04.15.追跡
モニターには校内の見取り図と、そこにプロットする形でウザ男と
「
折角なので、
「犯人の確認、といったところなのかしら?」
当然ながら、この部屋に入るために会長にも来てもらっている。正直に言えば、
まだ怒ってるみたいで、今朝も口効いてもらえなかったし、本当は
「ここからじゃないと偽情報も流せないから」
スマホから出来るようにすることも難しくないんだけど、恒久的に使うわけでも無いし、昨日は背後に会長が居たから集中できなくてそこまで作り込めなかった。それに、変な穴を開けるのも嫌だしね。GUIでの操作もできないからコンソールからコマンドを入力して
偽の僕らが向かう先は、2体裏。先に
「
監視カメラの映像に映し出されたのは慌てて廊下を走っていく
「最低ね、この男」
「暗黙のルールも知らないのかしら」
「うわー、どうする気だったんだろ、本当に
そういう僕らもこうして覗き見してるんだけどね。
「愛されているようね、
「やめてください、
「へ~、
「ええ、家同士の付き合いもあるので、
「
「え……」
僕は “会長” でいいんだけど……。名前で呼んだりしたら
むぅぅぅ、そもそも何で怒ってるんだよ、
「か……かぐ……」
「こっちも動き始めたみたいね」
「
「……そう、だね」
モニターに写ってるのはウザ男の姿。
ちなみに、校内の監視カメラはしっかりと音声も拾ってる。誰も居ないからってこんな所で告白しても全部記録されてるってことなんだよね。
『
『
『マイ・プリンセスが告白でもされたらと来てみたんだが……、出鱈目の情報を流していたと……』
『そんなっ、昨日は確かに届いていたはずです、
昨日はね。お陰で鬱陶しかったけど気付いてなかったの? 今日は僕も
「この二人が犯人なんでしょうか」
「会話から察するにウザ男は
映画とかだとおデブだけど超優秀なエンジニアとか居るけど、
何れにしても、この映像突きつけて警告すればこの件は解決って事でいいかな。実際にはシステムに侵入されたわけでもないしさ。
『放課後、いつもの所で待っているからね。覚悟して来ることだ』
『違うんです、これは……僕じゃなくてあいつが』
『あいつ? 誰の事を言ってるんだい?』
『
穏便に済ませてあげようと思ったのに。僕に一泡? 誰なんだ? 名前を言え。
『彼女に潮を吹かせていいのはこの僕だけだ』
潮じゃなくて泡だよ……、ほんと気持ち悪いな、こいつ。
「
「会長まで……」
「潮の事はともかく、もう少し彼らを追ってみたほうがいいんじゃないかしら。実行犯にコンタクトする可能性もあると思うの」
「み、
結局、この後も名前を言うことはなく、昼休みの間は誰とも接触する様子もなかった。だから、放課後、
◇◇◇
「ドキドキしますわね、
「そうかなぁ」
僕と
「来ましたわ」
「どうなってるんだよ、システムに侵入出来たんじゃなかったのか?」
「ハニーポット……かな。中々やるねぇ、
「感心してる場合じゃないよ。この後
「何とかって言われてもー、時間が足りないかな」
「そんな……、昼休みにメールしただろっ、何もしてくれなかったのか?」
「校内でやったら簡単に俺までたどり着かれちゃうし、何より道具が足りないかな。って事で、今日のところは諦めるんだね」
実行犯と思われる男子生徒は
「行こうか、
男子生徒を目で追いながら
振り返ると、そこには鬼が立っていた。
「今日は
「
「何処で何をしようと私の勝手じゃない?」
「そうだけど……」
じゃあ、僕が何処で何をしようと僕の勝手だよね?
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