第四章 様々なモノに絡まれし現状

4章-01話 ランクテストと休息と支部隊見学と雑務で稼ぐ

 あの後支部長や顔役にグレンを紹介して回り、報奨金と追加物理報奨も受け取って、シティーバンクで分割してから持ち帰り皆に配ったのであった。


 皆家と呼べるのは俺のFPtフローティングパワートレーラーだけである、ギルドシティーに戻っても家をシティー内に持っているのは俺だけなのである。

 故郷がないわけではないが、普段帰る家として家は俺のFPtのようである。


 なので休息や休憩と言われても次のミッションに備えた想定での道具作成や呪文の新たな構成書を作成したりあとはランクテストに備え腕や知識を磨くなど様々である。


 ランクテストの話が上がってきている者については一週間後のランクテストに備えて調整を行っているようではある。

 グレンを除く皆にこの話は上がってきているようである。

 因みにグレンは宮殿騎士三十一ランク、として登録されている。


 そのランクテストには全員が合格し、それぞれが一ランクづつ上がった。

 俺は武将三十四ランクになった。


 ゼルは銃士ランクが二十二に上がりさらなる名声を得たが、どのクラスも真骨頂は三十ランクを超えてからといわれており、まだ先があることを示されたのである。


 甚九郎ジンクロウも武将二十一ランクになり侍から武将への仲間入りを果たしてはいたがまだまだといったところである。


 ナーシャは魔導師のランクが一つ上がり三十ランクに到達した。分岐点とよく言われるところであるが本人は純粋攻撃魔法の方を専攻しており迷いがないといわれるほどである。

 他の覚えている術系、白魔法・黒魔法は二十九ランクで止まっている。


 リズも精霊使いのランクを二十二に上げてはいるが精霊召喚の方がギリギリだったのはいつもの事である。


 マリは司祭のランクを三十二ランクに上げておりさらなる実力を付けている。


 アイネは探索者に絞りランクを二十七ランクに上げており、エンカウント能力については彼女に勝てる者はそんなにいなくなってきた。

 エンカウント能力というのはどちらが先に発見するかという能力の一つでレーダーがきかない時などは有効に使用されている。




 皆の普段の休息の取り方は様々である。


 マリなんかはサリーネ誠神殿に行ってお祈りをしてくるなどすることはあるようだが。報奨金山分けの後、寄付をする姿も見られるのである。


 リズに至ってはゴロリと転がったまま動かないこともしばしば散見される。寝ているわけではなく精力的に動こうという気力がわかないらしい。

 ロマンチストといってもロマンがない場所ではあまり動かないのである。


 アイネはどちらかといえば道具を常に使えるように整備している。


 甚九郎は賢者としての見識を深めるべくデータパッドなどで情報収集に努める姿が見られるのである。

 

 俺とナーシャは比較的財力にも時間配分にも余裕があるためグレンに一緒に付き合ってシティーの中を案内していたりする。

 グレンにとっては見るものすべてが新しく世界はここまで発展したのか! 

 というような勢いで、食事や予備の服やインナー類の買い物や季節物の買い物などを三人で行っていたのである。



 それとこの前から偶に話に出てきていた、支部隊というものを見てみたいとグレンにいわれてはいたが、ここの支部隊の数の少なさを見せてがっかりされても困るので、その内という怪しい文句で俺が引き伸ばしてはいた。


 元々グランシスディア・ゼロはそこそこの支部隊がいた頃もあるのだが、今は稼働四機しかいないと話には聞いているためであった。


 グランシスディア・ゼロは周囲の危険な遺跡関係などで冒険者が多く湧いているため、数の上でギルドの支部隊よりも、ギルドの支部のほうが大きく目立っていた。

 今は特にそれが顕著に出てしまっていたし、グランシスディア・ライン正騎士団とグランシスディア・ブルーアジュール準騎士団の間にいさかいなどもあり、つい先日のギルドの支部隊とグランシスディア・ライン正騎士団との騒動もあって、グランシスディアの正騎士団が派兵されない地となってしまったのである。


 しかもネットニュースで盛大に広まり各国に知れ渡ってしまったためグランシスディア連邦共和国としても頭の痛い事態になったのであった。火消しにどれだけの金がつぎ込まれたかは計り知れないといわれるほどであった。


 元々お飾りと名高かった派兵されていたグランシスディア・ライン正騎士団六機では戦力のセの字にもならないといわれるほど評価が低かったので致し方なかったが、妙にプライドだけ高く扱いづらいといわれていていつ問題を起こしてもおかしくないといわれてただけあって、その問題は白日の下にさらされたのである。

 

 ギルド支部隊は数こそ四機ではあるものの精鋭ぞろいであるがいかんせん数が少なく、もう少し数が整ったら見せられるように手配してみるよという苦しい言い訳で逃れていたのであった。


 グレンに見せられる支部隊になるまでかなりの時間を要したのは言うまでもないが、見せて良かったと思わせられるところまでよくぞ我慢したというのも考慮に入れねばなるまい。

 雨期に入って少し経って総機数が二十七機を超えたという話を聞いたので見学という話をねじり込み、元隊長殿に一役買ってもらって見学を成功のもとにおさめたのである。

 いつぞやサインをした件でねじ込んだのは、いうまでもなかった。

「こういうオチが待っていようとは思わなんだ……」とはその時のジーンの会話からである。といっても見学者は三人、俺とグレンとナーシャだったことを考えれば被害? は大きくない。


 もっともその雨期の間までも、戦闘こそしないものの人探しや、雑用などでしっかりと稼いでいたのは言うまでもない。

 このPTパーティ雑用もそれなりに強いのがそろっているのである。


 俺も料理人としてのランクは二十二と多少なりと持っているし、もちろん試験や実技がありテクニックだけでなく知識なども評価される。

 

 俺が異色の武将であるのにはそういう裏の面がついていて異色のといわれている節もあるのである。

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