皆にプレゼントを渡すにゃ

『まったりしたところでお土産を配るにゃ』


女王マルト様には化粧品と宝石ですにゃ、それは向こうの世界の来夢が選んでくれましたにゃ』


 女王とクリスとリリアーヌがピクッと動いたのは気のせいだろうか?


「タイガ殿ありがとうございます。この宝石の輝きは美しいですね……」


 今回の宝石はなんちゃってダイヤではあるが、大きさにこだわってカットも美しいカットを選んだのでものすごくキレイに輝くので、こちらの価値だと金貨数万枚くらいの価値がありそうな宝石だ。


『ロマーノ王子には向こうの世界のナイフを数本持ってきましたにゃ』


「これは切れそうですね」


『更に魔法も付加してますから切れ味がずっと続きますにゃ』


「ありがとうございます」


『クリス様には洋服を沢山もってきましたにゃ』


「うぁっ! すごいです! かわいいです。ありがとうございます」


『これも来夢が選んでくれましたにゃ』


 また3人がピクッとした……


『ハーライフ宰相には向こうの老眼鏡と万年筆を持ってきたにゃ』


「おぉ! これは良く見える。ありがとうございます」


『カテリーナとリリアーヌにも化粧品と宝石を持ってきたにゃ』


「「ありがとうございます」」


『マルセル料理長には調理道具を持ってきたにゃ、あとで作れるところを探して販売するにゃ』


「ありがとうございます。いろいろ試してみます」


『これで全員だにゃ?』


「まだあるだろ!」


 ペイロンが騒ぐので


『忘れていたにゃ、すまんにゃ、ここで働く女性用にハンドクリームを沢山持ってきたにゃ、これで終了だにゃ?』


「いや、肝心なものを忘れてないか?」


『忘れていたにゃ、男性用にはひげ剃りを沢山用意してきたにゃ』


「おい、タイガ! 俺と王様の分を忘れてないか?」


『人を見るにゃり、手足を捕まえてブランブランするのにお土産があるとでも思うのかにゃ?』


「うっ、それは……」


『マルト様、カテリーナはどう思いますかにゃ?』


「ペイロンはもらう価値はないと思うわ、ペイロンが裸で足を掴まれてブランブランされたらどうなの?」


「うっ!」


 ぐうの音も出ないペイロン……


「更にタイガ殿をブランブランさせて、挙げ句に娘の食べているものを取り上げる人には何も上げなくていいわ!」


「おとうしゃまにはなにもいりません」


 あっ、止め刺されたかな? 王様が膝をついて崩れ落ちた……


『仕方ない、可愛そうだからあげるにゃ、まだ苦しそうだから、女王様とカテリーナに渡しておくにゃ、向こうの世界のグラビア写真集ってやつだにゃ、しっかり楽しむにゃ』


 2人には水着の写真等が載っている写真集をそれぞれ女王やカテリーナへ渡しておいた。当然中を見られて


「「預かりましたので、見たい時にはいつでもおっしゃってくださいね」」


 氷のような声で2人に話しかけた、打ち合わせもないのに見事にハモリながら……


「タイガ…… 殺生な……」


『あとは知らないにゃ!』


 グラビアはこの世界の新しいファッションのネタになればと思って持ってきたもので、はなからペイロン達に見せる予定はなかったが、少しは悔しい思いをしてもらおう。2人には別でナイフや武器などを準備していたので、反省した頃に女王達から渡してもらうようにした。


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