猫神神社の分家ができてるにゃ
「トラちゃん、猫神神社って他にも出してるの?」
『にゃ? にゃに?』
「ネットで他にも猫神神社って出てるよ?」
『そんなバカにゃ…』
「猫神神社の御神体をここにも分けていただきました、またご利益のある水もお分けしていますって」
『そんなサービスはしてないにゃ、詳しく調べておいてくれにゃ』
「じゃ少し調べてみるね、新田弁護士にも相談したがいいかな?」
『一応報告しておくにゃ、場所だけ調べたらちょっと見に行ってみるにゃ』
「わかったわ、ここ以外にもないがも含めて調べてみるね」
『来夢、無理せずに危なそうなら新田に頼むにゃ』
「大丈夫よ、探すだけしかしないから、そんなに私の事が心配?」
『心配だにゃ』
来夢が顔を赤らめたが
『来夢はドジっ娘だからにゃ、なにするかわからないにゃ』
「ええええ! そっちの心配かい!」
『そうだにゃ』
来夢はずっこけるふりをしているが、まぁ助けた以上危ないことはして欲しくない。
「とにかく調べとくわ」
『よろしくにゃ』
さっきのネットの情報だと広島県だな、転移で行くには明確なイメージが必要なのだが広島で行ったことのある場所のイメージで明確なのは厳島神社の鳥居が一番明確なんだよな。あの場所は動画撮ってる人も多そうだから気をつけないと写ってしまうかもしれない。認識阻害の魔法はあくまでも認識させない魔法であって透明になるものではないから、防犯カメラとかには写るんだよね…… いっそ光った状態でいくか? 神々しい場所だから大丈夫かな? そんな軽い気持ちで神社の鳥居に転移したらやっぱりバッチリ動画に写ってしまった。仕方ないので鳥居から本殿に転移しながら本殿全体に光魔法で照らして軽いエリアヒールをかけた。軽いといっても車椅子の子供が立ち上がる程の効果はあるので、神社周辺は大騒ぎになってしまった。
やっちまったなぁ~
ここの神官に神託と言ってなんかお告げをするしかないな…… そんな事を考えながら後は認識阻害をかけて分家と言っている神社へ向かう。広島の山奥にある寂れた神社だが結構参拝客が来ているようだ。
神社の本殿は汚いが妙に賽銭箱は新しく大きい。また社務所も取ってつけたようなプレハブ小屋でお守り等を販売していた。
神社の名前も善猫神社と書いてあるが看板は真新しい。神官はまだ20代くらいの若い神官とアルバイトの巫女が数人いるようで、ネットにも載っていた水を販売していたが2リットルの水で1本2000円で販売されていた。
御神体をここに置いたと書いてあったがどこにあるんだ?神社を見ると小さなケージの中に子猫が押し込まれていた。
【おーい、大丈夫か?】
【誰? 助けて…… 喉乾いた……】
なんだと? 水もあげていないのか? 慌ててケージに近寄り水を与えるとゴクゴクと美味そうに飲んでくれた。
【ご飯とかは食べているのか?】
【朝1回でてくる】
【それだけ? 運動とかは?】
【ずっとここに入れられてる】
【絶対助けてやるからもう少し辛抱してくれ】
【ほんとう? もう少しなら我慢する】
ケージの横には御神体猫、本家より頂きました本家の御神体猫の子供ですって書いてある。
いや…… 俺子供いねぇし……
夕方の時間になり、そろそろ社務所は閉まる時間のようだな、巫女さん達が控室に入っていった。後ろをついて控室に入り会話を聞いてみたが単なるアルバイトのようで、アイドルの話や学校の話などで盛り上がっているだけだった。着替えも終わったのでバイト代を貰って帰るだけのようで、それぞれのバッグに追跡用の魔石を忍び込ませる。
「おーい、着替え終わったか?」
「はい、終わってまーす」
「じゃバイト代を配るからな一人ずつ印鑑もって並んで」
「「「はーい」」」
巫女さんはバイト代の入った封筒をもらうとそれぞれ自転車や歩いて帰っていった。
神主は巫女達にバイト代を支払うと自分の部屋へ向かったので後をついていくと着替えを初めたが背中には立派なモンモンが入っていた。こいつは偽物神官だよな…… どこかに電話をし始めたのですぐ後ろに立ち聞き耳を立てる。猫だけにいつも立ってるんだけどな……
「野津さん今日の分は終わりました。売上は賽銭別で20万円くらいで、後ご利益のある猫の置物を考え中のやつが3人くらいいるんで、今週は150万くらいはあがりそうです」
「そうか、猫のグッズももう少しご利益ありそうなものを高く売れるようにしよう」
「この水って本当に効果あるんですか?」
「それは大丈夫だ、本当に善猫神社の湧き水を持ってきてる。万が一なにかチャチャを入れられても実際に神社の水が入っているから詐欺にはならんしな、3日に1回高木が汲みに行ってるんだ。まぁそれを100本くらいに薄めるから効果はわからんけどな……」
十分詐欺ですやん……
さて、どうするかな?
*******************************
「ねぇトラちゃん巫女さんたちの着替えをもしかして見てない?」
『にゃ、にゃんでそれを……』
「やっぱり見たのね」
『いきなり着替えだすしにゃ……』
「凝視したんでしょ?」
『そ、そ、そんな事はないにゃ……』
「白状しないとモフり倒すわよ」
『にゃああああああああああああ』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます