02.19.私が守るから
午後には雨も止み、夜にはキャンプファイヤーが予定されている。火を囲んで踊ったりして、ちょっとしたパーティーって感じかな。
皆んなはその準備で忙しそうだけど、私はこうして
宿泊所に戻った後、
唇の色も戻ってきたし、頬もほんのりピンク色になってきてる。手だって温かい。だから、大丈夫だよね、
「
もう、さっきからずっと。その度に私のてをぎゅーってにぎって……
「ねえ、
返事はない。どんな夢見てるんだろう。
我慢の限界なんかじゃなくて、私の為に……
「私、
目を開こうとしない
「そろそろ目が冷めましたか?」
み、
いきなりドアが開いて驚いたんだけど、なんか
「えっ、あの、これは違う、というか、そう、腫れが引いたか確認しようと思っただけで……」
「そうですわよね。姉弟ですものね。キス、しようとなんて、ね?」
「も、勿論。そんな事するわけないし、例え
「安心しましたわ。それで、
「まだ起きないんだけど」
「そろそろキャンプファイヤーが始まるんだが」
「私がついてるから、
「でも……」
じとーっと見つめてくるんだけど……
「しないから。何もしないから」
「
「あら、またその名前。よっぽど大切な方なんでしょうね」
そう、なのかな。そうだといいんだけど……
「誰なんだい? 女性のようだけど」
「さあ、
あれ、目を……開けて……、私の事見てる……
「
「僕の事はいいから、
「折角のパーティなんだから楽しまないと、ね!」
「うわあ、ちょっと」
握ったままの手を引っ張って
「僕はもうちょっと寝てたいから、それにまだフラフラしてるし」
いいんだ、これでいいんだ。多少強引にしないと
「フラフラするなら私が支えてあげる……。何? 泣いてるの、
「(うん、また
そう耳元で囁かれた。またって……。
「(
「(それは、
「(私に?)」
「(うん。今みたいに。覚えてないの? 初めて逢った日のこと)」
「(覚えてるけど……)」
「(中学でも頑張ってみたんだけどね、今更って感じで何も変わらなかったんだよ。寧ろ酷くなったかな。だから高校生になったらって。僕の事を知ってる人が居ない所にいったらって。でも結局こんなことになっちゃった。ごめんね、
それに、
「もう大丈夫だよ、
「何処に居るのかと思えば、班のメンバーを放ったらかして “うんち姫” と仲良くお喋りとはな。君たちにも異臭がこびり着いてしまうんじゃないか?」
言い終わる前に、厄介なのが……
「いい加減にしないかっ、
「そうだよね。こんな風に
「そんな……、抱きついたりしたら臭いが取れなく……」
いい機会だから、
「桃みたいな甘〜い香り。私は大好きだな」
「そうよね。
「えっと、うん。そうだね」
「待ってくれ、どうしたんだ? 成績上位者の絆は――」
「そんなの……」
この人、鬱陶しい……
「そんなどうでもいい。
「何を言って――」
「ぼくにもね」
「勿論、私にも近づかないでいただけますか」
「
「くっ、勝手にすればいい」
言われなくても勝手にする。この手は、もう離さない。
「大丈夫、
「
そう、
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