高くても良いものが欲しい

 行きはバスと電車を乗り継ぎデパートに来た。まずは風呂だ! 赤ちゃん用のバスタブを買おう!


「いらっしゃいませ、本日は何をお求めでしょうか?」


 販売員のお姉さんから声をかけられた来夢は


「今日は子猫ちゃんのお風呂になりそうな、ベビーバスを探しにきました」


 販売員のお姉さんさんはネコ用はペットショップ行けよ!と言わんばかりの顔をしたが、何を思ったのかそこそこ高そうなやつを持ってきた。誰でも知っているようなブランド品で1万円もする。「もっと安いものを持ってきて」と言われるのを待っているのだろうか、少し嫌な笑顔で勧めてくる。


「こちらでいかがでしょうか? 1番人気のバスタブでネコちゃんが大きくなってもつかえますよ」


『来夢!ちょっとむかついたからそれ買うにゃ、速攻で買うって言うにゃ!』


「じゃそれいただきます。もっと高いものでも良かったけど、1番人気ならそれでいいわ! 今日の夕方までに配達できるかしら? 店員さんのおかげでとても安くて良いものが買えたわありがとう」


 販売員のお姉さんは、まさか買うとは思っても見なかったし、ましてやもっと高いものでも良かったのかと悔しそうな顔をしている。


「少々お待ちくださいませ。配送料がかかりますがよろしいでしょうか?よろしければ外商に確認してまいります」


 さすがは接客のプロらしく笑顔にきりかえて返事をするが、本当のプロならば格好だけで判断するなと思う。



 来夢が黙って頷くと、裏手に引っ込んでいった。


『今日の配達が無理なら持って帰るにゃ!絶対今日いるんだにゃ!』


 何がなんでも今日は風呂に入るのだ、例えタクシーをチャーターしてでも……


「お待たせしました。本日の17時から19時の配達なら可能でごさいます。こちらにご住所をご記入下さい。また、他のフロアでの買い物がございましたら16時までに5階のサービスカウンターまでお持ちいただければ一緒に配達も可能でございます。合計で5万円以上のお買い上げで配送料はサービスになりますがそれ以外ですと1000円の配送料が必要になります」


「ありがとうございます。それで大丈夫です。後で地下の食料品売り場で買い物して帰りますので、後ほどサービスカウンターに持っていきますね」


 支払いをしながら来夢がお姉さんに伝える。


 ようやく、日本の食べ物を食べられる!レッツ地下食品コーナー!地下は人混みがすごくて、踏まれそうだ……

 来夢のリュックの中に潜り込み、頭だけ出しているが認識阻害の魔法を使っているので、周りからは見えていない。


『来夢!! 肉コーナーに行くにゃ! 美味しいお肉が食べたいにゃ!』


「なに! この肉の値段は? 1枚1万円?? 」


 来夢が驚いた声を出す。


『それでいいにゃ! いろいろにゃ部位の美味しいところを買うにゃ!』


 来夢が震えながら定員さんに注文している。それに合うスパイス等も聞きなから購入する。ほかのコーナーも回って、米や野菜等を買っていく。近所に配るお菓子もデザートを注文するついでに購入した。最後に酒コーナーに行くが、この体で酒の味などわかるのかな?飲めるかどうかわからないが、数種類のワインや酒を購入した。サービスカウンターに購入したものを運び配送をお願いした。

 配達の時間までもう少しあるようなので来夢には、今日は貴金属を買取してくれる場所に行ってもらう。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る