ストーカー対策をするにゃ

 明日は広島4人娘のストーカー対策をしなければならないので、その準備をしておこう。


 まずはストーカーという事で後を付けられるとの事なので、認識阻害の魔法で個人を特定出来なくする魔法が必要だな。顔がボヤケて見えるような魔法とその周囲数メートルの人全員がボケて見えるようにすれば、誰が誰か解らなくなって追跡出来なくなるだろう。でも洋服を覚えておいたら駄目だな……

 洋服も同じように認識しないように阻害すれば、誰か人はいるけど誰だかわからないという状況になるだろう。そうすれば問題ないかな?

 手っ取り早く呪いを掛けてもいいけど、逆恨みされてもいけないし、何かしようとしたら防御と反撃の魔法が発動するようにするか?

 あとは煙幕とかは駄目か……


 魔石に手を重ねて「忘れろ」のキーワードで相手の事を忘れてしまう魔法とかどうだろうか?とりあえずはそれらの魔法を施した魔石を作ってネックレスにしてみる。巫女だからやはりお守りか? 帰る時には私服だろうからネックレスのままでいいだろう。スタッフが増えた時ようのネックレスも作った。明日はこれを持って広島に行こう。


 翌日広島の分家の神社へ来てみたがとてもきれいに整備されており、猫や犬たちの保護もちゃんとされていた。有償のボランティアスタッフも雇っているのでちゃんとしている。

 巫女たちも出勤して来たのでまずは状況を聞いてみた。


『久しぶりだにゃ』


「ひぁああああああ!」


 一番若い土井が変な声を出した。なんという声出してるんだ?


「猫神様お久しぶりでございます」


『香よ久しぶりだにゃ、ストーカーに悩まされていると聞いたにゃ、状況を教えて欲しいにゃ』


「あの時に配ったお守りを持って帰った方は皆さんお元気になられて、完治しなかったけど手術できるところまで回復したり、完治したりで結構な噂になって、ここのお守りを持っていれば病気が必ず治るみたいな話になってしまって……」


「治らなかった人から追いかけられたり、高いお守りだと聞いた人がそれはどこに売っているのかなどで付き纏われたりしています。しつこい場合には派出所に保護してもらったりしています」


『なるほどにゃ…… じゃこれを渡しておくにゃ』


「ネックレスですか?」


『ただのネックレスじゃないにゃ! 猫神の加護付きのネックレスでこれを付けて「消える」と唱えると消えないけど周りから認識されなくなるにゃ、もし手をだしてきたら勝手に反撃をするにゃ』


「すごい…… これなら安心して通えるかも」


『本当にウザいのがいたら「忘れろ」とペンダントを握って言うにゃ、そうすれば相手は自分の事を忘れてしまうにゃ』


「え? 彼とかに使ったら」


『忘れ去られてしまうにゃ』


「怖い…… 怖すぎる」


『持って言うだけでは発動しなにゃ、ちゃんと念を込めないと駄目にゃ、だから普通の生活では問題ないにゃ』


「それじゃ安心ですね」

「元彼に使っちゃおうか?」


『忘れさせるのは1回しか使えないからむやみに使うとまた神罰が落ちるにゃ』


「冗談ですよ! 猫神様……」


『くれぐれも変な使い方はするでないにゃ! これからも精進するにゃ!』


 これで広島は大丈夫だろう。家に戻ってロマーノ王子の宿題の資料を揃えなければ……


 10日毎の移動だと、結構忙しいかもしれないな……


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