そろそろ自立をしてもらうにゃ

『来夢、そろそろYoチューブに動画を載せて収益を稼ぐにゃ。ぜんみょう神社の猫達って題名はどうかにゃ?』


「うーん…… あの神社もう完全に猫神神社って世間では認識されているんだよね、大体善と猫でぜんみょうなんて誰も読めないでしょ?」


『でも正式な神社名出さないと意味がないにゃ?』


「じゃ善猫神社の猫神様達っていうのは?」


『みんな猫神にするのかにゃ? 誘拐とか心配だにゃ……』


「駄目か……」


『いや、それでいくにゃ! 必ず勝手に連れ去る人が出てくるから勝手に連れ去る人には天罰を与えるにゃ』


「じゃその題名で申請を上げるようにするから、申請の許可が出たらすぐにアップできるように動画とか撮っておかないといけないね。アルバイトでも雇う? なな子さんにお願いする?」


『大丈夫だにゃ、適任がいるにゃ、ニャニャニャ』


「なんかすごく悪い顔してるんだけど……」


『ちょっとお願いに行ってくるにゃ』


 俺は転移で以前クロを殺そうとしたジンの仲間だった富岡まみ子の家に転移した。言いつけどおりに、まみ、トモ、カズはそれぞれ猫や犬の保護活動をしていて、最近は嫌々ではなく本当に楽しそうで、世話をしていた猫がもらわれる時には、男だけどワンワン泣きながら相手に渡して、相手が本当に引き取っても良いのか悩むほどのめり込んでいるようだった。


 まみの部屋には引き取って一時保育している子猫がいるようなので、可愛そうだが少し威圧をかけてクローゼットの上に上がる。


「ブッチ? どうしたの震えて?」


【にゃあ にゃあ】


「どうしたの?」


 子猫が見ている方向に視線を向けると、以前みた黄金色に輝く猫がいた。


「ヒィイイイ!」


 慌てて土下座するまみを見て


『まみよ怖がるでないにゃ、もう怒ってないにゃ』


「ほ、ほ、本当ですか?」


『本当だにゃ その子猫を見ればわかるにゃ』


「よがったああああ」


 ありゃ泣き出しちゃった


『もしも嫌でなかったら手伝って欲しいにゃ、猫神神社で動画を作るからあのトモとカズと一緒に手伝って欲しいにゃ』


「え??」


『あの2人は動画作るの得意だにゃ?』


「はい、以前はダンス動画とか一緒に作ってましたから……」


『その技術を生かして欲しいにゃ』


「わかりました。なんでもします」


『じゃ明日か明後日の夕方神社へ来るにゃ。そこに子連れの親子が猫の世話をしてるにゃ。その子達に話しかけるにゃ下西親子だにゃ』


「わかりました。明日の夕方に行きます」


『よろしくにゃ!2人にももう怒ってないにゃと伝えるにゃ! でもジンは駄目にゃあれはクズにゃ』


 そう言って俺は自宅へ戻った。それから魔道具作りを始めたのだがとりあえず犬猫用のオリジナルチップを作った。スライムの魔石を利用したチップでスライムの魔石は石といいながらも柔らかいゴムのような感触の魔石で身体の中に入れても痛くなることが無い。とにかく数がいるから魔石を並べて一気に魔力を流して魔法陣を書き込むイメージで作り上げた。効果は場所の発信機能だが、本人がとても嫌な事をされた場合に発信されるような機能で、子供の見守り携帯のような機能のみに特化している。攫われたり貰われたりした場所で虐待等されたらわかるような機能を持たせている。米粒よりも小さく柔らかいので皮膚の下にいれても全く違和感がない出来に満足した。

 翌日の朝から神社にいる猫たちに魔石を埋め込む作業をしたが、誰も嫌がられずに素直に埋め込むことを了承してくれた。これで万が一の場合にでも対処できるだろう。

 子供を持つ猫にも説明している。もしつれ去られても可愛がられ嫌な気持ちにならない限りは発動しないので、その時には喜んであげようと説明したら、猫の社会では4か月もすると独り立ちするので問題ないとみんなから言われた。




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