第13話
一部表現を変更しました。(20/10/02)
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―――ピピピピピ
朝か。
スマホのアラームが鳴り響く。俺は寝ぼけた頭でスマホのアラームを止める。
「…ヨイショ」
体を起こした俺は、スマホを確認する。ねみぃ。めっちゃねみぃ。
えーと。今の時間は7:00。
ん?今日ってゴールデンウィークだよな。こんな時間に起きなくてもよかったなぁ。学校がある時のアラームがそのままになってしまっていた。
よし。8時まで寝よう。たまには二度寝してもええやろ(適当)。知らんけど。
そう結論付けて、俺は再び布団をかぶることにした。やっぱりお布団は偉大である。
「...rたくん」
うん?誰か呼んでる気がする。まぁ寝よう。眠いし。
「倉田君」
一体なんですかね。人の眠りを邪魔するなんて。
「倉・田・君!おきて!」
「はっ!」
余りの声の大きさで、俺は反射的にベッドから飛び上がってしまった。
「あっ。き、霧島。おはよう…」
「はい。倉田君おはよう。今何時だと思ってるの?」
「えっ?8時ぐらいだろ」
スマホを右手で探し始めるが、ない。どこにもない。
「ん?スマホ?ベッドの下に落ちてたよ。はい」
どうやら知らぬ間にベッドの下に転がり落ちていたようだ。俺、そんなに寝相は悪くないと思うんだけど。
「あれ?」
スマホの電源ボタンをカチカチしているが、一向に反応しない。
試しに長押ししてみると、画面にはすっからかんになった電池のマークが表示された。もしかしなくても、電池が切れている。
「あの~霧島さん。いま何時で?」
「今は9時半なんですけど。いくら学校が休みだからって、こんな遅くまで寝てたらダメだよ?」
「あっはい。すんません」
なぜか美少女に朝っぱらから説教される俺。いや寝坊した俺のせいなんですけどね。せっかくなら甘い声で起こしてほしかったのに。
「じゃ、私リビングで勉強してるからね。また寝たら...どうなるか分かってるよね」
「はい分かってますもちろんです」
「ん。じゃ」
扉がぱたんと閉まる。これで二度寝もとい三度寝を出来る奴は、よっぽどだと思う。もしかしたら特殊性癖とかをお持ちの方はそうなのかもしれないが、僕はノーマルです。もう怒られたくないので、とっとと起きよう。
寝巻きから普段着に着替えた俺は、ひとまず自分の部屋に行って、スマホに充電ケーブルをぶっ刺した。そして1分ぐらい待って電源を入れる。
俺の数少ない友人に椎名というヤツがいるのだが、
「スマホは電源オンにしとけ。電源オフで充電なんて考え方は甘いだよなぁ?別に液晶がついていようがついていないだろうが、消費電力は大して変わらないし、なにより大事な通知を見逃すことになるぞ。だからつけとけ」
などと熱弁していた。オタク特有の早口でな。
電源が付いたことを確認した俺は、机の上の教材を取って一階へと降りた。今までの経験上、多分2時間もすれば80パーセントぐらいは充電できていると思う。急速充電最高。
「おはよう」
「おはよ~」
霧島はテーブルでノートを開いて、黙々と勉強していた。昨夜の分からなかったところを教えてもらおうとしたが、邪魔するのも気が引けたので後にしよう。
とりあえず、朝食を取ることにする。いつもなら食パンにジャム塗ったものを加えているだけだが、霧島に出すものがそんなに適当じゃダメだろう。
「霧島、朝ご飯作るけど、なんか食べたいものあるか?」
「え?別にテキトーでも構わないよ」
「わかった。てか今更だけどアレルギーとかないよな」
「大丈夫だよ」
さて、何を作ろうか。
冷蔵庫に何が入ってたかな...と考えていると、冷凍コーンが脳裏に浮かんだ。コーンを買ったはいいけど、あんまり使わないんだよね。
ということで、今日の朝食はコーンマヨトーストにしよう。すぐできるし、間違いのないレシピだ。
食パンを2枚取り出した俺は、マヨネーズを存分にかけていく。これでもかとかけた後は、コーンを乗せていく。
そして追いマヨネーズをする。俺は特段マヨラーというわけでもないが、こういうのはケチったら負けだと思う。あと、黒胡椒もたっぷりと利かせておく。すでに製造過程で挽いてある胡椒を使うのは甘えだ。俺はきちんとミルで挽いたものを使うタイプだ。
後はこれらをトースターに入れて焼くだけだ。後は3,4分待つだけ。
―――チーン
「きりしまー。朝ご飯できたぞー」
「ありがと!」
霧島が台所に来た。どうやら勉強の方はキリを付けたようだ。
俺は食器棚から角皿を出して、それにトーストを乗せていく。
「あっつ!」
「大丈夫?」
しばらくトースターでパンを焼いていなかったから、失念していた。マジでやけどしそうなくらい熱い。
「ふー。はいこれ」
「これってコーンマヨ?」
「そう。食べたことない?」
「ないねぇ。朝ご飯っていつもクロワッサンとかを食べてるだけだから」
やっぱみんなそうよな。みな朝ごはんって適当だよな。朝から豪勢なものを食すご家庭ではなさそうだ。
「「いただきます」」
何度も作ったことのあるレシピだが、安定のおいしさだ。
「どうだ?」
「おいっしいねこれ!」
「だろ?」
霧島の表情はニコニコしている。本当においしそうに食べていて、作る側としてもちょっとうれしくなる。
ただ、トースト1枚なので一瞬で食べてしまっていた。明日からはパン2枚かな...
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