第6章 行ったり来たりの日常
今度は楽に戻れたにゃ
それから数日はギルドの打ち合わせや、王子への日本の社会保障制度で使えそうな部分を教えたり、料理長へ新しい料理を教えたりしていたら、日本へ戻る日がやってきてしまった。こちらから日本へ持って帰れる物は貴金属くらいで、ミスリル等を持って帰っても騒ぎにしかならない。前回の金もまだまだストックしてあるので、今回のお土産はトリアムの写真や動画がメインだ。あとは向こうの世界では表に出せないが魔石を多めに貰って帰って日本の電化製品を魔道具化出来ないかを考えている。一定の温度で調理ができるオーブンや泡立て器などを作るための魔石を購入すると共に、次回までにクズ魔石でも良いので魔石を大量に集めてもらうように商業ギルドには依頼を掛けてきた。
さて、準備も出来たし戻ろうかと思ったが、クリス王女がどうしても離してくれない……
『クリス様とりあえず10日間の辛抱ですので良い子にしててにゃ。次に戻ってくる時にクリス様には向こうの世界で流行っているアクセサリーを沢山持ってきますにゃ……」
「あい……」
涙目ながらようやく抱いていた俺を下におろしてくれた。
「タイガ殿、クリスが寂しがらないように早めに戻ってきてくださいね? それから今回頂いた潤いパックなるものを大量にお願いしますね」
「タイガ様、次回来られるまでに今回教えて頂いた内容をハーラルフと一緒に実現可能なところまでまとめておきますので、またアドバイスをお願いいたします」
「タイガよ次回はこっそりあの写真集というものを持ってくるのだぞ」
はぁ…… 王様より息子の方が王様らしいな……
さぁ一度向こうに戻りますかな……
どこでもド○もどきに魔力を込めるとドアが開いた。やはりドア越しに向こうを見ることは出来ないが来たときどうようにエイヤで飛び込んだ。来たとき同様に少し先にドアが見えるが歩けないので泳ぐような感じでドアに近づいて行きドアを開けた。
『ただいまにゃ!』
トリアムの着いたときと違い、出迎えは誰もいなかった……
変える日をきっちり決めておいたほうが良いのか、でもそれで遅れたら心配するだろうし、このままが良いのだろう。転移陣を組んでいる部屋から出てリビングに行くとまりの親子がリビングで勉強をしていた。
「「トラちゃんおかえりなさい!」」
『ただいまだにゃ! 何か変わった事はなかったかにゃ?』
「神社の方は沢山お参りする人が増えてきたの!」
「中林さんと鹿野さんが3日ほど前に来られてS案件があると言われてました」
『了解だにゃ、広島の方も問題ないかにゃ?』
「寺田さんと連絡を取っていますが大丈夫そうですが、最近ストーカーぽいのがいるようで少し怖がっています。最初に配ったお守りの効果が高くてそのお守りを欲しがる人に付き纏われているようで……」
『了解だにゃ、何か考えるにゃ』
「あとは、猫耳巫女の格好が可愛いので、販売しても良いかという問い合わせがきてました。あの神社で変な事すると本当に罰が当たるので確認をしてから販売したいと……」
『その辺はあの猫グッズ作らせている及川にお願いするにゃ、猫の保護活動に売上の一部を出せば大丈夫だにゃ』
「わかりました」
『来夢はどこか行ってるのかにゃ?』
「来夢お姉ちゃんはデートに行ってるの」
『相手は新田かにゃ?』
「もちろんなの。今日はお化粧にいつもの倍くらい掛けて出ていったの」
「まりの、やめなさい!」
『そうかあの二人は引っ付くといいにゃ、お似合いだにゃ』
「そうですね、最近の来夢さんは明るく見えます」
『なな子もまだまだ若いし頑張るにゃ!』
「何を言ってるんですか?」
「ママ再婚してもいいの、幸せになってほしいの」
『ほら、まりのも応援してるにゃ』
「良い人がいれば考えますが、今はまりのを育てるので精一杯です」
『頑張るにゃ!』
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