなりとした表情で、「そんなのありかよー!」と緑一色の草むらの中、空を仰いでぼやいていたのだった。





 静寂に包まれていた訓練地に破裂音が突発的に響き、まだ命中弾を受けていなかったマンターゲットの内、ウィリアム達に近い方の目標からモクモクと薄紅色の煙幕が立ち上り、目標の姿は一瞬にして見えなくなった。


 監視塔の全員がその光景にくぎ付けになった刹那、視界の片隅に微かな動きを察知したウィリアムは最後の標的が立つ方向を見た。一瞬何の変化もないかと見えたが、人型のマンターゲットの首元で金属の鋭利な歯が小さく輝くのを彼は見逃さなかった。


 一拍置いて、標的の鉄板に張り付けられているターゲットペーパーに描かれた兵士の頭部がペロリ、とはがれて風に流されていった。風に流された紙片が草原の中に消えていくのをウィリアムが眼で追っていると、隣でメイナードが、「やるな。」と感嘆の声を上げた。その声にメイナードの視線の先を追って、先ほどのマンターゲットの方に目を戻したウィリアムはターゲットの脇に草原と同色の偽装を施したギリースーツの人影が迷彩色に塗られた長身のウィンチェスターM70スナイパーライフルをスリングで肩にかけ、こちらを見上げているのを認めた。


 四人の歩哨の目とトラップ群をかわし、三つ目までの目標を迅速に倒したのは想定内だったが、恐らくは銃の不調か何かで残りの二発を発砲できなくなったイーノック・アルバーンはトラップに使われていたグレネードを解除、改造して武器として使い、標的の一つをそれで排除更にウィリアム達のようにグレネードの爆発に気を取られ、一瞬の間、注意のそれた最後の敵を背後からナイフで倒したのだった。


(その判断とそれを実行しうる能力、実戦でも十分に役立つ技能だ……)


 ウィリアムの隣にはイーノックに全ての標的を奪われ、途中退場となった彼のチームメイトたちも監視棟の上に上がって見物しに来ていた。


「やるな、あいつ!」


 彼らが傍らで感嘆の声をあげる中、ウィリアムは監視塔の下まで歩いてきたギリースーツの青年に注意を向けた。ギリースーツのフードをめくった青年の顔はフェイス・ペイントが塗り込められ、髪の毛にも草木を模した擬装が施されていて、平時の顔を想像するのは難しいものがあったが、それでもウィンチェスターM70を肩にかけたその姿にウィリアムはかつて戦場でともに過ごした男の姿、記憶を思い起こさずにはいられなかった。


「すみません、教官!途中で弾を落としてしまって……!」


 訓練教官のゲティ中尉は二十メートル下の部下の方に笑みを浮かべて、満足げな様子で声を張り上げた。


「大いに結構だ!だが、イーノック!実戦では弾丸を紛失するんじゃないぞ!」


 そう言って、今度は脱落した訓練生の方を振り返ったゲティ教官は、「よし!新米に敗れてしまったお前らにはイーノックがフィールドに落としてきた弾丸を探してきてもらう!」と満面の笑みを浮かべたまま、上機嫌な声で言い放った。


「まじかよ……」


「砂漠で蟻のコンタクトレンズを探すようなもんだぜ……」


「何をもたもたしとる!早く行け!」


 ぶつぶつと不満を漏らしつつも、ゲティ教官に急かされて、訓練生達が監視塔を降りていく中、監視塔の下に立つ青年の姿をぼんやりと見つめ続けていたウィリアムに自分を見つめる視線に気がついた青年が顔を向けた。


 突然現れた見知らぬ上級士官に敬礼した青年の顔はかつてダクラク省の上空で初めて出会ったヴェスパ・アルバーンの面影をウィリアムに想起させ、彼のベトナムでの記憶を掻き乱したが、そんなことを少しも知る由もない青年は遠いところを見るような顔をした初対面の士官に少し怪訝そうな表情を見せたのだった……。

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