第7話―闇は不可視に蠢く―
よもや失敗するか。剣聖の精神を憎悪で支配され救世主に向けさせて
長年ここで
俺なら
ともかく剣聖はヘイト魔法をよく効いたが救世主は謎の力でかき消された。感知された様子はない。
「接近戦で無敵とも謳われた剣聖に勝つなんて!?」
「ああ、スゴイぜぇ。あんなガキが救世主って疑っていたが魔王を滅ぼすのも夢じゃない!」
威厳も何もない勝利に傍観していた軍人は歓喜の叫びと祝福を送る。
剣聖だけでも悩みの種だというのに最悪なタイミングで救世主か。
「おい、スタイル!期間限定のカレーメロンパンを買ってこい!」
観察していると無精ヒゲの宮殿魔法師が無茶な命令が飛ぶ。
「はっ、今すぐ買いに行って参ります」
俺は清々しい笑顔を作って、したくない敬礼を決めると上司は満足すると注目の救世主に視線を戻す。どうして宮廷魔法師というのはこんなにも体育会系が多いのだ。
権威のある学者だって所属する由緒正しい賢者の集団だろ!
それになにが階級だ。宮廷魔法師に潜り込む事に成功したはいいが、階級がある。一位から五位と低い数字が上なのは分かるが四位以下は召使いのように扱うとは
驚いたぞ。間者として侵入するのが得意なのだが退屈で極まりない。
早くこんな陰気な任務を終わらせて自由に暴れ人間らの甘美な阿鼻叫喚を
――――◇◇◇◇――――
「ロリ系のヒロインにあそこまで憎まれるとさすがにへこむ…。
姉属性に癒やされると思ったけど」
石畳の街並みに
治癒上昇と物理軽減のフィールド内での戦闘で剣聖カーミラは外傷は無かった。しかし糸が切れた人形のように倒れて目覚める気配がない。息はしていたが精神的、魂にダメージを与えたのではないかと晴人は自分を責めていた。
今は異世界で右も左も知らない晴人にエイブリーは街を案内する。
せっかくの美少女と
マイナス思考が続く。
「ハルトくん!あれとか、どうかな?きっと似合うと。思うよ」
ディバインナイトという最強ジョブで貴族には過分な期待と騎士には羨望の眼差しを向けられる。
「そ、そうだねエイブリーさん」
(このお店…王族とか大貴族の
ショーウインドー越しの粗く作られたマネキンにブランド物の衣装で彩る。その左奥にある頭のおかしい衣装にエイブリー人差し指で純粋に勧めるエイブリーに晴人は苦笑するしかなかった。
少し説明をさせてもらうと敷居が高いという本来の意味は不義理・面目の無いことがあって行きにくいであり実は萎縮して入りづらいは誤用になり晴人は誤用の意味で使った。
山ほど購入して店を後にする。
「まさか
喜色満面でエイブリーはブランドの紙袋を片手に2つ。
「エ、エイブリーさん買い過ぎじゃないですか!?笑みを崩さなかった店長が引いていたし・・・それに」
「「「またのご来店を!」」」
振り返れば店員、店長も含め総出で頭を深々と下げている。
「会計から人が変わったように丁寧な気がしたけど気のせいだよね」
「いえ、その感は間違っていないと思いますよエイブリーさん」
晴人とエイブリーは中央にある王城その城壁の外側は、東西南北と分かれる首都セメントリオが広がっていて、そのセメントリオ北部には貴族街と大商人のエリア。
北部は富裕層で汚れがない街灯、
道行く人も貴族か気品が溢れている。
(こんな所にボッチ根暗オタクの俺がいていい街じゃない。落ち着かない、落ち着けない、落ち着け!)
視線を向けられ悪い方へ考えている晴人だが貴婦人が見惚れるほど美貌だと事は知らない。
「あのマグカップ可愛くない?
ねぇ、中に入らない」
「答える前に入るんですねエイブリーさんは」
エイブリーは寄らないと誘いながら返事する前に入店する後ろ姿に晴人は今日は疲れるなぁと悟ると独白するのだった。
店内はオシャレで値段は手頃で一級品ばかり。変な物をたくさん購入して店を出る。
「うーん、最高だった!まさかスライム破裂した模型が売っていたのは驚いたけど勢いで買ってしまった」
意外だったのはプラモデルがあった。そしてそれをエイブリーは
顎に当てながらも購入したことにも。
「あの、エイブリーさんって模型とか趣味あったのですか?」
「ううん。なんとなく惹かれただけかな?」
「そ、そうですか…」
晴人は思った。何はともあれ王城に戻って開放されるんだ!
「ちょっと、ここで休憩しない?」
お互い買った物を視界が遮るほど購入していて両手が使えない。
エイブリーは顎で場所を指すのはフランス料理店のような大きなお店。
「はい。美味しいものを食べたかったところです」
見たことない料理の数々、文化的に歴史的に現代日本と鑑みて遅れているはずなのだが調味料は
魔法と美味な魔物は
満腹になってお店を後にする。
「エイブリーさんご馳走になり、ありがとうございます。かなり頼んでしまって高くなかったですか?」
「いいよ気にしなくて。救世主に
「なるほど。だから無駄遣いみたいな衝動買いも出来たのですね」
「あっ、渡された金額は服飾屋で使い切ってしまった」
「そうなのですか……えっ!?
それってまずくないですか」
前を歩く彼女は振り返り柔和な笑みで「思ったよりも渡された資金は少なかったけど食事代ってことかな」と見当違いな発言をする。
どうやらエイブリーさんは天然らしい。
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