第3話 俺。死ぬかもしれません。
「ふぃ~。ただまー。」
今日は疲れた。
王都まで戻る気力が無い。
俺は村の自分の家に戻った。
この家には今誰もいないはずだ。
義妹と会おうなんて思ってた時期が俺にもあった。
どうせ辛辣な言葉かけられるんだろう。
俺のHPはもうゼロよ。
「復讐はよ。」
俺の剣が喋った。
「お前。こんな展開早くしてどうすんだよ。
まだ始まって少しだけどあれ?展開早くね?
って焦ってんだからな?」
「我の!子供が!」
それは分かってんだけどさぁ。
「なんも手がかりないんだろ?」
帰る途中に聞いたけどそれらしい情報はひとつも無く。
ホント。どうやって復讐しようとしたんだか。
「えっ?人間全員殺せばいいだろう?」
「させねえからな。俺が。」
王都に行けば何かと情報はある筈だ。
七星龍の子が攫われた。そんなニュース一瞬で王国中に広まるだろう。
それに七星龍というのは人間にも人気であり、
中には崇める対象となっている場合もある。
七星教だ。
「てかさ、気になったんだが。
お前らの子ってさ。誰との?」
「それか。神に貰ったのだ。いや、願ったと言うべきか。」
「それまたなぜに?」
「暇だったのだ。それで暇つぶしに人間の集落の上を飛んで人間共を恐怖で震わせていたんだが、親と子の関係が羨ましく見えてな。
頼んだのだ。神には多少借りを作っているしな。」
神に頼られる龍って一体?
「それを7匹全員したと。」
「そうだな。」
ついてけねえ。
というかなんだか体がベタベタするな。
ならば。
「ちょっと風呂入ってくるわ。」
リフレッシュしたいし。
「我も入りたいんだが。」
「無理に決まってんだろ!」
剣を風呂に入れる?巫山戯るな!
「ならば龍の姿に戻せばよかろう?
体はもう完治しておる。」
バレたのか!?
というか龍に戻る?まてよ?
「お前も逃げる気だろ?」
ちっと舌打ちが聞こえた。何処に舌あんねん。
お前。
「勘のいい牡蠣はフライだ。」
何言ってんだ。(困惑)
「噂によれば人の姿にもなれんだろ?
ライトノベル?ってのに書かれてたぜ。」
俺の最近の愛読書だ。異世界から来たらしい。
「なんじゃそれ。出来るわけない、いや?出来るのか?出来るかもしれない。」
マジか。ちょっぴり興奮する。ラノベで見た物が現実に!
「そもそも今の我のこの体は魔力で作られておる。体の形状をちょっと変られれば出来なくもない。」
えっ?剣じゃなくなんの?やだよヤダ。
やっぱナシで。
「それではゆくぞ!」
「おい!やm」
アヴォルフリードの体がまたもや粒子になっていき、人の形に段々変わってきた。
「俺の剣がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁaaaaaa!!!!!」
「ほれ。出来たぞ。」
そこに立っていたのは真っ白な肌をし、白とも水色とも言えるような髪の色をした美少女だった。ちなみに全裸。豊満なバストが顕となっている。あっ。これアヴォルフリードだ。目の色が同じ。
なんなんだ?龍って人間になったら美少女になる呪いでもかかってんのか?
自問自答する。
てかお前メスだったのね。
やばい。頭パンクしそう。
「さぁ!これで入れるぞ!
時間が勿体ない!一緒に入るぞ!」
「お、おう。」
と待て!俺はとんでもない事を口走ったのでは!?
「風呂場は何処だァァァ!」
おい!家ん中全裸で走んな!
「すぐそこの扉だァァ!」
分かったァァ!と声が聞こえた。
よし。待つか。
というわけで掃除でもしようと思っ?
玄関を見た時、見慣れない物があった。
なんだこの靴?女の?
こんなの家には無かったはずだ。
「おーい。スコールー。誰かいたんじゃが?」
全裸でアヴォルフリードが戻ってきた。
んー?風呂場前に居るの誰だ?
「あ、兄貴。お前、浮気し、てたのか?」
そこに居たのはマイスイートシスター。
あーっ!終わったね★俺の人生!
こんな時は、
「ごめんなさぁい!これには深い事情がぁ!」
全力★DO★GE★ZA★だ!
「なんなのだ?スコール。この女は。」
「あんた兄貴のなんなんだ!?」
「無理やり服従させられたメスじゃな!」
おい。言い方。悪意しかないだろ。
「ギルティ。」
うわ。生ゴミ見る目で見てくるよ。
うん。そりゃそうだ。
「モカさんとは別れたの?」
「いや。別れてないです。」
「ギルティ。」
そりゃな!そうだわな!
「兄貴は装備バカだと思ってたのに…」
俺は頭をフル回転させていた。
この頭のおかしいメスドラゴンはダメだ。救いようがない。とりあえず死んどけ。カス。
今は義妹を何とか説得させねえと。
「じ、実はこいつ剣でドラゴンなんだ!」
焦ってんのバレバレだろうな。
「何言ってんの?生ゴミ?」
ほらぁ!頼む!アヴォルフリード!剣に戻って!ほら!ハウス!ハウス!
「あんなの何回も使えるわけなかろう?」
「兄貴。大丈夫。死んでも地獄に行くだけだよ。」
頼むから。どうにかしてくれよォォォ!
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