第11話 カレンの告白
「何してんの?」
「いやぁ、こうすればカレンともっといられるかなって……」
カレンが湿り気たっぷりの目線でアユミを睨む。視界の端には顔くらいの小さな窓があり、その向こうでは澄んだ空と屋根だけ覗かせた家々が目で追いきれないほどの速度で過ぎ去っていく。周りが薄暗いので外の景色が余計に目に映える。
つまりは、新幹線の車内にいるのだ。アユミも、そして彼女に腕を引っ張られたカレンも。
「ちょっと、どうすんの……私乗車券なんて持ってないんだけど」
「それはそれとして、脚にキスしてもいいかい?」
「はあ!?」
「せっかく時間ができたんだからさ。無理矢理乗せたのは謝るから、お願い」
「……だめ。謝っても脚はお預け」
「そんな……」
この世の終わりを目の前で迎えたような顔のアユミ。これほど悲しい顔を見たのはカレンでさえ初めてかもしれなかった。
「でも、こっちならいいよ」
一歩近付き、両足の踵を上げる。アセロラの味がした。
脚フェチの親友が私を振り回して止まらない! 塚野 夜行 @yuzuhuri
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます