02.18.欲しかったもの
「
私が駆けつけた時、
「いったい何が……」
「アナフェラなんとかってやつか? ほれ、こことここ、蜂に刺されてショック症状起こしてるんだな」
アナフィラキシー・ショックのことなのかな。
林業指導のおじさんが指差したのは右足首と首の左側、2箇所が赤く腫れ上がっていた。
「
「こんなもん、しょんべんでも掛けときゃ治るって。それより、冷えちまってるみてえだから、山小屋に運んで温めてやったほうがいいな」
おしっこは、只の迷信だけど、温めたほうがってのはそのとおりだと思う。
「
「うん」
何でこんな事に……
「お前たち、無事か」
「先生っ」
「
山小屋には
「いったい何があった」
「
「毒蛇?
「はい。私達に向かって3匹も」
「4匹よ。
「ったく、とんでもねえ事してくれたなぁ」
「彼らの言い分を鵜呑みにするのですか?
「そんな事より、
布が擦れる音がする。
「二人とも、上着をいいかしら」
上着?
「こっちを向かないで」
振り返ろうとすると、
「もういいですわよ。
「
「迷惑な女だぜ」
担任の口から発せられたとは思えない一言。
「仮に彼らが言っていることが本当だったとして、そこに至る過程には目を背けるのですか? 嫌がらせの事実を知っていながら見て見ぬ振りを、いや、寧ろ、一緒になって嫌がらせをしていた貴方に
我慢の限界だったんだんだね……
ごめんね、
「無駄ですわよ、
「淫行? 何をいってる、
『先生……』
『どうした、
『あーし、先生の事が……』
『と、取り敢えず、入れ』
そんなやり取りが流れてきた。声の主は先生で間違いなさそうだ。
「何で……、いや、俺はただ
「ある方の指示でカメラを仕掛けさせていただいたのですが……、乗ったのが相談だけだったら良かったのですけどね。検証は理事会に委ねることに致しますわ」
「待ってくれ、
最低だ、この人。こんな人が担任だなんて……
「
「
「
「うん、そうだよ」
「涙が……」
「あれ? なんで……」
そういう
「ごめんね、
「僕の方こそごめん。こんな事に巻き込んじゃって。でも、もう大丈夫だからね。全部終わりにするから」
「終わりにって、何を?」
「何でも無い」
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