第1話 入学or昼食

 教室に着くとほとんどの人が居るようだった。


「そっかカイ前かー」

「名簿隣だからな」


 名簿が3番のため廊下側の前から3番目という微妙な位置だ。

 由菜は早速友達を作りに行ったようだ。


『おはよう、名前は?』

「小川カイです」


 早速話しかけられた。


「俺は小金秦こがねしんだ、しんと言ってもらって平気だ、よろしく」

「こちらこそよろしく、しん」

「んで、あの女の子は彼女かい?」


 やはり言われると思った。

 僕もあの距離感で慣れていたのであまり感じては居なかったが、他の人から見たら距離感は近い。これが彼女の普通なのだが、やはり近いと感じるようだ。


「いや別に」

「まああまり詮索する気はないから気にするな」

「ああ、助かる」


 たまにとても聞いてくる奴がいたりするが、そういうタイプではなさそうで良かった。


「そろそろHRだから席戻るわ、また後でな」

「おう」


 時間も午前8時をすぎ、もうすぐでHRが始まるようだ。


「カイ、友達作れた?」

「失礼な、1人や2人位つくれるわ!」

「私は沢山作れたよ!みんなフレンドリーで話しかけやすかったし」

「そうか」


 彼女がフレンドリーすぎる気がしないでもないが……


 先生が入室し、HRが始まる。

 入学式の説明を中心に行われ、時間になり整列が始まる。


 入学式はスムーズに行われ、予定よりも5分ほど早く終了した。

 こればっかりはもう少し校長頑張ってクレメンス


 入学式終了後は主に校則についての説明が行われた。


「へー髪染めとか良いんだ」

「まぁ比較的この学校頭いいほうだからな」

「文化祭なんかも楽しそー」

「まあこの地域屈指の規模の文化祭だからな」

「へーそうなんだ」

「さては興味ないなお前」

「そんなことないよ~」

「ありよりのありじゃねぇか」


 こんな風に話しているときも地味に距離が近い。

 ちょっとドキッとする距離もあるからこりゃあ生半可な男子は落とされますわ。


 ちなみに自分はというと、もうこんなもんだと割り振ってどうにか落とされないように頑張っている。


 何人落とせるかゲームでもやってるんじゃないか?


 説明も終わり下校になる。


 北上はと言うと下校がお昼ごろということもありそのまま友達とご飯を食べに行くようだ。


 俺はというと先ほど知り合った秦(某始皇帝ではない)とご飯の約束をしている。


 ザ・青春ぽくていいだろぉ?


 ご飯を食べる場所は高校生の味方、サイゼに決定した。

 本当にサイゼはいいところだよなぁ、値段が安いしおいしいし。


サイゼに着いた。 


どうしてこうなった。

ありのまま今起こったことを話すぜ?

男子だけの食事会だと思っていたが偶然北上率いる女子軍団と遭遇。

陽キャ多めな当方はなぜが女子と混ざって食事会を行うことになってしまった。


陽キャ、恐るべし。


まあ、来てしまったものは仕方がないので席に着く。が、

なぜ北上の隣なん?

別にいいけどできれば避けたかった……

取り敢えず頼まないことには腹も満たないのでMy鉄板Menuを頼むことにした。

因みにただのドリンクバーとマルゲリータピザである。


「ねぇねぇ、何頼む?」

「自分はドリンクバーとマルゲリータやな」

「私はドリンクバーと彩りイタリアンサラダにしようかな」

「ダイエッtいだぁっぁぁっぁぁぁぁ、なんで抓るんだよ!」

「デリカシーなさすぎ!女子にダイエットとか人によっては殺されるよ?」

「本当に申し訳なく……」

「はーいそこの二人!入学してすぐにいちゃつかない!」


「いちゃついてねぇし」

「いちゃついてないし」


「おーシンクロー」


なぜいちゃついた認定されたし、あとシンクロしたのは偶然だ!


あと驚いたのが注文は口頭じゃなくて注文用紙記入式になったのか、また新たな知識を増やしてしまった。


ここでサイゼリアについての豆知識、サイゼには包丁がないらしいぞ。


一通り食事が終わると雑談タイムに入った。


まぁ思春期にありがちな話と言えば、そう、恋愛だ。


因みに真っ先に標的になったのは、俺だ。


「すこし気になったんだけど、北上さんと小川くんってどんな関係なの?」

「気になる~」

「うん?俺か?普通に中学校からの友達だが……、なぁ北上」

「うん、そうだけど?」

「いやーさっきもそうだったけど距離近そうだからさ、てっきり付き合ってるものかと」


一応まだ入学初日だから言っておくが、マジで出会って1週間ぐらいで誰でもこのぐらいの距離になってしまうぞ、北上なら。


まぁまだ新環境に慣れていないのもあって少し頼っているところもあるかもしれんが。

ここからが重要である。

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