猫神様のお告げだにゃ
とりあえず、一度家に戻ってご飯を食べることにしよう。今日の夕飯はなにかな?
『ただいまにゃあ』
「トラちゃんおかえり」
『今日は何かにゃ?』
「今日はね、半殺しのだまこ鍋だよ」
何それ……こわい……
『何を半殺しにするにゃ? 来夢にそんな事できるのかにゃ?』
「フッフッフッ…… あとからのお楽しみに…… できたら呼ぶから待ってて」
仕方ないので転移陣の研究をすすめよう。女神の言っていたアイテムボックスだが、トリアムで入れたものが、この世界でも取り出せる。これはアイテムボックス内の異次元がこことトリアムはつながっているという事か……
女神は向こうをトリアムという世界と表現したけど、俺が今存在しているこの世界は名前はないのか?向こうはトリアムという明確な座標があるけど、こちらがなんという世界かの概念がないから繋がらなかったのであろうか?
この世界?
地球?
地球はこの星の名前であって世界の名前ではない。
この世界には名前がない……
テレポーテーションはそれぞれの地点が特定されてないといけないので、こちらの世界の名前を特定して固定すればもしかすると向こうと繋がる可能性がでてきたような気がする。どうすれば良いかを考えていたら来夢から呼ばれてしまった。
リビングに行くと鍋が置いてあった。チッ! 鍋は猫舌には苦手なんだよな……
「はーい これが半殺しのだまこ餅だよ!」
きりたんぽ鍋のような米のお餅みたいだな?
「米を半分くらいの粒が残るように潰すから、半殺しって言うんだって、それを小麦粉少し混ぜて練るとこの団子が出来上がり、熱いから少し冷ましてから食べてね」
『美味いにゃあ、これは面白い食感で美味しいにゃ』
「でしょ? 醤油ベース以外の鍋でも美味しいかもしれないので、いろいろ作ってみようと思うの」
『味噌も合いそうだにゃ、いろいろ試してみるにゃ』
デザートはスイカが出てきた。温かい鍋の後に冷たいスイカは最高だった。
食事を終えると来夢に出かけてくると言い残し、まりののアパートへ転移して部屋に入ってみる。ちょうど母親はまだお風呂に入っているようで、まりのがひとりで髪を乾かしていた。
いつもの如く金色に光りながらまりのの前に出ると、
「あっお昼の猫ちゃん。さっきはありがと……」
『下西まりのよ、一生懸命お参りしていたので、褒美をあたえるにゃ。明日の朝早く祠から3本目の杉の後ろに生えているクワズイモの葉っぱから雫を3滴とるにゃ。よいかにゃ3本目の杉の後ろで金色の雫がでてるにゃ。沢山とっても効果がないから3滴だけにするにゃ。ここまでよいかにゃ?』
まりのは一生懸命にメモ用紙にひらがなで書いている
[ほこらから3ほんめのくわずいものはっぱから3てきしずくをとる]
「クワズイモってなぁに?」
『クワズイモはハートの葉っぱのお芋で食べられないにゃ、ハートの葉っぱの先から金色に光る雫がでているんだにゃ、雫ってわかるかにゃ?』
「わかんなーい」
『雫ってのは葉っぱから落ちそうになっている水の玉だにゃ、水道でもピチョーンってなるにゃ?それだにゃ』
「こんなの?」
わざわざ水道までいって、蛇口をひねると水の雫が滴り落ちてきた。
『それだにゃ、その粒を3粒だけペットボトルに取るにゃ。その後に祠の横にある湧水池から水をコップ一杯くらいとってペットボトルにいれてママにのまえるにゃ。そうするとママの病気は良くなっていくにゃ。湧水池から水を取る時にはちゃんと柄杓を使って取るにゃ、危ない事はしちゃだめだにゃ』
「うん!」
『いつも良い子にしているご褒美だにゃ』
それだけ言い残し光を消し認識阻害の魔法をかける。
まりのはキョロキョロと周りを見回すが、誰もいないことにびっくりしたような顔をしながらも、ペットボトルを探して水道で洗っていた。
母親がお風呂から出てきたが……
ヤバい……
スッポンポンだった……
慌てて部屋を出ると神社まで転移した。
神社につくと、祠から3本目の杉の後ろにあったクワズイモを土魔法を使い引っこ抜き根っこにエリクサーを吸わせる。5人くらいの病気は治せる量は吸わせたので明日まりのが来たら問題なく治せるだろう。クワズイモを元に戻して自宅へ戻った。
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