第15話

ゲーム実況チックなものが出てきますが、その描写の部分は飛ばしてもらって構いません。

EAさん、いろいろと権利関係大丈夫でしょうか。

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「おやすみ~」

「おやすみ」


時刻はすでに午後の11時である。霧島は眠たそうにしていたので、寝るように促した。

だがしかし。GWぐらい遊び尽くしたいものだ。お前高校2年にもなって受験勉強しろとかいうのは聞かなかったことにする。


「もしもし~」

「おう。浩司」

「おう!待ってたぞ~」

「おっす。星野、椎名」


ドタキャン...でもないけど、遊びの約束をキャンセルしてしまったので、ネット上で一緒に遊ぼうとなった。

今日はゲームガチ勢の椎名のおすすめのゲームをすることになっている。椎名も俺の友人だ。割とよくチームを組んで何かしらのゲームをしている。


「じゃ、エペやるか」

「おけ。これからゲーム立ち上げるからちょっと待ってな」


俺はリビングのテレビとプレステの電源を入れる。本来、プレステは自室のモニターにつながっているのだが、霧島の寝床となっているので1階に持ってきた。


「よっしゃ。行けるぞ」

「あー。よし。ランク戦でいいな」

「もちろん。カジュアルとか野良で十分や。わざわざVCつないでるやし」



「あ、230方向に敵おるわ」

「りょ~かい。俺狙撃していい?」

「分かった。範囲不利だから、範囲迫ってくる前に入りたいね」

「せやな。とりあえず、あのビル確保したいわ」


残りのパーティーは2つ。俺ら3人は誰一人死んでいない。優勝狙える状況だ。

俺の所持武器はSRとショットガン。中遠距離はSRで狙撃して、近距離戦闘になったらショットガンに持ち換えて戦うのだが、近距離戦闘は少し苦手で、味方に頼らざるをを得ない。


「おっ敵が居たわ」

「じゃ撃つぞ」


岩陰から頭を出している敵に慎重に照準を合わせて、撃つ。


「よっしゃ、先頭の奴アーマー溶かした」

「おけ」


頭を出した敵にも照準を合わせる。そして、撃つ。


「よし、頭入れた」

「おっしゃ、この間に詰めるか」

「りょーかい」


範囲のダメージは試合終盤ということもあり、馬鹿にならない痛さなので、とっとと移動する。俺たちが選んだ場所は、塀の陰だ。

スコープを覗いて、敵の様子をうかがう。


「あ、やべ」


その瞬間、敵からの集中砲火を受けてしまった。ダウンまでは弾を食らわなかったが、アーマーがほぼ溶けた。

急いで安全な場所に身を隠し、アーマーの回復をする。


「おい、次の範囲こっち側だ。あとは、分かってるな?」

「ああ、分かっとるわ。この勝負もろたで」


ゆっくりと範囲が縮小する時を待つ。ボイスチャットも静まり、緊張が走る。


「キタ!」


俺はスコープを覗き、素早く照準を合わせる。敵は走って移動しているので、偏差も考えて引き金を引く。


「胴体入れたぞ」

「ナイス。よし、ワンダウン」


俺はコッキングが終わり次第、もう一度ヘッドショットを狙う。


「クッソ。外した」

「ドンマイ。あっ、射線切れた」

「スナイパーの弾があと3発だな。これで必ず決める」


スコープを覗いて、いつ敵が出てきてもおかしくないようにチラチラと塀から覗く。


「あっ」


反射的に引き金を引いてしまったが、放たれた弾は見事敵の頭にヒットした。


「天っ才かよお前。おっしゃ詰めよう!」

「せやな。いけぇ!」


一気にパーティー全員が敵の方にめがけて走り出した。

俺は、武器をショットガンに持ち替えて、一緒に駆けだす。






「いよっしゃぁー!」

「ナイスぅ!」


キルログには椎名が最後の敵をキルしたことが表示された。

画面には『YOU ARE THE CHAMPION』の文字が表示されている。


「いやー。倉田のAIM力パネェわ」

「かくいう椎名もちゃっかり5キルもしてんじゃねぇか」


今回の戦績は俺3キル・星野2キル・椎名5キルである。やはり椎名はガチ勢なのだ。椎名自体は俺より1個上のランクに居る。ただ、ランク戦はパーティー内の一番高いランクに合わせられるので、強制的にハイレベルな戦いを強要されるのだが、しょうがない。




「じゃ、もう1時だし寝るわ」

「あ、そう?もうちょっと夜更かししようぜ」

「そやそや。別にゴールデンウィーク中やねんからな」


時刻は1時を過ぎており、俺は若干眠い。霧島に朝起こされたこともあり、あまり夜更かし出来なさそうだ。


「わりぃな。けど眠いから落ちるわ」

「そうか。じゃあまぁまた」

「おう、おやすみやで~」


プレステの電源を切り、俺は寝る準備を始めた。



「あっ、また充電器持ってきてねえや。さすがに今日は充電しとかなくちゃなぁ...」


スマホの通知を確認しようとすると、携帯の電池のロゴが赤色になっていた。

携帯の電池はゲーム中にずっと通話していたこともあり、10%程度になっていた。さすがに充電は切らしたくない。といいながら、昨日は切れていたのだが。


ということで、自室に充電器を取りに行くことにする。ただ、霧島が俺の部屋で寝ているのがなぁ...絶対に間違いを起こしてはいけない。

俺は邪念を捨てきり、2階の自室へと向かうことにした。



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いつも誤字報告やご感想ありがとうございます。

ご感想につきましては、返信を控えさせていただいていますが、きちんと目は通しており、大変モチベーションにもつながっております。

更新速度は遅いですが、これからもどうぞよろしくお願いします。

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