第11話 焦り。そして違和感

こんにちは。スコール・ガーライルです。

とてもいいお天気ですね。鉄格子に囲われてるけど。腰にかけてた断罪はどっか行きました。


では問題です!私はどこにいるでしょうか!

正解は〜!ここでーす!ここ!ここ!ここに居マース!

正解は牢屋のなかでしたー!HAHAHA!


あれからどれくらいの時間が経っただろうか。

俺には分からないよ♪


1人ハイテンションになっている俺。

服もさっきのThe!村人って感じとは違い、

白黒のシマシマ模様の囚人服を着ている。


おっとぉ?周りの囚人達の視線が痛い。


コツコツと足音が聞こえてきた。

おっ。さっきの騎士じゃん。


「おい。貴様。事情聴取だ。ここから出ろ。」


へいへい。行きますよーだ。


ガチャっと扉を開ける音がした。

そして、俺は重い足取りで牢屋を出るのだった。


とぼとぼと歩く俺。


俺が行くのは聴取を行う部屋だろうか。


歩いていくうちに聴取室という鉄扉が付いている部屋が見えてきた。


あぁ。ここか。1度見てみたかったけどこんな形で見たくはなかったぞ☆


って。おーい。騎士さん?過ぎてるぞい?


「何止まっている。外だぞ。公開聴取だ。」


なんだよ。それ。


俺は騎士に連れられ外に出る。

まだそれほど経っていないようで、日はあまりさっきより動いていなかった。


良かった。

今はお昼頃か?えっ。やばくね?


懲罰所を出て、少し開けた広場の様な所に連れられる。


そこには2つの椅子と1つの机。プラス野次馬と幼馴染達、アヴォルフリードにハクとか言うやつまでいる。


笑いに来たな?さては?


「お前捕まったのかw

ならはよ。はよ封印外せ。」


アヴォルフリード。

外してやんねーよ!バーカ!ひははははははははははは!


「これから公開聴取を始める。この板に手を置け。

まず初めに。お前は敵国のテロリストか?

それとも魔王軍の手先か?」


「どれもちげえよ。俺はしがない村人だ。」


騎士は俺の手が置かれている板をジッと見つめる。


「嘘は、ついてないみたいだな。ではなんであn」


「嘘よ!」「は、はぁ?」


困惑の表情を上げる騎士。それもそうだ。

いきなりヒステリックな声を出した女がいたら

そりゃな。


「アンタのせいで!ウチの子はっ!」


ウッソだろおい!?俺結構周りに人が居ないか気をつけたのに!?


「顔にかすり傷を負ったのよ!?」


あっ。はーい。どーでもいいでーす。どうぞお帰りくださーい。


「ね、ねぇ。お、お母さん。いいよ、大丈夫だって。」


母親の服の裾をチョイチョイと引っ張って今にも消えそうな声で言う小さな女の子。

ほっぺたからは少し血が出ていたが、本当に少量で怪我の程度はその辺で転んだ位のものだ。

身長を見るに10歳児くらいだろうか。

身なりは貧相で少し痩せていた。

貧乏なのだろう。

でも。将来は美人だね。引き取る手数多だよ。

良かったな。そしてなんでこんなに美人が多いんですか?俺はラノベで言うモブ顔と言うやつをここで見た事がないんだが?


まぁ。あの子は恐らく出稼ぎに来た母についてきたんだろうな。


ははーん?さては俺に慰謝料払えって事だなぁ?

いや。俺が悪いからいいけどさ。

絶対ごっそり持ってくぽいよな。あの人。


俺は席から立ち上がる。

そしてあの子供へとスタスタと歩み寄る。


「な、貴様!動くな!」


すかさず両足に拘束魔法をかける騎士。


困ったな。これじゃああのかすり傷治せないじゃん。


「ん。来い。断罪。」


懲罰所の壁をドゴン!と突き破り出てきた断罪が俺の手に収まる。


そして拘束魔法を断罪で喰えば。

足に断罪を当て魔法が破壊される音とともに、

俺の足が動き始める。


「き、きゃぁぁぁ!」「助けてくれっ!」


逃げ惑う人々。


「おい!早く止まれ!もっと罪重ねてどうするんだ!?」


叫ぶ騎士。


「「は、ははは。」」


遠い目をする幼馴染達。


「え、ええ…?」


引くアヴォルフリード。


なんですか??これ。


俺はあの子の怪我を治そうとしてるだけだぞ?


あの子は…?って居た居た。


「ひ、ひぃ!」


なんで腰を抜かしてるん???????


俺はあの子に手を伸ばす。


すると女の子は泣きじゃくり始めた。


ぇぇぇぇ??????????


「や、やめなさい!私が悪かったから!

殺すなら私を!」


おお。母親の鏡ぃ?

殺すなんて何物騒な事言ってんだよ。


「ね、ねぇ!お願いします!む、娘は、殺さないでください…!」


????????????????????


「え?怪我を治そうとしてるだけだけど?」


「へ?」


「え?むしろ何だと思ってたんですか?」


「いや、てっきり腹いせに殺すのかと。」


「そんな物騒なー笑。見てくださいよ!

俺を!物騒な物なんて、ん?」


俺は右手を見る。そこには断罪が。


断罪のフォルムは真っ黒で所々に錆の様なものがついている。だが刃こぼれしている訳では無く、普通に切れるし。ホントなんなんだこの錆。

そして、長さは大体1m30チョイ位だ。

まぁ。普通のロングソードよりは長い。

だけどあんまり重くはないんだよな。

不思議なもんだ。


でも。よく考える。

いきなり懲罰所の壁を壊した剣を片手に

無言で近づく人?怖。


「あっ。」

ごめんなさい。気づきました。


「ほ、本当に。申し訳ございませんでした!」

ジャパニーズ土下座炸裂!


「あ、いえ…。私も悪かったですし。

あっ。こら。やめなさい。泣くの。大丈夫だから。このお兄ちゃん。怪我を治そうとしてくれただけだから。」


「でもぉ!怖かった!」

鼻水も涙も流しまくり、未だにえんえんと泣いている女の子。


グハッ!!俺に大ダメージ。俺の心は硝子でした。


「ほ、ほーら?よしよし!俺が傷治してやるからな?」


「ひ、ひぃ!」


あっ。ダメだ。これ立ち直れないやつだ。


「おっ。馬鹿発見。」


声がする方に目を向けるとそこには学院長達が。


周りの人はえええ!?と騒いでいる。


「お前をさ。無罪にする方法があるんだが。

聞きたい?」


なんですか?オルガンさん。

そんなのに俺が釣られるとでも?


「話を詳しく。」


ま、まぁ?一応。一応だ。


「戦闘科に入れ。」


だろうな!?知ってたよ!?


こんな騒動があったからだろうか。

誰も周りの植物が異様に育っていることに気がついていなかった。


雑草は生い茂り、苔は家の全てを覆う。

街路樹が異様に発達し、生えてないはずの木まで生えていた事に。


そして。


「ギャッ。」


誰かが声を出す。


ん?なんだってええ!?

周りの人は気づいていない見たいだが緑が多いんですが!?


「ねえねえ。お兄ちゃん。」

クイクイと裾を引っ張るさっきの女の子。

泣き止んだみたいだ。まだ目は真っ赤だが。


「お母さんが居なくなっちゃった…。」


「ん、あぁ。マジで?いいよー。俺が探してやる!」


何故かあの緑はあんまり気にならないし。

それにあの狂った学園長から逃げ出したい。


そう言えば。騎士は?騎士もいないな。

どうかしたのだろうか。

なんか人数も少なくなってる気がする。

幼馴染達も居ないな。そう言えば。


「おかーさーん!」


しばらくして。

いや全然居ないんだが。

誰も。騎士も。幼馴染達も。

いや、アヴォルフリードは居たけど。

一緒に探してもらってるけど。


「なぁー!アド!」


「ん?なんじゃ?全然居ないぞ?」


「元の場所に戻らないかー?」


そう。今の俺達はあの広場から離れた場所にいる。

ゴーストタウンらしく誰もいない。

王都にもこんな場所があるんだなぁ。と思う俺でした。


女の子も段々しょんぼりしてきたし。

もしかしたらあそこで探してるかもしれないしな。


「いいぞ!よし!戻るか!」


とぼとぼと歩き始める。ここから歩いて10分位だったはず。


「なぁ。お前さんの名前はなんというのか?」


「え、私?アンナ!アンナ・キャスだよ!」


「アンナか!良い名だな!」


アヴォルフリードには子供の機嫌を良くする

素質があるのかも。


俺なんて未だに怖がられてるからな。

俺が悪いんだが。


「お兄ちゃんは?」


やめろォ!その笑顔はっ!俺には眩しすぎる!

後光が指してみえるぞ。こんな事ってほんとにあんのな。


「スコール。スコール・ガーライルだ。よろしくな。」


「うん!あとねー?お母さんお店やってるんだ!2人で来てよ!」


あぶねえ。気が遠くなっていた。

これが尊死ってやつかよ…!

尊死はなんか転生者が言ってたヤツだ。


「ああ。是非行かせてもらおう。」


「アドー!スコールさm、スコール!」


げっという表情をアヴォルフリードが浮かべる。


あっ。ハクだ。


何か言いかけてたけども。気の所為?


走ってきたのでハァハァと息が整っていない。

焦っているのだろうか。

「あのっ!お手洗いから戻ってきたら広場に誰も居ないのですが!」


「「「はぁ?」」」


「何を言っている。居ないはずあるまい。」


「なら早く来てください!」


「まぁ。小さい子が居るんだし。歩いていこうぜ。もしかしたら皆トイレかも。」


まぁ。そんな訳ないが。

ちっちゃい子が居るのだ。

あまり不安な内容の話はな。


だが。本当になんなのだろうか。


「なぁ。ハク、だよな?」


「え、ええ。どうかしましたか?」


「こっからは小声で頼む。あんた強いだろ?

ならあの子を守って欲しいんだが。」


「え、ええ。良いですが何故ですか?」


「ま。万全は期したほうがいいだろ。」


何が起こるか分からない。

まぁ。幸いここに居るのは強い奴らばかりだ。

俺もこの王都で自分が強い事を確認したので戦いに参加しようと思う。


よし。ここの角を曲がったら広場だ。


俺は手に断罪を持ち構える。

アヴォルフリードは何も分かってないようだが。

ハクはアンナを後ろに下げて庇うように構えた。


角を曲がる。


ん?全員いんじゃん。


「居るんだが?」


「ええ?おかしいですね。」


「あっ。お母さんー!」


アンナが母親に駆け寄る。


でもなんだろう。この違和感。

ん?緑が消えてる?

なんか人が俯いてるな。

皆いるけど。幼馴染達も。

なんかさっきまで居なかった人も居る。


「おい!やめろ!早く!あの子をこっちに!」


ん?なんだよ。アヴォルフリード。

っておい!


前に目を向けると母親がアンナを襲う姿。

周りの奴らもアンナに向かっている。


くそっ!


「時間結界!」


間一髪。間に合ったみたいだが。


だが誰も動かせないので俺はアンナの手を握る。


解除!そして、


「テレポートっ!」


アヴォルフリードの後ろへ転移する。


すると人々はこちらへ覚束無い足取りで向かってくる。


すかさずアヴォルフリードが氷で路地を塞ぐ。


するとヤミカが俊敏な動きで壁を登り、

壁を越えた。


そのままの勢いで短刀を構え突進してくる。

当然俺達は避けるが。


おい!馬鹿!その勢いじゃ!


大怪我すんぞ!


予想は的中。

何も受身も取らずそのまま床へ頭から激突。

構えていた短刀は自分の体に刺さった。


小さい子には少し、いや、過激にショッキングな光景だが、


普通なら動けないはずだ。

だが動く。意思のない人形の様に。


彼女は血をボタボタの流しながらフラフラとこちらへ向かってくる。


「おい!馬鹿か!?死ぬぞ!?」


「.............」


だが何も答えない。


そして。俺の前で。事切れた様に倒れ込むのだった。

息は浅い。このままでは死ぬ。

応急処置をしても間に合わない。


「は、は?

お、おい!馬鹿!何やってんだよ!」


「おい!スコール!氷が破られるぞ!」


オルガンさんが炎虎という精霊を出し、氷を溶かした見たいだ。


流れ込むように人がなだれ込む。


あまりの出来事に脳で処理が出来ない。


「チッ!早く捕まれ!」


アヴォルフリード、ハク、アンナが俺の肩に捕まる。


「行くぞ!テレポート!」


行先は!師匠の所!

頼む!もう少し持ってくれ!


――――――――――――――――――――

こんにちは。Writeです。まずは謝罪を。

ごめんなさい。ギャグ一本では行かなくなり、シリアス展開も混ぜつつ、これからすすめていきます。

残酷描写、暴力表現は最初表記していなかったのですが、展開を決めていく内にあれ?

シリアス展開多くね?となり、今回追加となってしまいました。

これが駄目な場合。応援のメッセージで伝えて頂けると幸いです。

ギャグ1本に立て直すので!

でも大丈夫。面白いよ!と言うのであれば。

これも応援のメッセージで伝えて頂けると幸いです。

でもギャグなくなる訳では無いので。

シリアス展開追加するだけなので。

そこをどうか理解していただけると助かります。

あと。遅いよね。更新速度。

ごめんなさい。勉強とか色々あるんです。

Twitterを作りましたのでそちらの方で無理そうだったら報告させていただきます。

誠にご迷惑の程をお掛けします。


そして!これからもこの作品をよろしくお願いします!

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