ただの日記

 このノートは私、中野千里が書き続けてきた日記の一部である。

 最初に日記をつけ始めたのは高校一年生の時。イジメられて学校をサボりだした時期に、母が買ってきた一冊のノートから始まった。

 最初は何書けばいいんだよ、とか思っていたけど暇だったから書いてみた。

 今となっては私の大事な日課となって、ノートの数も七冊目。このノートももうすぐ終わりそうなので、八冊目のノートを探している最中だ。

 日記を書き続けているけれど特に目的があるわけではない。誰かに読ませないし、自分で振り返ったりもしない。私自身も読み返すのは今回が初めてだ。

 読み返していてわかったことがある。

 一冊目は毎日簡素な一言で終わっていることが多い。内容も『暇』『辛い』『怖い』などどちらかというと負の感情が多い。家に引きこもっていたし、学校の今日はから抜け出せていなかった時期だったから、まぁ仕方のないことなのだろう。

 しかし二冊目になったあたりからどんどん文が増えている。この時はちょうどリネカと出会ったタイミングだ。

 文の中にも『藤咲さん』『リネカ』の単語が少なくなかった。

 高校生活または人生において、リネカと出会ったことは私にとって大きな変化だっただと改めて知った。

「類は友を呼ぶ」ということわざがある。意味は似たものは自然に集まって仲間を作るということ。

 私はこの諺が正しいと感じたことが何回もある。たとえ正反対の二人でもほんの少しの共通点ときっかけさえあれば一生モノの友達になれるのだ。

 これからも私の日記は溜まり続けるだろう。誰かのためではなく私自身のために、今日も私は私の日常を記録する。

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