04.07.ミス高天原
「ちょっと、
私の声が聞こえなかったのか、
もう、何やってるんだか。
「さーて、恒例のミス
噂の新入生って、まさか
そういえば、
成績至上主義のこの学校において、生徒の投票によって決められる数少ないイベントだ。というか、このコンテストの他には会長選挙ぐらいしかないんだけど、人気投票故なのか創立以来ミス
「行こう、
「う、うん」
「仕方ない、2階、いや3階の廊下に行こう」
「うん」
中庭というだけあって、四方を校舎に囲まれた空間になっていて、各校舎の廊下の窓からは中庭を見下ろすことが出来る。3階を選んだのは2階が既にいっぱいに見えたからなんだろうけど、移動している間に3階もいっぱいになっていた。結局、5階まで上がって漸く窓際を確保できた。
中庭の中央にステージが用意され、黒い布を被せられた人物っぽい塊が佇んでいた。たぶん、ミス
ミス、ミスター
「でーは、いよいよミスター
黒い布が取り払われ、何ともチャラい感じの男子生徒が前に出る。
「では、見事な勝利を収めた
「まあ、当然の結果だろうね。そんなことより、気になるのは僕のプリンセスとなる栄光を掴むのは誰か、なんじゃないのかな? 違うかな、みんな」
あまりの発言に、場は静まりかえってしまう。
「10組ともなると理解し難い考え方をする人がいるもんなんだな。大体からして、99%の得票率などとは何らかの不正が疑われるのだが」
「確かにね。うちのクラスは投票どころじゃなかったと思うし」
生徒会主催のイベントということで、学校側もそのへんは甘いのだろうか。
「さて、最後となりました。我が校の女神、ミス
白けていた会場が一気に盛り上がる。ステージ周辺に集まっていた女の子の様子からも、目当てがミスター
「
「では、まずは上位2名の得票数から。その差は何と17票ー。発表しますっ、1位1278票、2位1261票ー」
湧き上がる歓声の中、数字を聞いて淡々と頷く
「まあ、この数字からしてもさっきの3562票っていうのは胡散臭いな。不正をするならもう少し上手くやればいいものを」
「冷静だね」
「いや、
「まだ
「……」
彼の中では
「いよいよ発表です。ミス
うう、間が長い。
「1年1組、
ステージには巫女に扮した
「僅差ですが、
「ミス
「ミス
「(ごにょごにょ)」
うう、
「えっ、あまてらすって読むの? 会長と同じ――」
「(ごにょごにょ)」
「ああ、そうなんだ。なるほど。じゃあ会長がミス
「(ごにょごにょ)」
もう、何やってるんだか……
「
「まあ、そうだけど」
初めて会った時とは比べ物にならないね、
「では気を取り直して、ミス
「えーっと、感激で胸がいっぱいです?」
「ミス
「えー、や――」
「主神の気が変わらない内にパレード行っちゃいましょー!」
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