第40話

めっちゃ文章がおかしなことになってました。真夜中に作業するもんじゃないですね。

該当箇所を修正しました。ご報告して頂いた皆さん、ありがとうございました。(2020/12/31)


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これは、俺が中学3年生の頃の話だ。

当時の俺は、今みたいな塞ぎこんだ感じは全くなく、友達も普通にいたし、よくみんなで遊びに行っていた。

そして、俺は剣道部に入っていた。ちなみに剣道は小学校の頃からやっていた。なんでやり始めたのかというと、戦隊モノのアニメを見て、「カッコいい!」と思ったからだった気がする。なにせ小さい頃の記憶なもんで、鮮明には覚えていないが。


それで、受験勉強を控えた中三の夏、事件は起きた。


そのきっかけは、同じ中学校に通う1年生の我が妹、花楓かえでの様子がおかしいように思ったことだ。家に帰ってきても、小学生の時のような元気な姿を見受けられなくなった。それどころか、部屋に引きこもる回数も増え、俺も、最初の内は思春期かなと呑気に受け止めていたのだが、だんだんそうとは思えなくなってきた。

俺は、兄としての自覚もあったため、花楓に何が起きているかを知るべく、わざわざ1年生のフロアまで出向き、花楓の様子を見てみることにした。


それと同時に、家でも花楓から話を聞こうと試みた。だが、花楓は「知らない」「兄さんには関係ないでしょ」などと拒絶の言葉を吐き出すばかりだった。


そんなある日、中学の剣道部としては、最後の大会に出ることとなった。うちの剣道部で、中学3年生は約8名在籍していたのだが、大会に出られるのは団体戦と個人戦合わせて6名だけだった。

自慢ではないが、俺は剣道の腕はそれなりに上達していて、個人戦の方を希望し、無事出場が決まった。


この夏の剣道大会で中学生での剣道は引退となるため、俺は大会に向けて、必死に鍛錬に励んでいた。


そして、大会を目前に控えた放課後。俺は教室に忘れ物をしてしまい、職員室から教室のカギを受け取って、教室まで人気のない校舎を上がっていった。

その帰り道、俺は廊下の階段を降りているときに、誰かの"声"が耳に入った。すでに、下校時刻を過ぎており、この校舎には生徒はいないはずなのに。

俺は、その"声"の正体を調べるべく、"声"のした方へと向かった。これは空耳だったのかもしれないし、あるいは運命的なものだったのかもしれない。


"声"がする方に近づいていくと、なんだか聞き覚えのある"声"が聞こえてきた。その"声"によって、俺の内心は不安と疑問に染まった。

ちょうど廊下が角になっていたので、俺は身を隠すようにして、耳を傾けた。




「今度は、なんのつもりですか」


一人の少女は、足が震えながらもそう反論した。その相手は、少女を取り囲むようにしている女子5人。


「ん?なんのつもりかって?そんなの決まってるじゃん。別にあたしたちに聞かなくてもわかるっしょ」


女子5人の中の一人が、完全に怯え切っている少女のことを嘲笑するかの如く、適当な返事を返す。そして他の4人も同様の表情が浮かんでいた。


「だからなんども言ってるじゃないですか。私は男子に媚びてるつもりもないし、媚びる理由もないって」

「ふーん。そんな言い草してていいんだ?」


女子たちは、カバンを通路脇に置いた。


「とっとと失せてくれないかな。はっきり言って、邪魔なんだよね」

「...」

「何とか言ってみてよ。ねぇ」


そう言って、少女に対してキックを放った女子。そのキックに対して、特に抵抗をすることもなく、少女は壁に吹っ飛ばされた。


その瞬間を見てしまった俺は、ついに怒りが頂点に達してしまった。竹刀袋から竹刀を取り出した俺は、怒りに身を任せ、少女のもとに向かった。


思えば、この時もうちょっと思考が冷静であれば、また結末は違っていたのかもしれない。だが、当時の俺には、まだ感情をうまくコントロールできるほど大人でもなかったのだろう。


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今年も一年...というより半年ほどありがとうございました。

この作品がカクヨムでは初めての作品なのにもかかわらず、多くの方々に読んでいただいて、大変うれしい限りです。

更新ペースは相変わらず遅いですが、来年もこの作品をよろしくお願いします。


カクヨム用のTwitterは作るかもしれません。予定は未定です。

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