第35話 粉砕

 神話において、須佐之男スサノオノミコトは妻である櫛名田比売クシナダヒメを櫛に変化させ、自らの髪に挿したまま八岐大蛇と対戦した。

 須佐之男は十拳剣を用いることで、八岐大蛇を退治。その際、八岐大蛇の尾から草薙剣が発見される。

 八岐大蛇を退治した須佐之男は櫛名田比売と共に、2人で住み生きる場所を探したという。


 十拳氷剣で八岐大蛇を殺し、八岐大蛇から草薙氷剣を引き抜いた始は、夢奏と共に2人で生きられる場所まで逃げている。

 2人の状況は須佐之男と櫛名田比売に似ている。これすらも、神話好きの恭矢による計らいなのだろうか。


 ◇◇◇


 夢奏と始は町を走る。

 霞姉妹にはバイクなどを使い逃げろと言われたが、キーを挿したままのバイクなど見つからず、そもそもバイクの使い方すら知らない。


 何十、何百、何千メートルと走った頃、夢奏は薄々気付いていた。

 もう逃げられない。逃げても意味が無いと。そしてもう自分には、今日この日に死ぬ運命しかないのだと。

 しかし始はそれを否定する。夢奏は今日死ぬべきではない。始と2人で生きて、本当の家族になり、子を産み、家庭を築く。幸せを掴むまで死んではならないと。


 藍蘭と藍楼はまだ生きているだろうか。もう死んでいるかもしれない。超低確率ではあるが、もしかしたら戦いに発展させることなく話し合いで和解した可能性もある。

 生きていてほしい。自分達2人を生きさせてくれた霞姉妹にはここで死んでほしくない。

 他人ひとには殆ど興味を抱かなかった始が、ここまで他人ひとの心配をすることは過去に無かった。故に董雅が死んだ時も、璃乃の死体を見た時も、悲しみ等が込み上げることは無かった。

 しかし今の始は違う。もしも霞姉妹が死んでしまえば、始は悲しみのあまり涙を流すだろう。それ程までに霞姉妹は始にとっての恩人であり、信じられる人間なのだ。


 戦いの起こった工場は、家から距離があった。逃走を続ける中で、始と夢奏はあることに気付く。

 今自分達は、漸く自宅の近くにまで逃げてこれた。

 そして2人は同時に考えた。もしも家の中に閉じ篭れば、誰にも見つからないのではないかと。しかし同時に、その作戦には欠点があると気付いた。先程の様子から、藍蘭と戦士の1人は知り合いだったと考えられる。即ち自分達が知らないだけで、夢奏と始のクラスメイトも戦士である可能性がある。もしもクラスメイトに戦士がいれば、夢奏と始の家の場所を知ることができる。即ち、閉じ篭り死んだように見せかけても、生存が確認されるかもしれない。

 そもそも根源である夢奏が死ねば、この世界から鏡像が消え去るため、戦士達の鏡像が自己意識を失っていなければ生存は確定。見つかるまで捜索が続けられるだろう。


 即ち誰かが夢奏を殺すまで、戦いは終わらない。


「始、やっぱり殺して。私を殺せば戦いも終わるし、始の冤罪も晴れるから」

「殺さない」

「始……お願いだから、私を」

「絶対に殺さない」

「……私が望めば、なんでもしてくれるんじゃなかったの? 始に殺されるんだったら私は幸せだから、だから!」

「何回も言わせんな! 俺は夢奏を殺したくもないし死なせたくもない!」


 死にたい、という夢奏の我儘わがまま

 死なせたくない、という始の我儘わがまま

 互いの気持ちは理解している。理解しているが故、互いに我儘を受け入れたくなかった。受け入れてしまえば、自らの愛を騙すような気がした。

 始から向けられる愛よりも、始に向ける愛の方が大きい。夢奏から向けられる愛よりも、夢奏に向ける愛の方が大きい。互いに自らの愛を大きく見ているが、愛を数字にすることはできないためどちらが大きいかなど分からない。しかし妥協の末自らの主張を破棄すれば、自らの愛が薄く感じてしまう。

 自分の愛に、自分の気持ちに嘘はつきたくない。かと言って始は夢奏の愛を、夢奏は始の愛を裏切りたくない。故に互いの意見がぶつかり、未だに妥協点に到達することができていない。


「夢奏が死ぬ時は俺も一緒に死ぬ……けど今ここで夢奏を殺して自殺する気は無い。どちらが死ぬ選択肢でも、2人が死ぬ選択肢でもない。2人で生きられる選択肢を見つける。見つけるまで、俺は逃げ続ける」


 2人で生きられる選択肢は現時点で1つだけある。その選択肢を実行するのは簡単ではあるが、恐らくは夢奏が望まない結果になる。

 その方法は、恭矢の声を聞いた戦士達の殲滅。仮に敵対する戦士を1人残らず殺せば、それ以外に鏡像や根源について知る者は居なくなる。恭矢も死んだため、再び戦いを起こす存在も居ない。

 しかし戦士は人間。夢奏が巻き込んだ人々。夢奏は戦士を殺したい等とは考えておらず、殺害や死を望んですらいない。

 故に始はその選択肢を考えつつも言葉には出さない。可能な限り、夢奏を悲しませたくないのだ。


「……ずっと不思議だった。私は、生まれつき皆から嫌われてきた。けどなんで、始は私のことをずっと好きでいてくれるの? 摩耶も、お母さんも、克巳さんも、藍蘭さんと藍楼さんも、始のおかげで多分私のことを嫌わずに居てくれてる。けど始は……どうして?」


 夢奏が思っている通り、摩耶達は主に始経由で夢奏を知り、夢奏と親しくしてくれた。しかし夢奏と摩耶達との中継役である始は、誰も介さず、単独で夢奏に接触した。

 過去幾度となく夢奏は始に尋ねた。なぜ私なのか。なぜ嫌われ者の私なのか。なぜ嫌いにならないのかと。その度に始は「一目惚れだった」「好きなことに理由はいらない」とだけ言い、詳しいことは何一つ話さなかった。


「……夢奏と初めて会った時、俺は夢奏が虐待を受けてることに気付いた。守ってあげたい、助けてあげたい……何度もそう思った。けど当時の俺は小学生……小学生の俺に、何かを変えられる力なんて無かった」

「……あの頃、私のことを見てたのは……嫌いだったからじゃなかったんだね」


 夢奏は昔から、蔑むような視線を浴びてきた。しかしその中でも、一際始から感じる視線は強かった。始の視線からは蔑みなどは一切感じられず、夢奏はその視線が嫌ではなかった。ただ愛を知らずに生きてきた夢奏には、始から感じる視線の主成分を理解できなかった。


「嫌いだなんて思った事ない。寧ろ、日々傷痕が増えていく夢奏を見ている内に、俺は夢奏の魅力に気付いていった。綺麗な髪、理想の顔立ち、可愛い声、細い指、小さな手、そして……虐待に屈しないその強い心。見れば見る程、知れば知る程好きになって、俺はいつしか、夢奏のことしか考えられなくなっていた」


 純愛。言わば、始は夢奏の全てを、夢奏という存在を愛している。恐らく後にも先にも、夢奏のことをこれだけ愛せる人間は現れない。


「夢奏を暴力から守りたい。夢奏の傍に寄り添いたい。夢奏の家族になりたい。夢奏とずっと一緒に居たい。夢奏を、幸せにしたい。あの頃抱いた気持ちや夢は、未だに色褪せない。寧ろ、大人に近付けば近付く程、夢を実現させる可能性が出てきたって嬉しくなった。だから……だから殺してくれだなんて言うなよ! 俺はまだ、夢奏を幸せにさせてない!」


 始はこれまで、自らの夢について語った事が無かった。しかし生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされた今、始は漸く自身の夢について語った。

 始の夢はただ一つ。夢奏を幸せにしたい。自らの命を擲つこともなく、2人で幸せになりたい。

 始の夢を、気持ちを知った時、夢奏は自分一人が犠牲になるという選択肢を棄てた。

 始と家族になりたい。始と一緒に居たい。始と生きたい。

 生きたい。


「そんなこと、言われたら……死ぬのが、怖くなっちゃうじゃん……」

「怖くて当たり前だ。俺だって死ぬのは怖い……夢奏と居られなくなるのは嫌だ」


 いつの間にか2人は足を止めており、2人は涙を流していた。そして夢奏の泣き顔を隠すように、始は夢奏の身体を抱き寄せた。

 瀬戸際に立たされているためか、服の上からでも互いの体温が鮮明に感じられ、肌の感触が鮮明に伝わった。


「夢奏……俺と一緒に、幸せを掴んでくれないか?」

「勿論……何年費やしたとしても、始となら掴める気がする」


 プロポーズ、ととってもいいのだろうか。始の言葉に夢奏は胸うたれ、死にたいとすら思った自らの心を消し去った。

 始とならどんな苦難と直面しても生きていける。始とならどんな場所でも生きていける。始が居てくれるなら、もう死にたいだなんて思わない。



 しかし2人の夢や幸せは、案外簡単に壊された。



 始は夢奏の声しか聞こえていない。夢奏も始の声しか聞こえていない。

 故に、背後から近付く足音に一切気付かなかった。


「っ!!」

「……はじ、め……?」


 夢奏が気付いた時、始の足元には既に大量の血で作られた水溜まりができていた。


「こ、根源を……った……!」


 知らない男の声が、始の背後から聞こえてくる。その時、夢奏は察した。始は背後から戦士に攻撃されたのだと。

 始は地面に突き刺していた草薙氷剣を引き抜き、夢奏を強く抱いたまま振り向く。そしてそのまま草薙氷剣で背後に立っていた戦士の身体を裂き、全身を凍らせて殺した。


「始……始!!」


 夢奏の声に始は何も答えない。否、答える余裕すらなかった。


「ぅぐ!」


 始は最初の男に背中を切り裂かれた。十分致命傷になる。しかし追い討ちをかけるように始の背後から増援が現れ、炎を凝縮した銃弾と、土で作られたボウガンの矢が始の背中を突き刺す。

 始は堪えられない程の痛みをどうにか堪え、草薙氷剣から氷を出現させ投擲、増援の頭部を突き刺し殺害。しかし直後に始の手から握力が失われ、草薙氷剣は地面に落下。刃を形成していた氷は無情にも砕け散り、柄の役割を果たしていた銃は鏡の中に戻ってしまった。

 握力に続き立つ力まで失われ、始は地面に崩れ落ちる。その際、咄嗟に自らを緩衝材とすることで、夢奏にかかる落下の負担を限界まで軽減した。


「ゆ、かな……」

「い、いや……いやぁぁぁぁ!!」


 始の腕を解き、夢奏は身体を起こす。その瞬間、夢奏は背後から連続攻撃を受けた始の身体を見た。背中からは夥しい血が流れ、筋肉は裂け、骨と臓器が露出している。

 見るからに致命傷である。もう手の施しようがない。始は、すぐに死んでしまう。


「2人で生きて……幸せを掴むんでしょ! だったらこんなところで死なないでよ!」


 夢奏の言葉に、既に意識が朦朧としている始は何の返答もできず、ただ黙って涙を流した。






「始、お前の声、聞こえてたよ。俺が見守ってるだけで、お前は強くなるって。だから……俺はずっと見守ってきた」


 何処からか聞こえてきた声。その声には聞き覚えがある。寧ろ少し前に聞いた。


「恭矢、か……」


 もう何も見えないはずの始の視界に、もうこの世に存在しないはずの恭矢が映りこんだ。鏡写しではない、本物の恭矢である。

 その時始は気付いた。もう出せないはずの声を発していることに。そして察した。今自分が見ている光景と、体験している状況について。


「俺……頑張ったよな……痛いの我慢して、夢奏を守れた。けど、最後まで守りきれなかった……先に死んじまった……」


 夢奏でさえ聞いたことの無い、弱々しい始の声。しかし始らしからぬその声を聞いても、恭矢は嫌な顔ひとつせず、寧ろからかうような笑顔を見せた。


「……始でも、泣く時は泣くんだな」

「当たり前だ……夢奏の前では泣かないって決めてたけど、もう……限界だ」


 始の目からは涙が止まらず溢れている。

 夢奏と2人で生きる未来が消えた。掴もうとした夢が掴めなかった。夢奏を1人にしてしまった。

 辛い。悲しい。情けない。2人の世界に入ったが故に食らった不意討ちは、身体だけでなく始の精神にも傷痕を残した。


「……始、お前は頑張った。ずっと見てきたから分かる。お前はいつだって、泣くことを堪えてきた。今日くらい、俺の前でくらい、今まで泣けなかった分泣いていい」


 恭矢は死んだ日からずっと、親友である始のことを見守ってきた。始が涙を堪えている時も、ポーカーフェイスを装い本心を隠していた時も、恭矢は見てきた。故に恭矢は、夢奏の知らない始も知っている。

 始が、本当は誰よりも泣き虫であることを知っている。


「見守ってやろう、姫川のこと。始が居なくなったことでどんな展開になるのかは分からないけど、それでも……始は見守ってやらないといけない。それが姫川の恋人にして家族である始の責務だからな」

「……ああ、そうだな……もう俺には見守ることしかできない。だから恭矢、夢奏が"来るまで"の間、俺の話し相手になってくれないか?」

「ああ……飽きさせるなよ」






「なんで……」


 徐々に冷たくなる始を抱きしめる夢奏は、無意識に「なんで」と連呼していた。何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も。まるで始の死に直面して狂ったかのように連呼を続けた。

 その声に呼び寄せられるかのように、まだ新たな戦士が夢奏の前に現れた。2人の戦士は始により殺された戦士の死体を発見し、直後に始の死体を抱きしめる夢奏を見つけた。その瞬間、戦士達は「夢奏が離反者である始を、用無しと判断し殺した」と思い込み、怒りを顕に武器を握り夢奏へと歩み寄る。


「始は、死ななくてよかった……死ぬ必要が無い人だった……なのに!!」


 瞬間的に夢奏から発せられた異常なまでの殺意に、戦士達は怯み思わず足を止めた。


「なんで!! 始を殺したぁぁぁ!!!」




 夢奏の叫び。始が死んだ悲しみ、始を殺した人間への憎しみ、始を死なせた世界への恨み。ありとあらゆる感情が混ざったその叫びは鏡の世界に響き、その声を聞いた全ての鏡像に異常が起こった。


 武器へと変化させていた鏡像は夢奏の声に悶え苦しみ、武器化を解除し地面に落下。両手で頭を押さえながら、さながら死にかけの虫のように無様な動きをする。

 武器化せず、且つ戦士の鏡像として悪意を抑え込んでいた個体達は、体内から湧き上がる悪意に身を捩り泣き叫ぶ。

 自己意識を持ち且つ悪意を持たなかった鏡像達は、夢奏の声により体内に悪意が植え付けられ、人間に絶望。鏡の世界から抜け出し、実体の世界に足を踏み入れた。


 ◇◇◇


「どうしたの!?」


 恭矢の声を聞いた摩耶は、家から出ることもできず一人部屋の中で震えていた。しかし突如鏡の世界に夢奏の叫びが響き、鏡像の摩耶が苦しみだした。


「あ、悪意が……大丈、夫……なんとか抑え、る……! それ、より……鏡の中、大変……」

「……っ!!」


 その時、1階から摩耶を呼ぶ母の声が聞こえた。それもただ呼ぶだけの声ではなく、喉が潰れる程の助けを求める叫び。

 鏡像に起きた異変。鏡の中に響いた夢奏の声。助け求める母の叫び。1階で何が起こっているのかは分からない。しかし摩耶は、母がなぜ叫んだのかを直感で理解した。

 1階に駆け下り、母が居るはずのリビングへと向かう摩耶。そこには鏡写しの母と、鏡写しの母に首を掴まれる実体の母が居た。実体の母の目は血走り、失禁し、身体は痙攣しているものの呼吸はしていない。

 母は死んでいた。自らの鏡像に殺されていた。


「お、かあ、さん……」


 ◇◇◇


 夢奏と始を逃がした霞姉妹は、大怪我を負ったものの生きていた。しかし自らが生き、且つ夢奏と始を逃がすために、詩織を含めた戦士達を殺した。否、本当に殺せたか否かは分からないが、少なくとも再起不能にはした。


「帰って……これた……」

「うん……」


 霞姉妹は李亜の居る家に帰ってきた。ふらつく脚でドアを開け、玄関で靴を脱ぎ家の中に入る。そしてそのまま自室……ではなく李亜の部屋に向かい、ノックも無しにドアを開け室内に入った。


「「っ!!」」


 部屋に入った時、李亜は鏡を睨んでいた。不思議に思い霞姉妹が鏡を見ると、そこには李亜を冷めた目で見つめる鏡像の李亜が居た。


「李亜の鏡像……」

「辛いけど、殺るしか……って、あれ?」


 鏡に手をかざすも、鏡像の霞姉妹は武器へと変化せず、冷や汗をかきながら猛獣のように息を荒らげていた。


「どうしたの……なんで武器にならないの?」

「に……げて……鏡像わたし達から逃げて!!」


 鏡像の霞姉妹が、実体の霞姉妹達に「逃げて」と言った。本来実体の人間を殺す存在である鏡像が、実体の人間の身を案じこの場からの逃走を促した。

 即ち、戦士の相方として戦う鏡像達にとっても相当まずい状況であるということ。


「李亜、逃げよう! 武器はないけど……逃げるだけならできる!」

「李亜は……お姉ちゃん達が絶対守るから!」


 ◇◇◇


 町中で鏡像が急増している最中、夢奏を殺すべく参戦した戦士達は1人ずつ殺されていった。鏡像が武器化を解除し悶え、戦士が混乱しているうちに、始を抱いたままの夢奏により頭を撃ち抜かれたのだ。

 夢奏は決して人を殺したいなどとは考えなかった。しかし今の夢奏は違う。


「始の居ない世界に、私が生きる理由は無い……けど私が朽ちる前に、始を殺したこの世界を壊す……人間を、鏡諸共砕く」

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