スーパーキャットモデルの選出だにゃ

 夕方になると約束通りに3人が神社へやってきた。


「あのー? 下西さんでしょうか?」


「ええ、あなたたちは?」


「えっと、信じてもらえないかもしれませんが、昨日光る猫に言われて下西さんを訪ねるように言われて、なにやら動画を撮るのに協力して欲しいと言われたのですが…… 信じられませんよね?」


「それ猫神様なの! ピカって光る猫さんは神様なの」


「やっぱり…… なんでも知ってたようだし……」


「猫神様は私もお会いしたので信じますよ、たぶんこの神社へ来る方は皆さん信じていると思います」


「私たちは何をすればよいですか?」


「ここにいる猫ちゃんの一部を動画に撮ってYoチューブでエサ代を稼ごうと思ってるので、そのお手伝いをお願いしたいと思っています」


「撮影する場所はここですか?」


 トモが質問をするとまりのが返事をした。


「あそこに猫さん用のお家があるの、そこで撮ってほしいの」


「この子が言うようにあそこで撮影をお願いします。何か必要なものがあれば購入してきます」


「機材は持っているので大丈夫です。再生回数を稼いで収益化するのであれば、けっこう沢山の動画をアップしないといけないですね」


「そうなんですね、お任せしますのでよろしくお願いします」


「お姉ちゃん達って昨日猫神様が言ってた人なの?」


「猫神様はなんて言ってたのかな?」


「失敗したら猫ちゃんにしてここの生活を体験させるにゃって言ってたの」


「「ヒィイ!! 頑張ります」」


 トモは一人で機材を取りに帰り、残りの二人は持っているスマホで猫を撮影し始めた。俺は映るのは嫌なので隠れていたが、猫のみんなは結構ノリノリで盛り上がっている。


 将来はNGJ12(Neko Gami Jinja 12)を投票で決めようと思っている。猫なのでメスだけでなくオスも含めてトップ12を決めてトップ12には特別な鰹節とちゅるんを1か月の賞品を出すことにしているので、二人がカメラを向けると渾身の笑顔を見せたりわざと可愛らしく鳴いたりと、けっこうあざとい猫たちだった。この中で1位になればCMなどにも使うスーパーキャットモデルにしようと思う。

 CMの作成も俺が間にはいれば演技も上手くいくので、結構凝った演出のCMでも問題なくできるのではないだろうか?


 犬たちもレオというゴールデン・レトリーバーがリーダーとなって色々協力をしてくれるようになったので、猫たちのプロモートが終われば犬たちのチャンネルも作ろうと思う。


 トモが動画撮影用の機材を持って戻ってきたので、本格的な撮影を始める事にした。まずは名前を一致させるために、カズとまみがまりのに教えていた猫の名前と猫を1匹づつ撮影してテロップで名前が出せるようにリストを作っていた。トモはその間ひたすら可愛い猫の仕草を撮影しており、クロやマルのように可愛さよりも目つきが悪い猫やドラと呼ばれているデブ猫なども撮影していた。


 1時間程撮影すると容量が無くなったのか、撮影は終了したようだ。


「じゃこれを編集して、少しづつコンスタントにアップしますね。次回はおもちゃとかも持ってきてもっと面白くて可愛い動画が撮れそうです」


「お疲れ様、まだ申請が通ってないみたいなので、今のうちにたくさん撮ってくださいね」


「できるだけ通っていろいろな猫ちゃんたちを撮ろうと思います」


 そう言いながら3人は帰っていったが、あの様子をみているとボランティアですっかり猫や犬が好きになったようで、本当に楽しみながら協力してくれているようだった。


 エリクサー騒動でこの神社も有名になり。猫神神社と呼ばれるようになった為か、こおにいる猫をそろそろ勝手に持ち去りそうな人が出てきそうになってきたので、神社の境内には注意書きとして、譲渡会を開催するので、それまでは勝手に持ち帰らないでほしいと書いてある札を立ててもらった。ここに猫や犬も捨てる人が出てきたので、そういう人が何処にでも置いていかないように、ちゃんと保護できるような小屋を作って名前があるならば名前を書くようにして、赤ちゃんだったらちゃんと備え付けの毛布で保温するように注意書きを書いて準備するようにした。


 動画での収益でここの運営ができればいいと思っているが、将来はCMも含めてアニマルプロダクションを作って、みんな幸せになれば良いと考えている。


 いよいよ来週くらいには申請も下りるだろうから本格的なデビューを前にサイトには1匹づつの写真と名前の掲載を始め、来週くらいからYoチューブにアップする事も告知している。神社へ来る人も増えて、マナーの悪い人も少しだが増えてきたので一度ガツンと罰を与えないと駄目なのかな?

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