10.11.小さな悩み
「今日は
「そうだね」
それに、お母さんもちゃちゃ入れに来るから落ち着かないし。折角なんだから、誰にも邪魔されず二人きりになりたいよ。
「ちょっと着替えてくるね」
「うん。先に始めてるね」
つい1ヶ月程前までスカートで通学してたし、家でも割と素足を出している事が多かった所為なのか、男子の制服は苦手なんだって。
「お待たせ、
ゆったりとした膝丈のスウェットに着替えた
まあ、勉強するだけだからそんな事は気にしなければいいだけなんだけどね。
思い返せば、昨年の今頃もこうして二人で勉強してたんだな。あれからもう一年経つのか……
私が元に戻って、
なのに
「ねえ、
こうやってキスはしてくれるんだけどな。触れる程度のね。でも、もうちょっと……、その……、あれよ、もう少し先に進んでもいいんじゃないの? 私達。折角元にもどったんだしさ。
「私ってそんなに魅力ない?」
「とっても可愛いよ♪ 天使にしか見えないもん」
「そういうんじゃなくて、もっと生物的なっていうか……、本能的にっていうか……」
水着姿の会長には興奮してたくせに(怒)
思い出したら怒りが込み上げて来た。私にだって興奮してよねっ。
|詰め寄ると座ったまま椅子ごと遠ざかる
もう、何で。
もう一度詰め寄る。今度は立ち上がって逃げようとしてるし。
「逃げないでっ」
「うわあ」
バランスを崩して床に倒れ込む
「見た?」
「えーっと……」
スウェットだけを掴むつもりだったんだよ。
「ねえ、見たの?」
「ごめん、
「見たんだ」
慌てて隠してたけど、見ちゃったっていうか、見えちゃったっていうか……
「ほんとにごめん。でもね、
「小学生だよね」
「え?」
「低学年レベルかな、これじゃ」
確かに……、じゃなくて、何とかしなきゃ。そうだ、
「ほら、顔立ちとバランス取れてていいんじゃないかなあ。顔は女の子のときのままなんだからバランス崩れちゃうじゃない?」
「
「えっ、私は……」
私のは……
「うん。そうだよ。だから、大丈夫だから」
「こんなんじゃなかったんだもん……」
こんなんじゃって……
「自信、失くしちゃったの?」
「……」
「た、試してみよっか、二人で」
「でも――」
私だって自信あるわけじゃないよ。でも、
「経験有るわけじゃないから上手く出来ないかもしれないけど……、
「そんなわけないよ」
「でしょ? 私も同じ。だから、ね?
「
「
「
相変わらず触れる程度の、か。こうなったらもう……
そのまま
「いいよ、
ピーンポーン
興味、あるよね……
ピーンポーン ピーンポーン
ピンポン ピンポン ピンポン ピーンポーン
もう、誰よ、もう少しなのにぃ(怒)
「
お母さん! 何でっ、何でなのよっ。
「
「わかったわよ、続きは今度ね。でも、あと一回だけ」
うん……、さっきよりは上手く出来たかな。
「ねえ、
玄関へと向かう
「待って、そのままじゃ……」
「ううぉー、そうだった」
また見えちゃったよ。
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