第14話―曙光魔法使いの一撃必殺その2―
持て
着たことがない
その透明で
「兵から聞いたのだが剣聖に勝ったのは本当なのかい?」
「まだ未婚であるとか。もし、そうでしたら我が娘とぜひ婚約を!」
「その剣はどこで手に入れたのでありますか?収めていても輝きが見える…
ハァ、ハァ…」
場所は舞踏会。フィデス王国の第31国王グレイソン・セイクリッドの鶴の一声で催されたのは攻略したからである。ダンジョン
刻焔竜を討伐を達成したのは、それだけ国王などの大願で喜びは大きかった。脚光を浴びるには不思議じゃなかったが晴人の方は動揺と困惑をして周囲の人達に拙い返事で、
たじたじであった。
「皆様これぐらいに救世主様がお困りですありますよ」
助け舟を出したのはブルックリン。貴族の前では言葉遣いを気をつけているため。そしていつものフルプレではなく白の
つややかな栗色のショートポニーテールと浅葱色は、美しく目を奪われる晴人と貴族達
(自称、剣の蒐集家は一瞥だけ)。
「…そうでありますな」
「…また別の機会に」
「あ、あれは!?王家に伝わる伝説の剣ではないか!これにて失礼するよ」
貴族の二人は立ち直るとブルックリンに嫌悪感を表情に出し向けて立ち去る。晴人は怪訝に思った。
(なんだあの人達は。ブルックリンの美しさに息を呑んでいたのに、苦虫を潰したような顔は?
…約1名は珍しい剣であっちに
行ったけど)
少し不機嫌になった晴人の左の肩をポンッと気軽に置くブルックリン。
ドキッと心臓が鳴り、年上の女性にここまで至近距離はなかったと晴人は恥ずかしくなりながらもダンスを誘われるんじゃないかと
期待を
「…良く思われていないのは私の出自と成り上がりが大きいんだ」
「えっ、出自と成り上がり?」
普段は凛々しく立派な大人のお姉さんだと思っていた晴人は驚いていた。キャラ的に似つかわしくないワードだと彼は思っていたから。
ブルックリンはどこか諦念と自虐がない混ぜった笑みを浮かべるとワインを上品に飲むが、ゴクゴクっと勇ましくも見える飲み方。
「ハルト気分を害する話になるが気づいたか。私には人が寄らないのを」
「人が…寄らない。それってさっきみたいに英雄とかチヤホヤされる事ですか?」
「そのとおりだよ。…父は傭兵で数多の武功を重ねて
喉から手が出るほどほしい爵位だ。
成り上がりだと陰口を叩かれるんだ」
階級社会で戦いを生業としている傭兵が貴族になった事を快く思わない。
だからこそ幼いブルックリンは貴族が好きじゃなく武を極めようと励んで今のアークファランクスがある。
「……そんなの嫉妬じゃないですか!なんだよ、あのオッサン達。大学生の女の子に陰湿な真似をするなんて恥ずかしくないのかよ」
「ハルト!どうしたそんなに怒っているのだ?」
もう遠くいる相手には聞こえないから遠慮なく怒った。そんな言葉を吐けばどんな奇襲にも止まらず対応をすると自負する
ブルックリンでも
「だって仲間をそんなバカな理由で見ているんですよ。
父は父、娘は娘って判別も出来ないのかよ!あのバカな人達は」
もし相手がブルックリンに
「フッフフ、どうやらカーミラがハルトを気に入った気持ちが理解したよ」
「んっ?それは…どうも。それって褒めているの」
「貶める理由はない…仲間だからね」
早速、心に響いたワードを使うアークファランクス。自分で言った単語を使われ晴人は少々、羞恥を覚えた。そこに乱入してくるのは
揚げ物を山盛りにしたカーミラ。
「やっと自由になった。なぁ、ワタシにも話しさせてくれよ」
少し前に深緑のドレスを覚束ない歩きをしていたが、すでに慣れた
歩きが出来るようになった。
晴人はカーミラを見て感じたのは、それが運動神経の高さによるものか誰かにご教授されたかだった。
「ああ、いいぞ。でもそんなに食べて大丈夫なのか?カーミラたまに考えなしがあるからなぁ」
「なんだと。ちゃんと食べれるぞ」
「 二人ともケンカしないように」
晴人の指摘にカーミラは否定して反論をする。ケンカを止めるブルックリンであったが晴人とカーミラの二人は別にケンカというほどではないんだけど内心そう思うだけにした。
心地よい夜だと思った晴人は、そういえばエイブリーが何処にいるだろうと探していると見つけた。
話の内容どころか声は周囲の喧騒にかき消され聞こえないが楽しそうに笑顔を浮かべていた。
(エイブリーさん楽しそうだけど、なんだかモヤっとする)
深紅のドレスがエイブリーをより一層と輝かせている。
遠くから眺めているとバタンっと鳴り響く方へ振り返ると大きな扉が開いた音だった。
「報告します!
急いで伝えた情報には何の事だろうと訝しむ晴人、その情報にざわつき始めるのだった。
まるで、一難去ってまた一難そんな次の戦いが訪れを何故かそんな直感を感じずいられなかった晴人。
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