04.10.もう一つの司令
問題を起こした1組の生徒三人は3ヶ月の停学となった。うち二人は自主退学、残る一名も中間テストを受けられないから自動的に12組への転落が確定する。
『
これを達成するには同じクラスになるのが手っ取り早い。接する機会も増えるだろうから。
でも、読めないのは空席となった3枠の扱い。学校側からは何の発表もない。このまま空席のままなのか。もうしそうなら、先程の予想通り待っていれば
空席を作らず補充するのか。その場合、待っていても
更に悩ましいのは評議委員になれるかどうか。
クラス替えで1組から来た生徒は評議委員にはなれない。元々2組に居た生徒の中から上位2名が評議委員となる決まりだから。つまり、通常ならクラスで3位と4位になった生徒が次の評議委員というわけなんだけど……、例の3枠の扱いによってはこれも変わってくる。
私はどうすれば……
「そんな顔してると眉間のシワがとれなくなっちゃうんだぞ?」
「
「ん?」
「中間テストの事。1組に行くべきか、それともこのまま2組に残るべきか。その場合も、評議委員になるにはどうすればいいか」
「そんなの考えたってどうにもならないよ。それとも、
「それは……、確かにそうだけど」
「それに、私は特選に行きたいんだぞ。
「
確かにそういう考え方も有るかな。入試の成績は私が26位で
◇◇◇
「やっほー、筆おろしさせてあげた
「誤解を招く言い方は止めようよ。あと、るっちは止めて、頼むから……」
「えー、じゃあ姫っち?」
「それも、なんかやだ」
「あっ、思い出した、一番最初のお客さんだよね、姫ちゃん」
出たな、ゴツい執事。制服姿もゴツいんだな。
「ふ~ん、姫ちゃんか。私もそう呼んじゃうんだぞ! 宜しくね、姫ちゃん」
「う、うん、宜しく、
「うん、うん、
流石
「あの……、
「うん、宜しくね、
「ちゃんっ」
「あっ、ごめん、馴れ馴れしかったよね、
「大丈夫……ですから。ちゃん……で」
「えっと、じゃあ、宜しくね、
「宜しくです、姫……ちゃん」
「
「宜しくなんだぞ!」
「宜しく……」
やっぱイケメンだな、この人。姫……ちゃんの彼氏だって噂になってるけど。
「
「
知ってる、ゴツい執事。いや、ゴツいJKか。
「愛しい女よ、新しい友達か? ならば俺にも――」
この男……
校内でスカート捲りして処分されたのに、何を勘違いしてるのか姫……ちゃんに付き纏ってるという。どう見ても嫌がられてるのに何故気づかない……
「キモい、うせろ」
姫……ちゃんの声に答える様に二人の間に学年主席が割って入った。
「
「なんだ
ストーカー男が学年主席に掴みかかろうとしている。このままじゃ……
バシッ
「糞っ、スタンガンなんか持ち込みやがって」
「そんなもの持っていない」
「じゃあ何なんだ、お前のスキルか? 能力者なのか?」
「馬鹿じゃないの?」
「てめえ――うおっ」
「止めないか、
ストーカー男は
「わかった、わかったよ
いつもこんな感じなのか……、大変だな、姫……ちゃんも。
「ねえ、どうやったの?」
「あっ、えっと、これは只の静電気で……、私貯めやすい体質みたいで……」
「じゃあ触ったらビリってくるんだ」
「い、いや、今放電したばかりだから、だいじょうぶ……」
学年主席がそっと私の手に触れる。
「本当だ。私は
そのまま握手とか、積極的だな……
「いえ、別に……大したことじゃ……」
「あれ~、
「これは、そんなんじゃ……」
お、男になんて触られたこと無いから……、初めてだから緊張してるだけで……、別にタイプっていうわけじゃ……
とまあ、こんな感じで私と
「あの、彼は?」
「えっと、彼は……
「男色だから気をつけたほうがいいんだぞ! いおりんが好みみたいだから特にね」
姫……ちゃんが
もう一人は男色の
これで
それに……、
「
「別に見つめたりなんか……」
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