短い作品ですが内容が濃くて読み応えがありました。是非読んでみてください。
知識や記憶、思いを他者に伝えるうえでのボキャブラリーの大切さを息子に説くお父さんのセリフがブーメランとなって、お父さん自身に跳ね返ってくる話です。SFとしても、親子の人間ドラマとしても、完成度の高い掌編だと思います。ボキャブラリーには人と人との和解を助ける力がありますが、詐欺師の罠にも口喧嘩の武器にもなります。包丁が料理にも殺人にも使えるように、言葉は道具にすぎないからです。地球人の過ちが繰り返されなければいいですね。