今後の話をするにゃ
プレゼントも渡し終わり、ペイロン達もようやく落ち着いたようなので、今回の目的と今後について話をすることにした。
『今回は10日間だけこっちに来たにゃ、女神との約束で10日に1回しかこの扉は使えないにゃ』
「じゃまたかえっちゃうの?」
悲しそうな顔でクリス女王は俯いてしまった。
『クリス様でもまた戻ってこれますにゃ、戻るたびにお土産もってきますにゃ』
そう言うとクリスの沈んだ顔がパァッと明るい顔に変わった。
『もうしばらくはこの体で行ったり来たりするにゃ、たぶん2年くらいはこのままだにゃ』
「その間はこちらで何をなされるのですか?」
ロマーノ王子が聞いてきた。
『女神様から2つの世界で人間として生きて行くことはできにゃい、もしこの世界を選べば向こうではこの姿にゃ、向こうを選べばこちらはこの姿になるにゃ、だからしばらくはどちらの世界で生きていくかを決める旅をするにゃ』
「向こうで生きるのが良いのではないか? その姿だとクリスが抱えても似合うし嫁にやらなくて済みそうだ」
「たいがしゃま、こっちにきてくだしゃい、もうおとうしゃまはきらいです」
毎回このセリフでこの世の終わりのような顔をするなよ……
『まだ決めてはいないにゃ』
「向こうの来夢さんですか?」
『
「じゃまりのちゃんが気になってるんだろ! このロリ○ン!」
『ペイロンは少し黙るにゃ! これでも食うにゃ!』
ペイロンにさっきよりは弱い辛さの唐辛子を口に放り込んだ!
「うぅおおおお、辛いいいいい」
『相変わらずバカにゃ、カテリーナも苦労するにゃ』
「本当にバカで困ります。タイガに敵うわけないでしょ」
『バカは放っておくにゃ、まりのは娘みたいなもんだにゃ』
「クリスも娘みたいなもんだろ? そら結婚なんてできんなガハハハ!」
「おとうしゃまはバカですか…… だいきらいです。もうしりましぇん」
「クリス、なぁ、こっちを見てくれ……」
あー駄目だ…… クリスの目が本気で怒っている。こりゃしばらくは機嫌は治らないだろうな……
『うーん、クリス様は今は妹みたいなもんだにゃ、まだ結婚とかは考えられないにゃ』
今度はクリスがこの世の終わりみたいな顔をしている。どうしよう……
「クリス、タイガ殿はまだクリスが小さいから恋愛対象にならないだけですよ、今から大きくなって素敵なレディになったら、絶対振り向いてくれますから、大丈夫よ」
「おかあしゃま、ほんとうですか?」
「ええ大丈夫よ! ね?」
マルト女王の圧が強いんですけど……
『クリス様はまだ若いにゃ、もう少し大きくなって考えればいいにゃ』
クリスの目に輝きが戻ってきたが、王様のこちらを見る目が怖い…… どうすればいいんだよ!
「では10日おきに行ったり来たりするのですね?」
『ロマーノ様そんな感じで動く予定ですにゃ』
「じゃあ、その格好でも町中で捕まえられたり変なことをされないようにお触れを出しておいたが良いでしょうね」
『お触れはいらないにゃ…… 大げさにされても困るにゃ』
「じゃ、タイガの首輪に王家の紋章をつけたらどうかしら? さすがに王家の紋章をつけた動物に害をなす人はいないでしょう」
「そうですね、母上の言う通りです。すぐに道具職人に作らせましょう」
『大丈夫にゃ、紋章作る許可もらえたら自分で作るにゃ』
「タイガ殿でしたらすぐに作れますね、許可しますのでお好きな物を作ってください。将来は息子になるのですし……」
マルト女王がなにげに既定路線を作って行っている気がするのだが……
『クリス様が将来どう思うか解らにゃいけど、今はこちらの世界で生きていこうと思っているにゃ』
クリスが更に明るい笑顔になった。
「でもタイガはどうしても向こうに戻るって言って戻ったのになんでこちらで生きていこうと思ったの?」
『カテリーナが言うように向こうにあの頃は戻りたかったにゃ、でもあのときとは状況が違うにゃ、向こうと行ったり来たりできるなら、こっちの世界が楽しいにゃ』
「楽しい?」
『そうだにゃ、向こうの世界は科学の世界だにゃ、魔法を使う世界じゃないから魔法は使い難いにゃ。向こうの世界の娯楽もない世界だからこちらは楽しくなかったにゃ。でも向こうの娯楽や技術を持ってきてこの世界を楽しい世界に変えていきたいにゃ。むこうの世界では自分のできる事はすくないにゃ』
「じゃさっきのような本も持ってくるのか?」
『ペイロン大丈夫だにゃ! 持ってきた本は全部カテリーナに渡すけどにゃ』
「なんだと……」
『カテリーナの目が怖いにゃ、ペイロンお大事にゃ』
「はっ! カテリーナ…… 誤解だ……」
「誤解って何が誤解なのよ? 見たいんでしょ? 一緒にみましょうよ」
声のトーンがものすごく低い……
『とりあえずただいまだにゃ……』
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