04.05.お尻
「また来ちゃったんだぞ〜」
「お早いお帰りですね、お嬢様」
「早速だけど〜、気持ち良くして欲しいんだぞ〜、あ〜んなとこや、こ〜んなとこまで」
一番最初の女の子だよね、この娘。話し方が特徴的だし、ツインテールが揺れてるもん。
「そういったご要望はこちらで承ってるんですけど?」
そうそう。そういうのは
「え〜、ゴリラにされたら壊れちゃうんだぞ?
「じゃあ、普通のマサージで」
さっきから
「残念だけど仕方ないか〜。お尻が気持ちよかったから30分延長でお願いしちゃうんだぞっ!」
「他のお嬢様もお待ちなので無理……かな」
「(じゃあ~、今度プライベートでお願いねっ♪)」
耳元で囁いてくるお嬢様。同時に
「いや、そういうのもやってないから」
……『ふんっ』って聞こえそうなぐらい思いっきり顔を背けられたよ。
「
「うん、よろしく……」
近いって、そんなに顔近づけないでよ。
「ん? 赤くなってる?」
「そんな事は……」
だって近いんだもん。こう見えても中身は男なんだから。それに、君が動く度にツインテールが揺れて、とっても可愛いんだもん。
「お嬢様、他のお嬢様の迷惑になりますので」
困っていると、
「メイドさんってことは……男の子? もしかして
「か、彼氏とか……、そんなんじゃないから」
「顔が真っ赤なんだぞ?」
うん、真っ赤だね、
「これは……その……こんな格好してるからで、別に……」
「そうなんだ~、でも、すご~くお似合なんだぞ」
「そう……かな……。ありが……、えっ、ちょっと何を」
急に僕を突き飛ばすツインテールのお嬢様。そのまま
「ほら、二人で顔赤くしちゃって。お似合ってのは二人の事なんだぞ♪」
顔が赤く……
だってしょうがないじゃん。
「
女の子たちのざわつく声で我に返る。これは……嫉妬だよね。
「ごめん、
みんな
「姫ちゃん、姉弟同士で抱き合ってないで仕事仕事」
「あっ、うん」
「な~んだ、姉弟なんだ。作戦失敗なんだぞ↓」
「作戦?」
「何でもないんだぞ~」
この娘、
◇◇◇
「手、つなご」
「うん♪」
僕はいつものように
じっと僕を見つめて……
何か、顔赤い?
「あのね、
「なに?」
「……」
何か言いたそうなんだけど、言葉が続かない。
気まずい……
「そうだ、今日はごめんね、抱きついちゃったりして。皆んな見てたのに、恥ずかしかったよね」
「……謝るとこ、そこなの?」
「……」
「ダメって言っておいたよね……、変なとこ触っちゃ」
ああ……、そのことか。ずっと睨んでたもんね。
「触ってないよ。
「触ってた!」
「触って――」
「触ってたのっ!」
「……」
ぎりぎりお尻じゃないと思うんだけどな……
「やっぱり女の子がいいよね……」
当たり前だよ。男のケツなんて触っても何の意味もない。って、触ってないからね。
「私じゃ……だめ?」
「
「(声が大きい)」
「ごめん」
男になっちゃったけどお尻はお尻なわけで……、それは
「いいの? 触って」
触っていいなら触ってみたいかな。
「えっ?」
「(
耳元で囁くと
僕は構わず繋いでない方の手をお尻へと伸ばす。
「いいんだよね、触って」
「だめっ、冗談だってば」
その手は
「えー、いいじゃん、ちょっとぐらい」
「ダメだってば」
「その気にさせたんだから責任とってよ」
「だから冗談なんだってば。ごめん、謝るから」
「やだ、絶対触る」
「もう、やっぱ
「
「へー、
両手を取り合い、向かい合ったま触らせて、触らせないって言い合った。周りにはバカップルがじゃれ合っているように見えてるかもしれないけど、楽しいからそんな事は気にしない。
「(
「(じゃあ……、元に戻れたら触らせてあげる。勿論、
「……」
「約束だよ♪」
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