謝罪

「なぁ、お前と別れたこと、未だに後悔してる」

「私も」


あの頃、俺は不安だった。

環境が変わって、会えなくなって、それでも続くのか。


「不安だった。君が離れていくのが」

「うん」


だから、自分で縁を切った。


「でも、君がいなくなって、自分が空っぽになって」

「うん」


それが正しいと思ってた。


「俺、なんて馬鹿なことをしたんだろって」

「私も。なんで嫌だって言わなかったんだろって」


「間違いだって気づいた時には、君はもう居なくて」

「やり場のない思いだけが募って」


「もう一度やり直したいって」

「不安も心配も乗り越えて」

「今度こそ、もっと傍にいたいって」



「うん、私もそう思う。」



「もう一度、やり直さないか?」






俺は君が好きだ

あのときも、今も

俺は間違いなく君が好きだ


だから、分かってしまうんだ

君が今も俺を好きでいてくれてることを

互いの想いは色あせていないことを



だから、分かってしまうんだ




「ううん、それは無理」




君がそう答えることも




「私、たしかに今もあなたが好き。でもね、もう私の中でケジメがついたの。この想いを持ったまま、次に進もうって。だから、ごめん。」


「そうか、わかった。」




あなたはきっと、全てわかってた

わかってて、あなたは言ったんだ

こんな風にしか謝れないなんて、あなたはホントにバカ



「あなたも早く見切りつけて、幸せになったら?」


「そうだなぁ、ぼちぼち考えてみるよ」


「うん、そうしてそうして。私だけ踏ん切り着いてたらなんか悪い気がしちゃう」


「はいはい、わかったよ」




「それじゃ、またいつか」


「また、いつか」




俺は君が好きだ

私はあなたが好き


この想いを抱えたまま生きていく

次の恋で同じ過ちをしないように


それでもいいか…

それでもいいよね…

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