3章-05話 激突、飛竜戦
グランシスディア・ゼロへ向けて皆で加速仕掛け中盤まで来たところであったろうか、不意に対空警戒態勢のアラートが全車両に向けてコンボスから放たれた。
「対空警戒厳にせよ!」と俺もコクピット内に声をかけ、車内通話に向けて「対空戦闘用意、起きてこられる奴は参加してくれ。まだ警戒だが雲行きが怪しい!」と声をかけた。
レーダーとにらめっこしていた
「一匹だけやたら低く
コクピット内にナーシャたちが入ってきた。マリは通信系に座った、ナーシャがサブパイロット席に座ると「私が操縦を代わります、貴方は戦闘指揮と近接戦闘の用意を! お願いしますね」と俺にいった。
「確かにサブパイロット席からでも、満足な操縦は可能な様に作られているが、組み付かれるかもしれんぞ?」と俺がいった。
「そのための、サブリーダー役ではありませんか? 自分のお役目をお忘れですか? ご存分に! ね」というとサブパイロット席に操縦系統がすべて移ったことを示す、ブルーのランプがメインパイロット席に点灯した。
「わかった車両は預けた! コンボス、後ろの一匹はもらうぞ!」といいながら実戦戦闘の準備を一瞬で終える。
「リズ、対空戦だ風を操って相手を地表か上部装甲板上に叩き落してくれ!、グレンと俺で近接戦闘を仕掛ける。ゼル、支援戦闘を頼む。できれば片目でも射貫いてくれるといいんだが」と俺がいって上部ハッチへの扉を開けた。
「リズとゼルはこのハッチから外には出るなよ!
「まさかFPtの上部に立つなどとは思いもしなかったぞ、かなり広いんだな」とグレンはいった。実際に立つと
二人ともナイツであるため時速百キロメートル程度の風では障害にならないのである。それだけもっと速く動くことが前提の二人だからできるものであったのはいうまでもない。
すでに、先頭車両集団からは一キロメートルほどの距離が空いていた。
車両をコンボスからの通信の通りに走らせる技術は、ナーシャも持っている。
問題は組み付かれたときにいかに制御しきるかであった。上に立っている二人には問題はないだろう、正しゼルやリズはそういうわけにいかないのはわかっていたので、サバイバルランヤードを付けてもらっていた。
「先頭車両からの距離は十分に離したわね、リズ、ゼル、支援戦闘開始お願いしますね」とナーシャからの掛け声がリズとゼルに届いた。
「おっしゃ任せとけ。アーガインのダンナ、支援戦闘開始するぜ」とゼルから声がかかった。
その飛竜は比較的大きかった、全長で優に三十メートルはあるのではないだろうか? とゼルは思った、しかし支援戦闘ではその大きさが致命的だぜとも思った。対象の飛竜はこのトレーラーに狙いを定めたようであった。
特製のアンチマテリアルライフルを構えるなり、よく目玉を狙って一発目を射抜く、一撃目で向かって右側の目玉を一つ射貫いた。
流石に狙う対象を間違えたと気付いたのだろう、しかしもう遅かった、リズの術が確実に飛竜から翼を失わせていた。飛竜とはいっても風や大気中を飛んでいるので風を失えばいとも簡単に墜落する、それは事実である魔法で飛んでいるわけではないのだ……、しかし飛竜もただヤラレテやるわけにはいかなかったのだろう。FPtの後部に組み付いてきた。
一瞬FPtの操縦が乱れるが、ナーシャの操縦テクニックで慣性をうまく殺し、組み付かれた……その一瞬で立て直したのであった。
「とどめは任せたぜアーガインの旦那、とグレンさんよお」とゼルがいう。
「リズはやることはやったでしゅ……あとはお任しぇしました」とリズも荒い息を吐きながら発破をかけてきた。そして、そのままタラップをずり落ちていった。余程疲れたのであろう。
「向かって
反応速度はもはや飛竜には残っていない、目の前にいた二人が掻き消えたように飛竜には見えたのが最後だった。あとは体が左右から切り刻まれていくのを感じ取ったのが最期になった。
「飛竜は一体討ち取った。そちらで三匹対処できるか? 無理ならば追いかけるが、今余分な積み荷が屋根の上に載ってるからなすぐに追いつくのは難しいぜ」と俺がコンボスに直接通信を入れた。
「流石ムナクラだ、あの大物をしとめるなんてな。逃げ切れるかどうかやってみよう。しかし
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